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作品ID:201
こちらの作品は、「批評希望」で、ジャンルは「一般小説」です。
文字数約2341文字 読了時間約2分 原稿用紙約3枚
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「君の隣で?最後の放課後?」を読み始めました。
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君の隣で?最後の放課後?
作品紹介
初投稿です。
二人の友情を描いたものを書いてみました。
なにかあれば、感想をお願いします。
二人の友情を描いたものを書いてみました。
なにかあれば、感想をお願いします。
あれは確か、中学2年のときのこと。
君と喧嘩した。未だ仲直りできないままでいる。もう、卒業なのに…….
「達也ー、早く来いよー!」
平川悠樹が、僕の名を呼んだ。
2人で一緒に学校に行ったのに、正門を抜ければ悠樹は他の友達と話してて、僕なんか相手にしてくれない。そのくせ、走っては止まり、僕を呼ぶ。その繰り返しだ。
「わかってるよ。今行くって」
少し機嫌の悪い僕は、怒った口調で返事をした。
悠樹は気にせずまた走り出したけど、しばらく行ったところで立ち止まり、僕を待った。
どんなに速く走ったところで、僕は悠樹には追いつけない。何故って?悠樹はクラスで一番走るのが速い。それに、僕には走れない事情がある。
その事情は、昨日の帰り、藤山浩輔に階段の上の段から思いっきり押され、足首を捻ってしまった事だ。
その後病院へ行けば、一週間走っちゃダメだってことになった。
だから、走れない。ただでさえ僕は走るのが遅いのに。
「お前、何で走んないの??」
昨日のことを知らない悠樹は、走ろうとしない僕に訊ねた。
「あぁ、昨日足捻って、一週間走れないんだ」
僕はそう言った。けれど、悠樹はそれに対してバカにしたようなことを言う。
「捻ったくらい大丈夫だよ。痛くないんだろう?」
確かに、痛くはなかった。でも、酷く腫れている。今走ったら、間違いなく転ぶだろう。
「痛くないけどさ、腫れが酷くて。それに、医者にも止められてるんだ」
「ったく、浩輔も酷いことするよなぁ。お前を転ばすなんて」
呆れたように悠樹は言った。けれど、心配そうに僕を見た。
「ごめん、僕の不注意のせいだ。浩輔は悪くないんだよ。たまたまぶつかっただけで……」
「はぁ? なに言ってんの。あいつは思いっきりわざとお前を押したじゃんか」
僕が浩輔をかばうように言ったら、悠樹は一気に怒った。
これが、喧嘩の始まりだった。
「でも、僕だって何も悪くないわけじゃないさ。他人に罪を押し付けるのは、良くないだろう?」
僕はただ、自分にも悪かったところがあると言っただけだった。しかし、悠樹は僕を信用してくれているのが裏目に出て、浩輔のことを悪者にしようとしている。
「けっ。そんなに自分を悪く言いたいのか。ならいいさ。俺はもう達也なんてしらないからな」
僕を横目で思いきり睨むと、悠樹は駆け足で僕の前からいなくなった。
「なんだよ。別にあんなこと言ってないじゃないか」
そう呟きながら教室へ向かった。
教室に着くと、浩輔がまるで僕を恨んでいるかのような目で近づいてきた。
「おはよう」
僕は、浩輔の目に気づかない振りをして挨拶した。
しかし、それは逆効果だったようだ。
「あぁ?? 挨拶は相手の目を見て言うものだろう。俺の気持ちに気づかなかったわけじゃぁないよなぁ?」
浩輔は、不良のような喋り方で僕に迫ってきた。
僕は、そんな浩輔が怖くて逃げ出した。
浩輔は、逃げる僕を、その場でじっと睨んでいた。
僕は、悠樹のところへ行った。
しかし、悠樹は僕のことなど気にも留めず、一人で鼻歌を歌っている。
「悠樹?」
僕が恐る恐る声を掛ければ、“邪魔するな”というような目で睨みつける。
だから僕は、それ以来悠樹と話さなくなった。
それに加え、浩輔からの視線もきついままだ。僕は、何もした覚えはないのに。
と言っても、もともと浩輔は僕のことが気に入らなかったらしいからいいけど。
「はぁ。何でだよ」
僕は、よく考えるようになった。悠樹の気持ちを。
思えば、僕が悠樹の言うことを全て否定していたのが悪かったのかもしれない。
けれど、謝るタイミングはつかめず、そのまま悠樹に何も言わないで過ごした。
あれから1年、僕は一度も悠樹と話さなかった。
浩輔からも認められず、しばらく独りぼっちの生活をしていた、そんな時。
「おい、達也」
呼び止められ、振り向いた先には悠樹の姿があった。
「な……何だよ」
僕が返事をして、悠樹の俯いた顔を覗き込めば、寂しい表情をしている。
そこで、僕は言った。
「もう卒業だな。元気でな」
たった一言。だって、まだ仲直りはしていないから。
「……あのさぁ、随分前のことなんだけど……」
そんな悠樹の言葉を、僕は思わず遮った。
「ゴメン。僕が悪かった。僕の機嫌を悪くしないようにって言ってくれたのに、否定ばっかして……」
それを聞いた悠樹の顔は、未だ俯いたまま。
そして、何か言い出した。
「こっちこそ……ゴメン。あんなことで、無視したり、睨んだりして」
とても反省しているようだった。
僕は、悠樹を許さないわけにもいかず、そっと悠樹に声を掛けた。
「気にすんな。そりゃぁ、悠樹のことウザく感じたりしたけど、もういいよ」
すると、悠樹の顔は見る見るうちに明るくなり、気づいたときには僕に抱きついていた。
「えっ」
驚いたように声を出せば、悠樹は、
「卒業くらい、お前と一緒にいてぇ。ありがとな!!」
なんて言葉を放ち、僕から放れた。
だが、その時点で僕ら二人は、確信した。
仲直りができたことを。そして、またこれからも一緒に歩んで行けることを…….
帰り、今度はちゃんと二人並んで歩いた。
やっぱり、悠樹の隣は、他のどこよりも居心地がいい。
だから、これからも、ずっと友達でいたいと思った。
そんなことを考えた、最後の放課後がここにあった…….
君と喧嘩した。未だ仲直りできないままでいる。もう、卒業なのに…….
「達也ー、早く来いよー!」
平川悠樹が、僕の名を呼んだ。
2人で一緒に学校に行ったのに、正門を抜ければ悠樹は他の友達と話してて、僕なんか相手にしてくれない。そのくせ、走っては止まり、僕を呼ぶ。その繰り返しだ。
「わかってるよ。今行くって」
少し機嫌の悪い僕は、怒った口調で返事をした。
悠樹は気にせずまた走り出したけど、しばらく行ったところで立ち止まり、僕を待った。
どんなに速く走ったところで、僕は悠樹には追いつけない。何故って?悠樹はクラスで一番走るのが速い。それに、僕には走れない事情がある。
その事情は、昨日の帰り、藤山浩輔に階段の上の段から思いっきり押され、足首を捻ってしまった事だ。
その後病院へ行けば、一週間走っちゃダメだってことになった。
だから、走れない。ただでさえ僕は走るのが遅いのに。
「お前、何で走んないの??」
昨日のことを知らない悠樹は、走ろうとしない僕に訊ねた。
「あぁ、昨日足捻って、一週間走れないんだ」
僕はそう言った。けれど、悠樹はそれに対してバカにしたようなことを言う。
「捻ったくらい大丈夫だよ。痛くないんだろう?」
確かに、痛くはなかった。でも、酷く腫れている。今走ったら、間違いなく転ぶだろう。
「痛くないけどさ、腫れが酷くて。それに、医者にも止められてるんだ」
「ったく、浩輔も酷いことするよなぁ。お前を転ばすなんて」
呆れたように悠樹は言った。けれど、心配そうに僕を見た。
「ごめん、僕の不注意のせいだ。浩輔は悪くないんだよ。たまたまぶつかっただけで……」
「はぁ? なに言ってんの。あいつは思いっきりわざとお前を押したじゃんか」
僕が浩輔をかばうように言ったら、悠樹は一気に怒った。
これが、喧嘩の始まりだった。
「でも、僕だって何も悪くないわけじゃないさ。他人に罪を押し付けるのは、良くないだろう?」
僕はただ、自分にも悪かったところがあると言っただけだった。しかし、悠樹は僕を信用してくれているのが裏目に出て、浩輔のことを悪者にしようとしている。
「けっ。そんなに自分を悪く言いたいのか。ならいいさ。俺はもう達也なんてしらないからな」
僕を横目で思いきり睨むと、悠樹は駆け足で僕の前からいなくなった。
「なんだよ。別にあんなこと言ってないじゃないか」
そう呟きながら教室へ向かった。
教室に着くと、浩輔がまるで僕を恨んでいるかのような目で近づいてきた。
「おはよう」
僕は、浩輔の目に気づかない振りをして挨拶した。
しかし、それは逆効果だったようだ。
「あぁ?? 挨拶は相手の目を見て言うものだろう。俺の気持ちに気づかなかったわけじゃぁないよなぁ?」
浩輔は、不良のような喋り方で僕に迫ってきた。
僕は、そんな浩輔が怖くて逃げ出した。
浩輔は、逃げる僕を、その場でじっと睨んでいた。
僕は、悠樹のところへ行った。
しかし、悠樹は僕のことなど気にも留めず、一人で鼻歌を歌っている。
「悠樹?」
僕が恐る恐る声を掛ければ、“邪魔するな”というような目で睨みつける。
だから僕は、それ以来悠樹と話さなくなった。
それに加え、浩輔からの視線もきついままだ。僕は、何もした覚えはないのに。
と言っても、もともと浩輔は僕のことが気に入らなかったらしいからいいけど。
「はぁ。何でだよ」
僕は、よく考えるようになった。悠樹の気持ちを。
思えば、僕が悠樹の言うことを全て否定していたのが悪かったのかもしれない。
けれど、謝るタイミングはつかめず、そのまま悠樹に何も言わないで過ごした。
あれから1年、僕は一度も悠樹と話さなかった。
浩輔からも認められず、しばらく独りぼっちの生活をしていた、そんな時。
「おい、達也」
呼び止められ、振り向いた先には悠樹の姿があった。
「な……何だよ」
僕が返事をして、悠樹の俯いた顔を覗き込めば、寂しい表情をしている。
そこで、僕は言った。
「もう卒業だな。元気でな」
たった一言。だって、まだ仲直りはしていないから。
「……あのさぁ、随分前のことなんだけど……」
そんな悠樹の言葉を、僕は思わず遮った。
「ゴメン。僕が悪かった。僕の機嫌を悪くしないようにって言ってくれたのに、否定ばっかして……」
それを聞いた悠樹の顔は、未だ俯いたまま。
そして、何か言い出した。
「こっちこそ……ゴメン。あんなことで、無視したり、睨んだりして」
とても反省しているようだった。
僕は、悠樹を許さないわけにもいかず、そっと悠樹に声を掛けた。
「気にすんな。そりゃぁ、悠樹のことウザく感じたりしたけど、もういいよ」
すると、悠樹の顔は見る見るうちに明るくなり、気づいたときには僕に抱きついていた。
「えっ」
驚いたように声を出せば、悠樹は、
「卒業くらい、お前と一緒にいてぇ。ありがとな!!」
なんて言葉を放ち、僕から放れた。
だが、その時点で僕ら二人は、確信した。
仲直りができたことを。そして、またこれからも一緒に歩んで行けることを…….
帰り、今度はちゃんと二人並んで歩いた。
やっぱり、悠樹の隣は、他のどこよりも居心地がいい。
だから、これからも、ずっと友達でいたいと思った。
そんなことを考えた、最後の放課後がここにあった…….
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