小説を「読む」「書く」「学ぶ」なら

創作は力なり(ロンバルディア大公国)


小説鍛錬室

   小説投稿室へ
運営方針(感想&評価について)

読了ボタンへ
作品紹介へ
感想&批評へ
作者の住民票へ

作品ID:396

こちらの作品は、「お気軽感想希望」で、ジャンルは「一般小説」です。

文字数約1880文字 読了時間約1分 原稿用紙約3枚


読了ボタン

button design:白銀さん Thanks!
※β版(試用版)の機能のため、表示や動作が変更になる場合があります。

あなたの読了ステータス

(読了ボタン正常)一般ユーザと認識
「道祖神」を読み始めました。

読了ステータス(人数)

読了(201)・読中(2)・読止(0)・一般PV数(630)

読了した住民(一般ユーザは含まれません)


小説の属性:一般小説 / 未選択 / お気軽感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし /

道祖神

作品紹介

未設定


 進藤透は、高校生になった。

 ちょっと背伸びして、遠くの学校に行くことを決めた。と、言っても自宅からは電車で三駅分。そこから路線バスに乗って十分くらい。

 新生活が始まって、数日が経ったころ。

「あの子、いつもこの時間に乗ってるんだよなあ。変なの」

「何が変なんだい?」

「だって、こんなに朝早いのに、小学生くらいの子供が一人でバスに乗るか?」

 早速できた同じ方面から通う友達と一緒に、バスに乗り込んだときだった。

 必ずその時間、バスの一番後ろの席に小学生くらいの女の子が座っていた。

「よんどころない事情でもあるんだろ。それに、いつも同じバスに乗っているのなら、しっかり目的地が毎日あるってことだし」

「……よくわかんないけど、まあ、いいか」

  ぜんぜん納得していない顔で、友達があきらめた。

 透も、ちらっと少女を見た。

 たぶん小さな背丈くらいに伸ばした髪。座席から零れ落ちて、床に付きそうになっている。

 今風の春物ワンピース。帽子はグレイ。大きなつばが前についていて、ちっちゃなボンネットみたいだ。

 ひざに本を乗せて、静かに読んでいる。

「おい、透。着くぞ」

 友達の声に我に返った透は、返事をしながら立ち上がった。

 



 その日の夕方。

「う?ん、どうしたもんかのう?」

 その少女が、駅の構内で迷っていた。

 帰宅部の透は、帰りは一人だ。

 思わず、声をかけていた。



「どうしたの?」

「……うん?」



 少女が振り向いた。

 座っていたからわからなかったが、身長は百四十センチくらい。けっこう大きかった。

「うむ、迷った」

 かなり自然に、少女が言った。

「あ、怪しんだりしないんだ。親とかになんか言われないの? 怪しい人に付いていくなとか」

「うーん、憑いていくな、とは言われたことがあるな」

 透は首をかしげながらも、疑問を飲み込んだ。

「それに、そちらは私のことを知っとるじゃろ。毎日顔を合わせているからのお」

「一応覚えててくれたんだ。うれしいよ」

 少女が、微笑んだように見えた。

 その笑みは、長く生きた、さまざまなものを内に秘めているような、含みのある微笑だった。

「ところで、小生。お前さん、この駅に行く電車はどれじゃろうかのお? 呼ばれたんじゃが、さっぱりわからん」

 少女は懐から紙を取り出した。

 和紙に、達筆で地図が書かれていた。

 今いる駅が書かれ、三つ先の駅、透のいつも使っている駅が書いてある。

 そこからまっすぐ線が引かれ、十字路の辺りに矢印が引かれている。

 矢印のさきに、『このへん』と書いてあった。

「……なんともアバウトな地図だね」

 透はこれを見て、まあ、ついでだし、と思って少女の手をとった。

「どうせ一緒の駅で降りるから案内してあげるよ」

「うむ。ありがとうのお。助かるわ」

 



 電車の中で、初めて自己紹介をしあった。

「透だよ。透明の透」

「わしは、道じゃ」

「みち?」

「人々の通る道を守っておる。よろしくの、とおる」

 透は少女、道のことがますますわからなくなってしまった。

 その間にも、電車はいつものように線路の上を滑っていく……。





「……どうやら、ここのようじゃのう」

 道が、地図を見ていった。

 電車を降りて、地図を見ながら目的地周辺をうろついていたとき、不意に、道が立ち止まった。

 目の前には、田んぼが広がるばかり。

 片隅には、変な、欠けた石があった。

「本当にここでいいの?」

「ああ。呼ばれた意味がようく分かったわ」

 そう言うと、道は、欠けた石に手を掛けた。

 そして、こっちを振り向く。

「ありがとのお、とおる。おかげで探し物が見つかった」

 

 そのとき、風が吹いた。



 強い風だった。近くの家の庭に生えた木々を揺らしながら、遠くの山のほうへと消えていく。

 道の帽子が飛んだ。

 青い空に、グレイの帽子が点となって消えていくのを目で追って、手までのばした透は、

「あれっ?」

 道に向き直って、道がいなくなったことに気づいた。

「道……」

 辺りを見回して、また、目の前に視線をやると、そこにはさっきの石があった。

 それも、少し違っていた。

 しっかりと丸みを帯びた石。

 そこには、女の人と、男の人が一対となって、こちらに笑顔を向けている様が彫りこまれていた。





後書き

未設定


作者 水沢はやて
投稿日:2011/08/02 14:59:45
更新日:2011/08/02 14:59:45
『道祖神』の著作権は、すべて作者 水沢妃様に属します。
HP『未設定

読了ボタン

button design:白銀さん Thanks!

読了:小説を読み終えた場合クリックしてください。
読中:小説を読んでいる途中の状態です。小説を開いた場合自動で設定されるため、誤って「読了」「読止」押してしまい、戻したい場合クリックしてください。
読止:小説を最後まで読むのを諦めた場合クリックしてください。
※β版(試用版)の機能のため、表示や動作が変更になる場合があります。

自己評価


感想&批評

作品ID:396
「道祖神」へ

小説の冒頭へ
作品紹介へ
感想&批評へ
作者の住民票へ

ADMIN
MENU
ホームへ
公国案内
掲示板へ
リンクへ

【小説関連メニュー】
小説講座
小説コラム
小説鍛錬室
小説投稿室
(連載可)
住民票一覧

【その他メニュー】
運営方針・規約等
旅立ちの間
お問い合わせ
(※上の掲示板にてご連絡願います。)


リンク共有お願いします!

かんたん相互リンク
ID
PASS
入力情報保存

新規登録


IE7.0 firefox3.5 safari4.0 google chorme3.0 上記ブラウザで動作確認済み 無料レンタル掲示板ブログ無料作成携帯アクセス解析無料CMS