蜜雨

「ベルってほんとうに血が好きね」「オレの血だったら全部飲み干す自信があるよ」「結構です。あたし醜い死に方したくないから」



に溺れているのように湯船のお湯は真っ赤だった。非現実的な血の感触ではない赤黒くもない赤。深紅の薔薇で体積は埋め尽くされた。 得体のしれないものがどんどんあたしの中に入ってくる感じで、ベルはあたしに近づいた。狂っているのといないのと、ベルの境界線はきわどくて細い。 湯気がベルの存在を薄れさせる。鮮明にはあたしの目にうつらずベルに似合わない浄化のが血を中和する。 どうしよう(!)あたし血に飢えてるのかな、今ものすごくベルにき、キスしたい(さっきいやって言うほどしたのに!) ベルのキスはねっとりとしていて、甘い砂糖菓子みたく、電子レンジでチンしたようないつまでも続く熱さ。 こう、冬なのに熱帯夜みたいな冗談じゃない!尋常じゃないほどベルのキスってアダルティーなの。 だからあたしみたいなこどもにはどうにも変な刺激を与えるものでどうしても欲しくなる。舌なめずりしそうなほど。


とろんとした目でみたら「なに?誘ってんの?」って目であたしの瞳と焦点をあわせた。 「馬鹿っ!」水をかけてやったら見事にベルのからだの上で分離して、赤の色素の密度が小さくなってあわいピンクに彩られる。 「うしし、まんざらでもなかったり?」やっぱりベルにはかなわないなぁって笑ってあたしからキスしてやった。 そのくせベルはいとも簡単に私を丸め込んでいいように快楽のおもちゃにした。そしたらまたあのくらってくるような感覚に浸食されてまた下が疼きだした。 足をぴくんぴくんて動かしたらベルはもっとべろを奥に深く激しく突っ込んできた。感じてるって気づいたときのベルのやる癖。 妙な圧迫感と空気と私を貪る肉食動物みたい。耐え切れなくってあまりのすばやい動きについてこれなくなって、咽た。 「ん、っはぁ・・ぁふ」って自分の反響する声を聞いたら恥ずかしいとか羞恥心なんて生まれなくって、逆にテンションが上がってきちゃってあたしってやっぱりいやらしい子なのかなって思った。 調子にのってベルの筋肉質なからだに手を這わせて、ベルのをつかんだ。すべすべな肌に羨む気持ちと妬む気持ちがまぜこぜになったからちょっと強めに。 でもベルはそんな優しい奴じゃなくってあたしをキスに夢中にさせて、つかんだ指が離れたりあたしがなんとか意識を拾ってまたぎゅってつかんでみたり。その繰り返し。 無意識に変な刺激を与えて微妙なラインにベルも立たせると、二人して荒い息をしていた。吸って吸って吐いてってまるで赤ちゃんを産もうとする妊婦さん。

「指ナカに突っ込んで欲しいだろ?」「ん・・な、っにうまく、!、聞こえなっ・・・!」「必死になった 可愛い」「やっ、ベル いっちゃ、ヤダ」「こそイくなよ。」


ばしゃあって音たてて波つくってお湯が私に向かって飛び散った。反射で目を瞑って視界からベルが消え失せた。真っ暗。まるでベルの血みたい。 実際ベルの血って見たときないけど、黒い血ってありなのかなベルだったらあり? 立って上がろうとしていたからベルのほっそい腕をつかんで口いっぱい開けっぴろげて叫んでんのかわかんないくらいの声量でベルに縋る。 ベル相手になると、素直に哀願してもきっとおあずけをくらうってわかってるものあたし。だからあきれられるくらい駄々こねてやるの。 「馬鹿だねは 僕に溺れてあっぷあっぷしてる」そうよあたしは馬鹿なのよベルの金魚の糞とでも呼びなさいよ。 もうどうでもよくなったから、あたしの目の前にあるさっきまでつかんでたベルのを口の中に突っ込んで咬みついてやった。 「 せっかくやるならやさしくしてくれてもいいんじゃね?」「ふつう王子様がやさしくするものよ? ベルフェゴールお・う・じ・!」 ちいさくいやみったらしく笑ってやった。ほんの抵抗のつもりで。ベルはムってして「あっそ どうせオレ鬼畜だもん。」って開き直りやがった!


ベルの先っぽをちろちろなめれば髪の毛を強くつかまれた。それでも甘やかな痺れになったのは、もうあたしの頭が沸騰して煮えててハナっからじんじんした感覚になってたから。 「ちょ、おま、マジでヤる気かよ お前のぼせやすいんだから痛い目みないうちに――――――」 ほんとに眩暈がしてあれどうしたんだろあたしベルの言ってること本格的にわかんないや。ってことはあたしほんとに脳ミソこの熱さでとけて耳から出ちゃった、のか、も。 「おまえ人のもん口ん中突っ込んでハイ終了なんてオレがゆうわけ無いデショ」あたしの髪の毛思いっきり引っ張って否応なしに立たせられた。 湯船はやっぱり非現実的な赤い色で、きっと真っ白なお花を入れたら一瞬で染まるんだろうなぁってぼんやり思った。 それからいきなり中に入れられて突かれた。「あ・・っ?!ひゃぁはっ、・・ん!!」ぐいぐいって中に押し込んできて、ぐりぐり刺激を与えた。 うまく呼吸ができなくってたどたどしく浅い息を繰り返す。「んん!・・は、っぁ、あんぁっ!」そこはヤダって首振ってもうムリって言ってもきかない。 ガクガクになってきた足腰で湯船が揺れてやわい刺激を与えてきた。もうどれが快楽だとかなりふり構ってることなんてできなくって、汗で髪の毛がベタってくっついてもいいやって思った。 立ってなんてできるか馬鹿ってあんまり呂律の回らない口でもうなに喋ってんだか自分でもわからなくってもちろんベルも「なに言ってんの? え?気持ちよくて死にそう?」ってふざけた。 快楽で死ねるなんて本望なんじゃないの?イタいよか全然いいじゃんって一気に私を攻め立ててきた。わぁ!もう限界!「や、だ、・・イ、ク・・・っ!」



「なんだかんだいってノってたじゃん」「あたし今だったらベルの舌咬みきれる自信がある」「へぇ それはとんだわらいばなしだね」「至ってあたしは真面目よ」「あっそ オレには関係ないもんね」



あなたの夜と引きかえに(かれはをつくるおとこです。)






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