1. トップ
  2. レビュー
  3. その他
  4. 信長の忍び
  5. 8巻感想

信長の忍び - 8巻


この8巻では連載150回記念で西尾維新先生が書かれたショートノベルも収録されています。
いつもとちょっと違う媒体での千鳥の活躍もお楽しみください♪

さてさて、本編はいよいよあの武田信玄との対決が開始!
戦国最強ともいわれる武田の騎馬隊を相手に千鳥はどう戦うのか?
しかも最初の戦いは敗戦色の濃い戦いで・・・
徳川家の援軍に向かった千鳥たちを待ち受ける最大の敵は・・・まさかの女性?徳川家康の妻・瀬名さん登場です。
全く思いもよらない形での足止めを食らう千鳥。
いつも戦場にいるためか、こうやって無邪気に女の子をやっている姿は新鮮です(それだけにこの巻の最後のエピソードが非常に対照的で印象に残りました)。
当時のことを書いた資料には武将たちの奥さんをはじめ女性に関する情報はあまり記されていないのだとか。
それだけにある意味武将たち以上に先生の腕の見せ所?
とはいえ、彼女に関しては「嫉妬深い」という明確な情報があるため、それをどう料理するか。
個性って重要です。
とはいえ・・・この夫婦の個性って・・・
妻は「嫉妬深い」。旦那は「脱糞」。
なんてぇ夫婦だ。
まあ、P35の信長包囲網の皆様も相当な方々ですが。

しばらくは徳川軍へ援軍に向かった千鳥たち中心のため、織田軍はお休み。
そのまま話は三方ヶ原の戦いへ。
彼の「脱糞キャラ」を確たるものにするこの戦い(それがメインやないって)。
徳川家康最大の敗戦といえばこの戦いなんでしょうね。
この作品でもそれが描かれていますが、ここでは「武田軍の圧倒的強さ」を表現する意味もあるのだと思います。
絶対的な敵を前にただでさえピンチの織田軍はどう立ち向かうのか?というピンチをあおる意味が。

この戦いに関しては徳川家康の逸話がそのままネタに!というのがてんこ盛り。
敗戦のため名誉でないものが多いですが、こういった話が現代まで語り継がれているのは凄いです。
そして、そこから天下人まで駆け上がったという事実も。
失敗は人を最も成長させますが、命をかけた戦いでの敗北から得るものはやはり大きいのでしょう。
とはいえやはりこの11巻は武田信玄一色といってもいいほど。
徳川家 V.S. 武田家。そしてその後・・・
彼の猛将としての壮絶な人生。そのラストを飾るに相応しいものでした。
個人的には彼の活躍ももうちょっと見たい気もするのですが、それだと「信長の忍び」ではなくなっちゃいますからね。

にしても、ラストのエピソードは驚いたぁ。
先生の作品で拷問シーンがホントに描かれるとは思っていなかったので。
拷問直前で脱走!とかやと思ったら、がっつりですやん。リアルガチにびっくりでした。

戻る