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作品ID:318
こちらの作品は、「感想希望」で、ジャンルは「一般小説」です。
文字数約1721文字 読了時間約1分 原稿用紙約3枚
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本当に正しいこと
作品紹介
何が正しい、何がおかしいか。
それは普通親から教わりますよね?
でも、中にはいるんですよ。
教わっても、それでも間違いを起こすもの。
そういった者を相手する場合、諦めるのが一番簡単です。
でも、この者は、諦めませんでした。
うるさい。
うるさいって!
影でうるせえな!
いい加減黙れよ!
俺は無視して進む。
だって、俺は間違ってないんだから。
青空の下、蒸し暑い殺人光線が俺たちに降り注ぐ。
何でこんなクソ熱い日に屋上で昼飯食うんだ。
死ね、と隣の馬鹿に悪態をつく。
すぐさま蹴りが帰ってきた。
しかも怪我した場所を的確に。
半端ない痛みにしばらくもだえ、フェンスに寄り掛かるように座った。
しばらく、下らない話をして。
昨日の事件を話した。
「へえ。お前、そんな面倒なこと起こしたのか?」
「……だったらどうした?」
「いや、馬鹿だなお前」
「殺すぞ?」
「やってみろよモヤシ。お前じゃ俺に勝てる道理はねえ」
「チッ」
俺たちは、俗に言う不良だ。
それを隠すつもりもねえし、否定することもしねえ。
だけど、今回はさすがにムカついた。
不良の喧嘩は日常茶飯事だ。
今回はちょと違ったが。
あの野郎を、俺が庇って喧嘩になった。
あの野郎ってのは、野郎じゃなくて女だ。
知り合い……っつかクラスメートである。
昨日。偶然、あの女に関わったばっかりに。
俺は不幸な目にあった。
でも、まあ後悔はねえ。
むしろすっきりした。
おかげで怪我とかしたけど。
あっちもしばらくは大人しくしてんだろ。
あいつはいじめられてる。
理由は知らん。目の前でパンを貪る奴いわく「媚びている」から、らしい。
媚びてるって言われればそんな気もする。
何か、誰にもへこへこしている。
気弱、って奴である。
見ててイラつくし、とろくさいし、最悪だ。
でも、いい奴。
いじめてる馬鹿共にはぜってえ理解できねえ。
あいつらは馬鹿だ。生粋の馬鹿だ。
あいつは、影口とか絶対に言わない。
本人は、言われる痛みを知ってるから。
だから、どんなに酷いことをされても、我慢する。
んな馬鹿共にあいつの痛みとかそういうの。
何で理解しねえかな?
人の悪口は言うな。
子供から習っていくことだ。
「それで? ナイト様はお姫様を救出したんだろ?」
「殺すぞてめえ?」
相方はにたにた笑う。
「…マジで殺してえお前」
「いいじゃんいいじゃん。折角の待ち合わせですよ?」
「ハァ!?」
相方の台詞に俺は愕然とした。
何いってんだこいつ!?
「ほら、さっきからそこで隠れてるぞ? おーい、出てこい」
相棒が招きだすその先。
あいつが出てきた。何でいるんだ!?
オドオドしたあいつが怯えた顔で 俺を顔色を窺う。
「あの…昨日は」
「謝ったら怒るぞ?」
「え?」
先に彼女の台詞を潰した。
弾幕よろしく続ける。
「てめえを庇ったのは俺の意思だ。何で謝罪されんだ? 俺の行動を否定すんな。俺はてめえの代わりにあいつらをぶちのめしただけだ」
「……」
あいつはしばらく呆けていた。
殺人光線に打たれているのに何で熱くなってるんだ俺?
馬鹿らしくなって牛乳パックに口をつけた。
相棒がまたにたにたしてやがる。
「……昨日は、ありがとう」
「おぅ」
あいつの謝罪ではなく、お礼を俺は短く返した。
「おうぉぅナイト様。かっこいいね」
「死ね」
「うるせえ」
ゲシッと蹴られた。いてえな。
「お姫様も一緒に飯食おうぜ!」
相棒の不良らしからぬ爽やかな笑顔が眩しいがウザい。
「へ? わたし?」
「何そのあだ名」
と、何だか微妙な空気のまま、飯を食い続ける俺たちだった。
後書き
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