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作品ID:13
こちらの作品は、「激辛批評希望」で、ジャンルは「一般小説」です。
文字数約1620文字 読了時間約1分 原稿用紙約3枚
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こちらの作品には、性的な表現・内容が含まれています。18歳未満の方、また苦手な方はお戻り下さい。
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 激辛批評希望 / 初級者 / R-18 /
滓
作品紹介
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デスクに置いた卓上スタンドとデスクトップパソコンのディスプレイが僕の部屋を照らしていた。窓に目を向けた。外は薄明るい。窓には僕の顔が映っていた。死んだ魚ような生気の無い目だ。口角はだらしなく垂れ下がっていた。
年寄りのような覇気の無い顔だ。二十八才、年を取りすぎた。ピルケースからレキソタンを取り出すと、ビールで一気に喉の奥に流し込む。椅子の背もたれにもたれ掛ると、薄汚れた白い天井が視界に入った。アルコールの影響でぼんやりとしてくる。
抗不安薬とアルコール、この二つを合わせると凄くリラックスできる。仕事の疲れも薄れていく。六畳一間、ユニットバス付きのアパート、この世界で唯一安らげる場所だ。
この部屋は僕にとってのシェルターだ。この部屋から一歩外に出たら、普通の人間のみんなが生きている世界、僕にとっては全く理解できない未知の世界だ。
なんでみんなは笑って会話が出来るんだろうか、何で空気を上手く読むことができるんだろうか、なんで他人同士で付き合うことができるんだろうか。僕にはわからなかった。
高校生のころ、僕が会話に加わるとぎこちない空気が流れていた。みんなが冷たい目で僕を見ていた。こいつは気持ち悪い、言葉には出さなかったが、みんなの目はそう物語っていた。
僕は必死で考えた。どうすればこの世界で生き抜くことが出来るのか。どうやったら上手く隠れて生きていけるのか。
悩んだ末、僕はみんなと生活時間をずらすことにした。みんなが寝ている時間に働き、起きてくるころにシェルターに逃げ込む。そんな僕にとって田舎のコンビニでの深夜バイトは適職だった。
マニュアルどおりの仕事をこなせば文句はいわれない。他人と話すときも笑顔を浮かべて頷いていればいい。さっさと帰って、この部屋に引きこもれば誰にも邪魔されずに生きていける。二十八年間生きてきてやっと見つけた安住の地だ。
マウスを動かし、プロットと書かれたファイルを開く。小説の設計書だ。何で小説を書こうとしているのだろうか。昔は賞賛が欲しいと思って書いていた。世の中のみんなに誉められたい、認めてもらいたいと思っていたはずだ。
だけど昔のことは忘れてしまった。なんで僕は小説を書こうとしているんだろうか。ディスプレイに目を移す。登場人物の所には、複数の漫画やアニメ、小説の登場人物の名前が書いていた。
こうやって複数の作品から登場人物を合成する。ストーリーはパターンを利用する。こうやってパズルのようにプロットを作る。こうすれば僕の妄想の混入を最小限に抑えることが出来る。
昔、僕の作品は気持ち悪いと言われた。ある小説を投稿サイトに出したとき、主人公は作者の投影でヒロインは脳内彼女だ。これはオナニー駄文言って馬鹿にされた。
五年位前の話だけど、今でも脳裏にこびり付いている。自分の書くものはオナニー駄文、自分だけが気持ちよくて、他人にとっては精液の染みたティッシュのように気持ち悪いもの。そう思ったから僕は自分の感情を消すようにした。
こうやって小説を書くことに何の意味があるんだろうか。昔はなにかあったのかも知れない。でも今は何も無い。でも小説を書くのをやめたら、ここで何もすることがなくなってしまう。
だから小説を書いているんだろう。そしてこの小説はいつか投稿するんだろうか。今となってはどうでもいい。これは死ぬまでの暇つぶしだ。
出来ることなら早く死にたい。それも心筋梗塞で楽に逝きたい。僕の脳裏をそんな思いがぐるぐる巡る。それにあわせてキーボードを叩く音は夜明け前の部屋に響く。
僕は何で生きているんだろうか。多分心臓が動いているからだ。生きたくて生きているわけではない。心臓が動いているから生かされているんだ。でもどうでもいいことだ。
いつか心臓が止まって僕は死ぬ。できれば早く死にたい。それが今の願いだ。
年寄りのような覇気の無い顔だ。二十八才、年を取りすぎた。ピルケースからレキソタンを取り出すと、ビールで一気に喉の奥に流し込む。椅子の背もたれにもたれ掛ると、薄汚れた白い天井が視界に入った。アルコールの影響でぼんやりとしてくる。
抗不安薬とアルコール、この二つを合わせると凄くリラックスできる。仕事の疲れも薄れていく。六畳一間、ユニットバス付きのアパート、この世界で唯一安らげる場所だ。
この部屋は僕にとってのシェルターだ。この部屋から一歩外に出たら、普通の人間のみんなが生きている世界、僕にとっては全く理解できない未知の世界だ。
なんでみんなは笑って会話が出来るんだろうか、何で空気を上手く読むことができるんだろうか、なんで他人同士で付き合うことができるんだろうか。僕にはわからなかった。
高校生のころ、僕が会話に加わるとぎこちない空気が流れていた。みんなが冷たい目で僕を見ていた。こいつは気持ち悪い、言葉には出さなかったが、みんなの目はそう物語っていた。
僕は必死で考えた。どうすればこの世界で生き抜くことが出来るのか。どうやったら上手く隠れて生きていけるのか。
悩んだ末、僕はみんなと生活時間をずらすことにした。みんなが寝ている時間に働き、起きてくるころにシェルターに逃げ込む。そんな僕にとって田舎のコンビニでの深夜バイトは適職だった。
マニュアルどおりの仕事をこなせば文句はいわれない。他人と話すときも笑顔を浮かべて頷いていればいい。さっさと帰って、この部屋に引きこもれば誰にも邪魔されずに生きていける。二十八年間生きてきてやっと見つけた安住の地だ。
マウスを動かし、プロットと書かれたファイルを開く。小説の設計書だ。何で小説を書こうとしているのだろうか。昔は賞賛が欲しいと思って書いていた。世の中のみんなに誉められたい、認めてもらいたいと思っていたはずだ。
だけど昔のことは忘れてしまった。なんで僕は小説を書こうとしているんだろうか。ディスプレイに目を移す。登場人物の所には、複数の漫画やアニメ、小説の登場人物の名前が書いていた。
こうやって複数の作品から登場人物を合成する。ストーリーはパターンを利用する。こうやってパズルのようにプロットを作る。こうすれば僕の妄想の混入を最小限に抑えることが出来る。
昔、僕の作品は気持ち悪いと言われた。ある小説を投稿サイトに出したとき、主人公は作者の投影でヒロインは脳内彼女だ。これはオナニー駄文言って馬鹿にされた。
五年位前の話だけど、今でも脳裏にこびり付いている。自分の書くものはオナニー駄文、自分だけが気持ちよくて、他人にとっては精液の染みたティッシュのように気持ち悪いもの。そう思ったから僕は自分の感情を消すようにした。
こうやって小説を書くことに何の意味があるんだろうか。昔はなにかあったのかも知れない。でも今は何も無い。でも小説を書くのをやめたら、ここで何もすることがなくなってしまう。
だから小説を書いているんだろう。そしてこの小説はいつか投稿するんだろうか。今となってはどうでもいい。これは死ぬまでの暇つぶしだ。
出来ることなら早く死にたい。それも心筋梗塞で楽に逝きたい。僕の脳裏をそんな思いがぐるぐる巡る。それにあわせてキーボードを叩く音は夜明け前の部屋に響く。
僕は何で生きているんだろうか。多分心臓が動いているからだ。生きたくて生きているわけではない。心臓が動いているから生かされているんだ。でもどうでもいいことだ。
いつか心臓が止まって僕は死ぬ。できれば早く死にたい。それが今の願いだ。
後書き
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