ふたりは犬猿の仲
※組織壊滅後
※赤井→←ヒロイン←降谷、付き合ってはない
※嘔吐、失禁、汚喘ぎ、不快に思われたらそっ閉じ推奨
Alcohol is barren. The words a man speaks in the night of drunkenness fade like the darkness itself at the coming of day.
(アルコールは不毛だ。酔っ払いの夜に話す言葉は、日の出の暗闇のように消えていく。)
頭痛と吐き気で目が覚めるだなんて最高にクソったれな朝だ。 は真っ裸なのも気にせず、その辺にあったタオルケットを羽織ってトイレへと足を引きずった。その場で粗相をしなかった事を褒めて欲しいくらいだ。
昨日の記憶は皆無。だが、目を背けたい事実はいくらでも転がっていた。赤井や降谷は 同様素っ裸で雑魚寝、至る所に使い終わった後のスキン、そこから零れ出ているイカ臭い残滓、 の股に残る異物感と腰痛。完全にやらかしたのは間違いないだろう。
公安とFBIの合同捜査でやっと大きいヤマを片付け、人種も国境も越えてチーム皆で祝杯をあげた事は覚えている。人間らしい生活を捨てて労働した後の酒は、五臓六腑に染みわたる美味さだったのも覚えている。しかしそこから先がどうしても思い出せない。三徹目の身体に睡眠より先に酒を入れたのは完全にイカれているが、 の他に赤井や降谷も肝臓を傷めつけるように呑んでいたから、どこか安心して調子に乗ってしまったのだ。リスキーシフト――皆で呑めば怖くない精神である。
「ぅお゛ぇえ……お゛っえ゛……!」
駄目だ。上手く吐けない。吐いてしまえば楽になるから吐いてしまいたいのに、鈍重な身体は言う事を聞かない。
「なんだ、吐けないのか」
えずいていると、いつの間にか起きてきた降谷が半ば便器に顔を突っ込んでいる を見下ろしていた。その表情に品行方正な安室透は一切含まれていないし、かと言って大勢の部下を抱える優秀なエリート公安様の降谷零の面影もない。そこに居るのはただのケダモノである。
「俺が手伝ってやるよ」
言うが否や降谷は の後頭部を荒々しく引っ掴み、長い指を口に突っ込んだ。彼らしい、実に合理的な嘔吐反射の促し方であった。
「う゛ぶっ……ぉえ゛ぇ゛え゛ぇぇえ……っ!」
見事 は降谷の手によって勢いよく吐く事に成功した。やり方は最悪だし、気分は家畜であったが。加えて の吐瀉物が降り掛かる前にきちんと指を抜き、自身の衛生を保っている所がなんとも憎い。
First you take a drink, then the drink takes a drink, then the drink takes you.
(最初にあなたがお酒を飲むと、そのお酒がお酒を飲み、そしてそのお酒があなたを飲む。)
胃液まで吐ききってしまえば矜持や尊厳なんかも水に流され、再び訪れた倦怠感と疲労に瞼が落ちそうになる。ベッドが便器だなんて信じたくもないが、降谷と違って自分の汚物を一身に受け止めてくれた愛しい相棒だ。文句は言えまい。
「おい、ケツをあげろ」
ぐったりしている なんかお構いなしに降谷は後ろから覆い被さる様に密着し、先ほどから剥き出しにされている彼女のまろいお尻をゆっくりと撫でた。
「な、に……っぅあ!」
の臀部の形を確かめ、そのまま菊門をなぞる。 の背筋に微かな寒気と恐怖が走り、今出来る精一杯の俊敏な動きで逃げようと体を動かすが、それがいけなかった。便器を抱いていた が中途半端に立ち上ろうとすれば、その空いたスペースに降谷の手が入り込んで彼女の腰を掴んで引き寄せる。そうすると丁度二人の身長差によって、降谷の屹立が の股にイイ感じに挟められるのだ。当然つい今まで吐きまくって、性欲も搾り取られた の性器が濡れていないのを見越している降谷は、既に先走りで潤っている自身の亀頭を彼女の縦筋に擦りつけ、互いの快感を得ようと腰を動かす。
「お前は気に喰わないが、体の相性が良すぎるのは困ったものだな……」
「っひ、ぁ゛……あ、ッん、ぅ」
しかし自身の潤滑油だけでは十分な快感を得られないので、 にも協力を仰ぐことにする。
どこか恍惚気味に興奮した降谷の吐息がねっとりと の鼓膜を通過し、脳内を犯されそうになる。そのまま流されろと降谷は舌で の耳を嬲り、ぴんと張り詰めた胸の頂を優しく刺激してやると、徐々に彼女の腰が降谷を求めるようにひくりひくりと震えた。腰を動かせば蜜を含んだ媚肉が降谷の昂りにぴとりと吸いつく。どんな状況に陥ってもここまで素早く体を順応させるとは、流石FBIお抱えサイバー犯罪のスペシャリスト様である。
「挿れない分しっかり足を締めろよ」
「あッあ゛ぅ、く、っんン」
後ろから を掻き抱きながら、時折自身も快楽の息を漏らしながら腰を前後に動かす。 は意外にも降谷の言葉に従い、柔軟性に富んだ筋肉で構成された大腿部で彼の剛直を挟み込んだ。まるで早くイっちまえと言わんばかりの素直さである。
「お前が俺に対してこんな聞き分けの良い犬のみたいな振る舞いをする時は何か企んでいる時だ」
「ぅ゛、ぐ、ッは、ぁあ!」
降谷は腰の動きを止め、逃げられないようがっつりと の腰骨を支えながら、ふにゃふにゃにとろけた熱い花芯の周囲を焦らすように優しく撫で上げた。すると、今まで抵抗らしい抵抗をしなかった の手が降谷の手に伸び、苦しそうに喘ぎながらも首を振って止めろと意思表示をしてくる。
「言え。何を考えている」
「ぁっが! ふぅう、ん゛ッ!」
高圧的な言葉や態度なんかで、そう易々と口は割らない。 に一番よく効くのは実力行使のみである。降谷は容赦なく の膨らんだ秘豆を優しく、けれども執拗に攻め立てた。
「はッぁあ゛あ゛ああッ!!」
抗いながらも悦楽に咽び泣く様な声を上げ、 はイくと同時に蜜口からじょろじょろと小水を垂れ流した。 の尿が密着していた降谷の竿を伝って床を濡らすものだから、まるで降谷までお漏らしをしている様である。そう、 はこれ以上降谷に醜態を晒すまいと素直な犬を演じていたのだ。自らの尿意を隠す様に。
「はッ……ははは! 最後まで沈黙を貫くとは流石は元軍人のFBIだな。よく訓練されている」
の排泄物が自身を汚すのも気にせず、降谷は愉快そうに口角を歪めた。F*ck!F*ck!F*ck!F*ck!と の頭ン中は憎しみと屈辱で埋め尽くされる。しかしその心情を吐露すれば、日本有数の頭脳が更に を辱めようとつけあがるだろうから、歯を食いしばって耐え忍ぶほかなかった。
「ホー……随分とウチの で楽しんでいるみたいだな、降谷君」
「赤井?!」
「ッ見ないで! 見ないで下さい!! 赤井さんにこんな姿……ッ!!」
大量に酒を呑んだ所為か、いつもよりも尿量が多い はいまだに降谷の男根を濡らしている。こんな情けない姿を敬愛する上司に見られた は今すぐ消し炭になりたかった。
「安心しろ。俺がこんな些細な事で君を見限ると思うか? むしろどんな もprettyで困っているところだが?」
フッと笑った赤井は流れる様に降谷の拘束から を掻っ攫い、横抱きにして風呂場へと向かった。
Drunkenness is nothing but voluntary madness.
(酩酊は自発的な狂気に他ならない。)
に口を漱がせて水分を与えてやると、ようやく赤井に安堵の表情を見せた。決して降谷には見せない顔だ。そんな他愛無い事でも優越感に浸れる自分は案外簡単な男なのかもしれないと自嘲気味に笑う。赤井は安心しきって脱力している を再び抱き上げ、バスタブにゆっくり降ろした。成すがままの に頭からシャワーを浴びせ、濡れて額や頬にへばり付いた髪を搔き上げてやる。そのまま の両頬をざらついた掌で包み込むと、彼女の頭の小ささに驚く。この手で支配できそうな錯覚に陥るのだ。そんなFBIらしからぬ汚濁した感情を偽るが如く、小鳥みたいに優しく甘やかに何度も の唇を啄む。赤井のどす黒い欲望に気づいてすらいない は身を委ね、求めるように舌を突き出すものだから、彼は誘われるままに舌を吸い上げた。彼女の淫蕩なじゃれ方にくらくらする。もう酒は抜けている筈なのに。
「あ、かいさ……ンンっ、きらい、に、……っなら……は、ぅ」
も又誤魔化す様に赤井と口づけを繰り返す。無遠慮に顔や体にシャワーが降りかかるが、そんな水流をも呑み込んでキスに没頭し続ける。赤井の頭が沸騰して何も考えられないように、先刻の降谷との記憶を消そうと は躍起になっていたのだ。当然赤井は の思惑なんぞお見通しであったし、このままノッても良かったのだが、愛しいkittyにもっと可愛く戯れて欲しくてついつい意地悪を口にしてしまう。
「 の方こそ俺のprickが嫌いになったんじゃないか? 昨日降谷君のpeckerでつついてもらった君はすぐに天国にイっていたぞ」
「そ、な……っおぼえて、な……ふぁ……」
赤井が触れる度に の肌がどろどろにふやける。このまま溶けてしまったら、まるっと呑み込めそうだ。
常に冷静沈着でFBIきっての切れ者凄腕スナイパー様でも嫉妬の一つくらいはする。今だって無駄だとわかっていても、 の身体に刻まれた降谷の感触やにおいを上書きするようにボディソープを塗りたくり、張りのある乳房の感触を堪能し、尖った頂きを摘まんでこりこりと弄繰り回す。ひんひん子犬の様に啼き声をあげる の目の前を自分でいっぱいにして、やっと赤井に充足感が訪れ始めるのだ。
「ん、っん……あ、んな、small dickの、f*ckboyより……っ」
ちゅう、と赤井の下唇に吸いつき、熱情を込めた指先で、彼の漆黒の髪から知性豊かな形をした耳、たくましい首筋の順で官能的に撫で上げる。
「赤井さんの方が、イイに決まっています。貴方は私のすべてです。今すぐ貴方のpetとして、絶対服従を誓えます」
の瞳の色はcrazyで、自身の矮小で低俗な自尊心が満たされていく感覚に赤井は笑いが止まらない。
「ククッ……ではpet同士、俺のpet snakeとよろしくしてくれないか?」
「天下のFBIもjokeは猿以下ですね」
几帳面な性格上汚れたままその場を放置するのが許せず、きちんとトイレの後始末を終えた降谷は、真っ先にイチャつく畜生共がいる風呂場へとやって来て、赤井の後頭部を足蹴にする。赤井と は額をぶつけあったが、もちろん彼女は自分の額よりも赤井の額の心配をしていた。
「赤井さん! 大丈夫ですか?!」
自分にはこんな真摯に心配をぶつけてくる事なんてまるでないのに、赤井には簡単に心を許している に理不尽ながらも無性に苛立つ。
「昨日はあんなに俺に尻尾を振って善がっていたのに、今日はもう上司の媚売りか。FBIはお忙しいんですね?」
「はあ゛?! 誰がアンタみたいなarseholeに尻尾振ってただって?」
にっこりと完璧な笑顔で喧嘩を売られたら、 も黙っていられない。
「だが実際のところ、 はどちらのcockが良かったんだ?」
「Say what?!」
降谷といがみ合っていた は、思いも寄らない赤井の言葉に素っ頓狂な声を上げた。
「あ、あのですね……ワタクシ昨日の記憶がふっ飛んでおりまして……」
「ならば今から を抱いてはっきりさせておこうじゃないか。なあ、降谷君」
「ッハ……まさか赤井と意見が一致するなんてね……」
狼狽する を差し置いて、いつの間にかとんとん拍子に話が進んでいく。
極度の疲労と睡眠不足と二日酔いで知能指数の低下が著しいこの状況で女を抱くとか正気かコイツ等と は頭を抱えたくなる。
「お酒を……お酒を持ってきて下さい……ッ!」
Jesus!迎え酒だ。呑まなきゃやってらんねえ。
Here's to alcohol, the cause of and solution to all life's problems.
(人生におけるあらゆる問題の原因と解決策であるアルコールがここにある。)
当然酒で記憶を飛ばした にアルコールは与えられない。シラフのまま決行される不毛な争いに、 は今すぐ逃げ出してしまいたかった。しかしもちろん彼らは を逃さない。
無理矢理 にバスタブの縁に手を置かせ、お尻を突き出させる。容赦なくぬるりと降谷の怒張が の坩堝に吸い込まれていくと、ぴったりと枠にハマった感覚に襲われた。これ程まで自分達の凹凸に合致する性器がある事に、ある種の運命や感動すら覚える――訳もなく、胸糞悪くなるだけであった。だが、さっきの降谷の言葉の意味がわかった。確かに降谷自身は気に喰わないが、降谷と最高に体の相性が良い事は認めざるを得ない。しかしながら、 はそんなふざけた真相を赤井に知られたくはなかった。いくら体の相性は良かろうが、やはり の中の絶対は赤井なのである。けれども の気持ちとは反対に、体内に迸る甘美な快感は確実に絶頂への道を歩ませていた。
「やはり具合が良さそうだな、 」
「ち、がぁっあ゛あ゛……ッひ?! ぐ……ぅんん゛!」
ガツガツと降谷が腰を打ち付けるたびに、信じられない位の凶暴な快楽が を人間から獣へと陥落させる。感じたくないと思えば思う程感じてしまう股裂き状態に耐えきれず涙を零していた。
「やぁああ゛あ゛ア゛ッ!! や、らぁっ、あ゛ぅッ、ひっ……だ、めぇ……ッ!」
は子供の様に嫌々と首を振る。現実を受け止めきれないみたいだ。今 を抱いているのは自分の筈なのに、見詰める先が変わらず赤井である事に腹が立つ降谷は、現実を突き付ける様に のsweet spotを抉る。
「俺の事は気にせず、降谷君を感じるといい。ちゃんとお前のhotなイキ顔は見ていてやる」
たとえどれだけ降谷に抱かれようとも、 の最優先事項が赤井である事は揺るがない。それがわかっているからこそ、降谷に穿たれて柳眉を顰める煽情的な を見ても、ゆとりのある笑みを浮かべる事が出来るのだ。
「はっあ゛、はッ、ぐ……あか、ぃさ……だからっ見られた、くな、んああ゛っ!!」
一切の興味関心のない男に抱かれる事よりも、ただ赤井に他の男に抱かれて悦ぶ様を見られる方が何億倍も を苦しめていた。 にとって降谷に抱かれる事なんぞどうでもいいのだ。それよりも赤井に失望される方が死にたくなる。
「ぃあ゛ア゛!! ご、め、なさっご、め……ゆる、してぇ゛……っ! いッ、いぎ、だくな……い゛ッ!!」
迫りくるecstasyに震える体、誰に言っているのかわからない謝罪、許容出来ない歓喜を孕んだ表情。何もかもがぐちゃぐちゃになった の耳元で「You are Amazing.」と赤井が囁く。「ッあ゛あアアア゛!!!」刹那、彼女の泥濘は小刻みに淫靡な収縮を起こし、降谷の肉杭を強く締め付ける。「う゛、ぐ……ッ!」堪らず降谷もごつごつと の奥を数回ノックした後、彼女の背中に劣情をぶっ掛けた。 もぷしゃあと潮を吹いて倒れるが、ふわりと赤井が受け止めてやる。
「おい……手を出すなと言った筈だぞ」
気を遣るほど を追い詰めたにもかかわらず、拭えない敗北感に苛まれた降谷の地を這うような声に赤井は口の端を上げる。
「ああ、だから手は出していないだろう?」
――口は出したがな。
Wine hath drowned more men than the sea.
(ワインは海よりも多くの人を溺れさせた。)
公安とFBIの合同捜査に協力していたかの有名な名探偵工藤新一も、昨日の祝杯の場に居た人間の一人だ。元から酒には余り強くない新一は節度を守って呑んでいたが、馬鹿みたいに酒に強い 達は顔色一つ変えずに仲間に勧められるがまま呑んでいた。しかし誰よりも働き、誰よりも事件解決に貢献した彼らの肉体は既に限界を超越していたのだ。案の定自分達のアルコール分解能力を過信した所為で、いまだかつてない程べろべろに酔っぱらってしまった。それだけならまだしも、 は暑い熱いと喚いて脱ぎだすし、赤井はそんな を所構わず口説いて襲おうとするし、降谷は赤井に対抗して に公開ディープキスを披露する始末だ。もれなく酔っぱらっている仲間達も止めるどころか大盛り上がり。悪ノリも大概にしろと新一だけが理性を働かせ、何とか彼らを部屋に押し込んでその夜は帰った。まったくもって世話の焼ける大人共である。
「おじゃましまー……うわっ、ヒデェ有様……」
泥酔トリオを心配して様子を見に来た新一が部屋の中に足を踏み入れれば、ムッとする湿った空気の中に石鹸と性的なニオイが入り混じって、悲惨な異臭を放っていた。床は所々水溜りが出来ているし、服やら下着やらタオルやらが散乱している。ここまで好き勝手に暴れまわった証拠を残すなんて、本当にこの部屋に大勢の部下を抱える優秀なエリート公安様の降谷零と、FBIお抱えサイバー犯罪のスペシャリスト様の 、FBIきっての切れ者凄腕スナイパー様の赤井秀一が居るのだろうか。いや、この部屋に三人を突っ込んで尚且つスキンまで準備した新一が疑問を持つのも可笑しな話ではあるが。
「Hi,Silver Bullet.」
「 さん! 起きてたんだ」
大きなベッドから手だけをひらひら出して存在をアピールすると、新一は に駆け寄った。
「ええ、いっそのこと目覚めない方が幸せだったかもしれないけどね」
申し訳程度に掛けられたタオルケットの下には、顔色を絶望に染めてどこか遠くを見つめている と、爆睡しながらも彼女をぎゅうぎゅうに抱き込んでいる筋肉質な野郎共が。彼らの状況を踏まえ、新一が叩き出した真実は一つ。
「三人分のプレーリー・オイスターを準備しておきますね」
いっそ清々しいまでの笑顔で断じた有能な名探偵様のお言葉に、枯れ果てた の笑い声が静かに響いた。
I am more afraid of alcohol than of all the bullets of the enemy.
(私は敵のあらゆる銃弾よりもアルコールを恐れている。)
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