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作品ID:494
こちらの作品は、「感想希望」で、ジャンルは「一般小説」です。
文字数約1427文字 読了時間約1分 原稿用紙約2枚
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初恋の花
作品紹介
		身近にある花に心を持っていたら面白いかなと思いこの物語を執筆してみました。
		
	
	
ある公園の並木道。雪のように白い花が木の側で寂しそうに咲いていた。  今日もたくさんの人間達が足早と忙しそうに歩いている。 ただ時間を気にしているかのように前だけを見て進みながら。地面はおろか、誰も白い花の姿に気付く者はいない。      私、こんなに綺麗に咲いているのに……。     花は目の前の野原に咲いている他の花達を羨ましそうにじっと眺めていた。  赤、黄色、桃色、橙色、紫色の様々な花達はとても綺麗で、まるで虹のじゅうたんをしいたような花畑に咲き乱れていた。     目を輝かせながらじっと花に釘付けになって眺めている子供達。      その美しい姿を残そうと、絵を描いたり写真を撮りながらうっとりとした表情を浮かべてふくいくたる花の香りを堪能する大人達。  せめてこの冷たい土から優しく誰かが私を抜いてあの花達が咲き乱れている花畑に植えてくれればいいのに……。        こんなにも綺麗に咲いている私を早く見つけて。  ??翌日。灰色の厚く重い曇り空に覆われ、天から大地へと恵みの雨が降り注ぐ。ザアザアと降り続けていく雨の様子はまるで、涙を流す事が出来ない花の変わりに悲しみを表現してくれているようだった。    いつものように花はただ黙って土に染みる冷たい雨水を飲むように根から吸っていた時たった。    一人の優しそうな青年がゆっくりと、白い花の方に向かって近付いてきたではないか。          葉っぱのような緑色の傘を差したまましゃがみ、にっこりと微笑む青年。  「こんな場所に、綺麗な白い花が咲いているなんて思いもよらなかったなぁ」  生まれて初めて人間に自分の姿を気付いてもらえた時の嬉しさ。 きっと花は思わず土から飛び出して、根を足の変わりにして踊り狂いたい気分になっているのだろう。        世にも素晴らしい有名絵画にすっかり魅了されてしまった人のように、青年はじっと花を見続けていた。 少しも目を離さすにずっと。          どのくらい時間が風のように過ぎ去ってしまったのだろうか?         我に返った青年は慌てて腕時計で時間を確認し、そのまま公園の外の門へと向かって走り去っていった。泥で濁った水溜まりを踏まないように避けながら。  白い花から赤い花へと変化してしまいそうな勢いで青年に夢中になってしまった花は、すっかりと人間に恋心を抱き始めてしまった。            ああ……もう一度だけあの素敵な青年が私の所へと現れてくれないかしら。 あの人に会えるだけで幸せなの……。        あれから花は、ずっと青年がもう一度同じ場所に現れてくれるのを信じて待ち続けていた。      晴れの日も雨の日も曇りの日も風の日も雪の日も。 けれどいくら気が遠くなるほど待ち続けていても、青年がもう一度同じ場所に現れる事はなかった。    日が経つにつれ、だんだんと元気を無くしていく花。どうやら悲しみと寿命がすっかりと尽きてしまったらしい。小さな風によって消えてしまった蝋燭の灯りのように。        どんどんしおれていき、一枚、一枚地面へとゆっくりゆっくりと落ちていく。 新しい雪のように真っ白な花びらがひらりひらりと舞い降りていくその姿はまるで、軽やかで美しい天使の羽根のようだった。   それから二度と再び土から新芽が顔を出し、雪のように美しい白い花を咲かす事はなかった……。(終)	
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