蜜雨

※最後の最後まで変態青臭童貞ロイ・マスタング
※士官学校時代捏造






 戦争がのすべてを奪おうするのなら、いっそその前に私が奪ってしまおうと思った。
 彼女が戦地へ赴くと決まった折に度し難い焦躁に駆られた。もちろん私も彼女も軍人なのだから、その時は当然必ずやってくる。しかし、いざ目の当たりにしてしまえば震えが止まらなくなった。自身の死よりも何よりも、彼女を喪う恐怖に絶望したのだ。
 士官学校を卒業するまで、私はと心地良い関係を保とうと思っていた。卒業する時に告白してしまえば、たとえフラれたとしても立ち直れるはずだ。そう言い聞かせて自分の身ばかりを案じていた。しかし、このまま何もせずに彼女を戦場へ送ってしまっていいのだろうか――そう自問自答をした時に、すぐに私はと少しでも長く共に在りたいと思った。それが答えだった。

……私は欲深い男だ。君を大切にしたい一方で、君のすべてを望んでしまっている……」
「いいよ……ここでロイを受け入れなかったら、きっと後悔する。だから、私のすべてをあげる」

 寮の部屋の面積の半分程を占領する二段ベッドは酷く硬い。ただ座っているだけで尻が痛くなる位に。こんな所にを組み敷いたら、きっと全身痛くなってしまうだろう。だが、それでも私は彼女を抱きたくてたまらない。ああ、なんと幸福で愚劣な苦しみだ。先刻から彼女を大切にしたい気持ちと、己の感情をぶつけてすべてを受け入れて欲しいという気持ちの鬩ぎ合いが止まらない。

「まるで死ぬ準備をしているようだが……まさか私を受けれてくれたのも、自棄になってるわけではないだろうな?」
「逆よ。私はロイの隣で生きるために、今ここですべてをあなたに捧げるの」

 ヒューズの計らいでと寮の自室に二人きり。そして次の日は休み。ここまでお膳立てされて何もしなかったら、男として不能だと笑われるだろう。そうして私は決死の思いでに告白し、想いが通じ合った。だが、晴れて恋人になれた私はそれだけに飽き足らず、彼女自身も手に入れたくなってしまった。まったく、男は底なしに強欲で浅ましい生物だ。特に下半身は正直である。に軽く触れただけで興奮した血液が中心に集まってしまった。薄っぺらい布を容赦なく押し上げる愚息の存在に彼女は気づいているだろうか。出来れば気付いていない事を願う。あまりに情けない。

「っ……ロ、ィ……はッ、……ふン……!」

 何度も夢を見て妄想を膨らませたとのキス。もっと冷静に落ち着いて対応出来ると思っていたのに、私の想像の遥か上をいく甘美な声と柔肌の所為で夢中で唇にむしゃぶりついてしまった。厭らしく舌が擦れ合うたびに気持ち良さそうに吐息を零しながら目をとろんと細め、背中や首筋を撫でると小刻みに腰を顫動させるにくらくらと眩暈が引き起こされる。可愛い可愛いとバカみたいに脳内で繰り返され、溢れる愛おしさに爆発しそうだ。

「ッ……好きだ、ん…………ど、しよ……なく……はぁっ、……好きなんだ……!」

 真っ赤に熟れた果実のような頬を掌で包み込み、シナプスを介さずに出た言葉を吐露していく。やっとを愛する事を許されたのだ。もはや遠慮などなかった。熱病に侵された私は、ねっとりと彼女の耳を嬲りながら好きだ好きだと、ずっと言いたくて我慢してきた愛おしさを注ぎ込む。

「ロイ……ん、……わた、しも……好き、す、きっ……大好き……ッ!」

 縋るように私の服を小さな手で握り締め、情欲に潤んだ瞳で必死に愛を紡いでくれるに思わず出そうになったのは墓場まで持っていくつもりだ。何が出そうになったかは、男としての矜持もあるので黙秘する。

……私は、これから君のすべてもらう。本当にいいのか……?」

 最後の確認だった。ここまできて己を律するのは、正直かなり厳しいが、愛するの為を思えば出来なくはない――多分、恐らく、いや、絶対。

「ん……ぜんぶ、私のぜんぶあげる……だ、から……」

 はやく奪って。そうが言い終わる前に、彼女を荒々しくベッドへと押し倒した。さっきまでこの硬いベッドに彼女を押し倒したらどうだこうだと考えていた奴のすることではない。しかし、この件に関しては私を煽ったが完全に悪い。

「ッ……!」

 私達を隔てる衣服を取り去る時間すらもどかしい。早くその滑らかな白玉のような素肌に触れたくて、素早く手を動かす。ようやく現れたのありのままの姿に息を呑むと、彼女は煽情的に柳眉を寄せて顔を背けた。

「ぁ、ン……ふ、ぅ……はぁん!」

 羞恥に悶えるの仕草にたまらず口付けし、そのまま唇で首筋や鎖骨を辿っていき、柔らかな乳房に顔を埋め、すでにピンと張りつめた淡く色づく胸の飾りを口に含んだ。急な刺激に乱れた可憐な声で応えてくれる彼女に対して、もっと激しくしたら一体どうなってしまうのだろうという劣情がむくむくと頭を擡げる。

「ああっ、あ……は、ぁっあ! ぅうん!」

 豊満な胸を大胆に揉みしだき、時折頂を優しく指先でこねくり回すと、色めいた声を発しながら膝をもじもじとさせる。そろそろ下の方も触れてほしいのだろう。しかし物欲しげな顔で私を見つめるをもう少し楽しみたい。それに、この胸の感触を味わってしまったら離し難い気持ちが芽生えてしまうのも致し方ないだろう。そもそも、のような小柄で童顔な女性にこんな立派なボインをくっつけてしまうなんて実にけしからん。相手が私だったから良かったものの、理性の働かない奴だったら即襲われていたぞ。まったく、本当にの恋人が私で良かった。

「ロイ、……下、もっ、……触ってぇ……ッ! 私、もぅ……」

 ああ、可愛い、可愛い、私の、私だけの。こんなあられもない姿も、こんなはしたなく男を誘うセリフも、これから先私だけしか目にしない姿なのだ。それだけで、この世のすべてに優越感を抱く。仕方ないだろう。だって私のがこんなにも可愛く、愛らしい。

「たくさん可愛がってやるからな」

 美味そうに尖る先端を口に含みながら舌で扱きつつ甘噛みをしてやり、とろとろに濡れる割れ目をゆっくりなぞる。の愛液まみれになった指を使い、今度はぷっくりと腫れ上がった花芯を擦り上げた。すると、彼女は面白い位腰を揺らして痺れるような嬌声を奏でる。

「っあ! ぁん! んぅ、ぁあ」

 大分具合が良さそうだと判断した私は、丁寧にの濡れそぼった秘部に指を一本入れた。異物を押し退けるようにきゅうきゅうと膣内が私の指を締め上げる。

「んッ、く」
、痛いか……?」
「だい、じょぶ……続けて……?」

 今までの甘ったるい声とは違い、少し不安げな声を漏らすに声を掛ければ、彼女は私を安心させるように微笑んだ。これから確実に痛い思いをするのは彼女だというのに、私を気遣って強がるその健気さや意地らしさが愛おしくて、思わず抱き締める。

「ロイ……ふふ、硬いの当たってる」
「……それは言わないでくれ……」
「嬉しいよ……ロイが私に反応してくれて……」
「ッ当たり前だろう……こっちは今すぐをめちゃくちゃにしたいくらいなんだぞ……!」
「……もしかして私って、めちゃくちゃロイに愛されてる?」
「ああ、それはもう死ぬほど、な」

 もしかしてもしかしなくても、はこんなにも重苦しい私の愛を知らなかったのか?と恨めし気な視線を送ると、は困ったように笑って、私にちゅっと軽くキスを落とした。

「ごめんね、私も愛してる。今までのお詫びにロイを愛でたい位なんだけど、そんな余裕ないからまた今度でいい?」

 その言葉だけで十分だ。何せ、私にこの次の機会を与えてくれたのだから。
 私はを許すようにお返しに軽くキスを贈った後、唇を食んで彼女の舌を絡めとった。その間も私の手は絶え間なく彼女の肌を滑り、コリコリに主張する乳首と戯れる。そのたびに私の首に回している彼女の腕が力み、気持ちいいのだと教えてくれる。

「ぇ、ロイ……? んぁあ?!」

 しばらくとの甘やかな触れ合いを堪能すると、私はキスを落としながら下へ下へと移動していく。そうして辿り着いた先は、しとどにぬかるんだ彼女の恥部だ。赤く燃える肉芽をぺろりとひと舐めすると、悲鳴にも似た声を上げて大袈裟に腰を揺らした。

「こら、逃げるな」
「あっ、あ、……やぁん!」

 自身の性器に顔を埋める私は、にとってはあまりにも卑猥な光景なのだろう。あからさまに拒否反応を示して逃げ腰になるが、この私が逃がすはずもなく、再度腰を引き寄せてひくひくと蠢く襞に指を沈める。そうすると、まだ慣れていない行為だからか自然と大人しくなった。彼女の場合は暴れさせないというよりは、暴れるという選択肢を無くす事の方が重要なようだ。

「い、じわ……っくぅん! やっ、あっあ!」

 私の術中に嵌ったが抗議の声を上げる前に、とんとんと膣内の上壁を押し上げてぢゅっとクリトリスを吸った。すると、もっともっとと股間を私に押し付けて愛液を垂れ流していく。その姫のご期待に添えるよう、更にイイトコを探るように指を一本から二本へと増やし、舌先で充血した陰核を扱く。

「はあ゛ぁ! あ゛ッ~~~!!」

 の様子をよく観察し、特に反応の良かった一点だけを攻めると、よほど気持ちが良いのかカクカクと腰が揺れ、小刻みに太腿を閉じたり開いたりを繰り返して私の頭を包み込みながら気を遣った。すっかり膣も解れて力の抜けたから顔を上げ、胸とは違うむっちりふわふわの太腿に何度も何度も口付けを落とす。今の締められる感触――悪くない。いや、むしろかなり良かった。もちろんボインや尻が描く曲線は相当魅力的である。だが、それ以上に私は魅力的な部位を見つけてしまったのかもしれない。確かに昔からミニスカートからすらりと伸びる脚に目がいってしまう事はしばしばあった。を好きになってから、あの肌の露出が極端に少なく、色気のない軍服の下はどうなっているのか想像した回数は数知れず。そしていざ彼女の太腿に挟まれてみると、程よい筋肉と圧迫感にどうしようもなく興奮を覚え自身が更に硬くなった。もっと言ってしまえば、彼女の太腿に自身を挟んで数回擦っただけで射精する自信がある。そうか、これがフェティシズムというものか。頭で理解してしまえば、意外とすんなり受け入れている自分がいる。気を遣った名残でいまだ震える太腿が、やけに輝いた宝石のように見える。いや、どんな宝石や金よりも、もっとずっと価値がある宝のように見える。筋肉と脂肪によって複雑につくり上げられた緩い線を指先で辿ると、がねっとりと蠱惑的な吐息を漏らす。ただ触れるだけではだめだ。私は我慢できず指をそっと沈め、が痛がらない程度の力で太腿を掌全体で包み込み、やわやわと感触を楽しむように揉んだ。

「ロ、ィ……きて……」

 の太腿によって興奮が最高潮に達しているまさにその時、彼女は私を魅惑の花園へと誘った。強烈なの誘いに私のイチモツは素直にピクリと反応を示す。生唾を呑み込んで太腿を広げ、愛液まみれの蜜壷に男根を擦りつけて滑りをよくしてから徐々に自身を沈めていく。

「ッ、は、ぁ……」

 ゆっくりと私が自分のナカに入っていくのを辛そうに顔を歪めつつ、ぎゅっと目を瞑って耐え忍んでいた。少しばかり力み過ぎのの顎を持ち上げて唇を重ねると、熱の籠った瞳と目が合う。すると、すぐに私の首に腕を回してキスをせがんできた。

「まだ半分だが……痛くないか……?」
「ぅ、ん……思ったより、は……」

 正直初めて同士で上手く出来るか不安であったが、思ったよりもに痛みがなくて安心した。それに、よく解したとはいえ挿入がスムーズ過ぎる。激しい運動をすると処女膜が破れる場合があると聞いた事があるので、もしかしたら彼女の処女膜はすでに破れ気味だったのかもしれない。

「も、だいじょぶ、だから……奥、一気にきて……」

 は私の腰に足を絡め、ぐいぐいと奥へ奥へと誘ってきた。私がナカにいるという異物感にも慣れたのか、ずっずっと突き進むたびに悦びで膣内がうねる。おまけに愛してやまないの太腿の肉が私の腰骨を覆う。
 こ、れは、気持ち良すぎてバカになるな。今の今まで精一杯耐えてきたつもりだが、もう辛抱ならん。

、動くぞ」
「ん、っ、ふ……あ゛あんッ!!」

 沸騰しているかのように熱い奥を穿ち、一旦ずるりとギリギリまで引き抜くと、再び奥を攻め立てる。私が激しく抽挿すると、その律動に合わせては可愛く啼き、ぱちゅぱちゅと卑猥な水音が鼓膜を犯していった。

「あッ、あっあっあぁあ! ロイっ、ロイ……ッすき、だぃすきっあぁ!」
「ぅ、…………ッ、わた、しも……愛してる……!」

 私の言葉に反応したのか、きゅううんと膣が急激に締まる。多幸感と射精感が高まり、自然と腰の動きが速まった。そうなってしまえば壊れたように互いの名を呼び合い、獣のように快楽を貪り尽くすしかない。最後にがつんと奥を貫き、一気に引き抜いての薄い腹に白濁とした醜い欲をぶちまけた。

「ロ、イ……愛してる」
……私も、愛してる」

 だから、まだもう少しだけ付き合ってくれ。
 私は事後の気怠いの両フトモモをぴったりと合わせて一緒に抱え、まだ硬さが保たれている愛液だらけの陰茎をその間に忍ばせた。

「っあ、や、ひゃぅ……?!」

 の瑞々しいフトモモに欲棒を挟めて腰を前後に動かすと、亀頭と裏筋がクリトリスに擦れて気持ちが良い。それは彼女も一緒で、まだまだ快楽の余韻が残っている身体に追い打ちをかけるように官能を享受している。今や彼女の絶妙に筋肉質なフトモモは抗えない快感で緊張を走らせてるおかげで、私の陰茎に程よい圧迫感を与えている。その上とめどなく流れる愛液で滑りは良好。これ程素股に適した女性はいるだろうか。ああ、やはりのフトモモは最高だ。このまま身を滅ぼしてもいいとさえ思える。

「ッ、、!」
「ん、うぅ、ッ~~~!!!」

 自身の薄汚れた低俗な欲望に溺れながらも、のすべすべもっちりなフトモモで自身を擦り続ける。と名を囁くたびに、彼女は嬉しそうに身じろいだ。そろそろ限界が近い。背筋に電流にも似た快い歓喜が走る。すまない。また君のお腹を汚してしまうだろう。許してくれよ、可愛い、可愛い、私だけの



*



 ベッドの硬さに目が覚めると、隣には安らかな顔をして眠っているが。結局ベッドは硬くないかと気遣うどころか、がっついてしまった。しかし、後悔はない。

……」

 小さく呼んでみるが、反応はなかった。は一度寝てしまうとなかなか起きないタイプだ。そんな彼女を起こしてしまうのは気が引けるので、彼女の寝顔を眺めながら白い肌によく映える真っ黒な猫っ毛の感触を楽しむ。しばらく無心で撫でていると、下半身に違和感を感じた。

「ッ?!」

 寝返りをうったのフトモモが私の愚息にぴったりとくっついてきたのだ。そのしっとりとした肌触りを意識しないようにすればするほどより鮮明に伝わり、中心に血液が集中する。ダメだダメだ。つい先程も私は彼女に粗相をしたばかりではないか。いくらそう思っても、彼女のフトモモに自身を押し付けながら情けなく腰を動かしてしまう。

「ん……ろ、ぃ……」
「ッ…………!」

 私は我慢出来ずに身を起こし、とろけた声で私の名を呼ぶのフトモモを肩に担いでまろやかな内ももを食む。舌を這わせ時々強く吸い上げてキスマークを付けると、筆舌に尽くしがたい充足感に襲われた。すっかり興奮しきった私は、の股ぐらに顔を沈めて自らフトモモで締め上げる。やはり彼女に力を入れてもらって圧迫された方が気持ちが良いが、これはこれで睡眠中の彼女に手を出しているという背徳感が刺激されていいものだ。

「っ、……ふ……ン」

 鼻先が花芯を掠めるたびに湿った内ももに小さく力が入り喘ぎ声があがるので、意識は無くとも快感を感じるのかもしれない。淫らな愛液が滲んできた坩堝へいたずらに舌を差し込めば、強請るように私を招き入れてくれた。

「もし私が大総統になったら軍の女性の制服を全てミニスカートにするのもいいかもな……」

 そうすれば合法的にいつでものフトモモを愛でられる。ああでも他の男の目に晒すのは許し難いな。

「ロ、イ……? 何、してるの……?」

 の静かな声がやけに響いた。顔を上げようとしても、彼女のフトモモに阻まれる。どう考えても人生が終わった瞬間なのだが、待ち焦がれた締め付けに吐き出しそうになった。やはりこれでもなけなしの男の矜持は残っているので何が、とは言わない。












(童貞を捨てると同時にフトモモに目覚めた青春時代)






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