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作品ID:102

こちらの作品は、「批評希望」で、ジャンルは「一般小説」です。

文字数約1486文字 読了時間約1分 原稿用紙約2枚


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小説の属性:一般小説 / 未選択 / 批評希望 / 初級者 / 年齢制限なし /

聖ナル夜ニ舞ウハ灰翼ノ天使タチ

作品紹介

少し早いですがクリスマスっぽい話でも。



……まぁ書いたのは去年なんですが。









灰色グレイのものがたりフェアリーテイルを、皆様に。


「ああ、今年も行くんだね……。信じることをやめた大人の下へも」



 灰色の影が呟く。



 小柄な



 少年とも



 少女とも



 青年とも取れる灰色の影。









 見つめる夜空には赤い人影とトナカイ。

 人はそれをサンタクロースと呼び、幼い時にしか信じない。



 彼らは信じることをやめた大人にも希望を届けようと必死になる。

 そんな姿を灰色の影は滑稽に思いながら、悲しそうな瞳で見つめ続ける。



「僕には一度も来たことが無いのに」





 聖堂の十字架に腰掛けて夜空を見上げる。









 背には翼。





 黒でも





 白でもない





 灰色の翼。



「僕は天使でも悪魔でもない」





 濃い灰色の髪。



 一房漆黒とも取れる色。



 唯一瞳だけが金色の光を放ち――



「ましてやヒトじゃない」





 悲しそうに呟く。



「だからこうして見てるだけしか許されないのかな」









 右手を掲げて満月を隠す。



 その手は紅に染まって。



「だから僕は中途半端」



 にぃ、と笑って、十字架から体重の無いもののように落下する。



 左手に何も持っていないかのような気軽さで箱を抱く。

 その箱も真紅。



「だから僕は君達に」



 それはそれは楽しそうに笑む。





 親と礼拝に来たのだろうか、待ちぼうけで立ち尽くし、灰色の天使が降り立つ様を見て驚愕に染まる少年の顔を見て、更に笑みは深くなる。



「プレゼントをあげる」



 紅に染まった右手を隠し、紅に染まった箱を差し出す。



 恐る恐る両手を差し出す無垢な子供。



 箱が少年の手に渡り、灰色の天使は口元に笑みを浮かべて囁く。







「救いであり絶望」



 灰色の天使を驚愕の表情で見る少年。



「だから僕は君達に」



 紅に染まった右手。



 ――血に染まった右手を伸ばす。



「絶望をあげる」



 灰色の左手で頭を撫でる。



「救いをあげる」



 綺麗にラッピングされた箱が壊れる。

 あ、とか細い声を上げる子供。



 紅の手は差し出される。





 母親が友人との談笑から戻ってきた時、子供は呆然と空を見上げて立ち尽くしているように見えた。



 どうしたの



 母親の声に子供は反応しない。



 母親に肩を取られた子供はぐらりと傾き、母親にもたれかかる。



 驚いた母親が顔を見ると、驚愕の表情を浮かべながら子供は笑んで、息は途切れていた。







 満月に灰色の影が切り取られる。





「紅い紅い」



 薄い笑みが浮かぶ。



「プレゼントをあげる」



 その傍らには灰色の翼の子供。



「君も僕を手伝って?」



 頭を撫でる。



「紅い夢を皆にプレゼントしに行こうね」



 子供は嬉しそうに微笑む。





 赤いサンタクロースと、トナカイたちが空を翔けて子供たちと大人たちにほのかな希望を届けに行く。





 その一方で、灰色の翼の子供たちを連れた灰色の天使が満月を背に空を抱く。



 絶望と救いを秘めた紅い夢のプレゼントを届けるために空を行く。







 聖夜の誰にも知られない一幕。





 灰色の天使は楽しそうに笑っていると言う。

















――紅い夢をあげるよ、愛しい愛しい子供達――

後書き

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作者 久遠
投稿日:2009/12/13 17:04:24
更新日:2010/01/21 17:35:31
『聖ナル夜ニ舞ウハ灰翼ノ天使タチ』の著作権は、すべて作者 久遠様に属します。
HP『ニライカナイ

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