「チャンチャンチャン、あそぼーよ」
「いやですめんどくさい帰ってください」
「そんなつめたい態度も僕は嬉しいからさあ」
「なんですかそれ至極気持ち悪いんですが。白蘭様セクシャルハラスメントって知ってます?略してセクハラというもので、上司が部下にやっているのが王道ですね。それと電車の中も。話は脱線しましたがそれでですね――――――」
チャンは一切の視線をこっちによこさないで息一つしないで一気に捲くし立てた。
チャンのそんな言葉は僕の耳に入ってすうっと軽やかに流れ去った。
まるで日本の六甲のお水みたいだった。チャンのきりりとした声も姿勢も目尻も好きだった。とてもうつくしかった。そのひとつひとつの線がやけに扇情的で、やはりこう思うのもチャンの言うセクハラに該当するのだろうか。
いや多分これは僕のチャンに対する愛だ。だからこれはセクハラなんかじゃなく、れっきとした立派な愛情表現なんだ。
「白蘭様は白蘭様のお仕事をなさってください」
「うん、だからこれ仕事」
そう言ったらやっぱりチャンは訝しげに眉をひそめてため息をついた。
「チャンに愛を伝えるのが仕事」
今度はチャンは赤くなった。
ああ、やっぱり、(かわいいなあ)。
給料ドロボーできる女をGET★した(百蘭)
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