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作品ID:449

こちらの作品は、「批評希望」で、ジャンルは「一般小説」です。

文字数約2645文字 読了時間約2分 原稿用紙約4枚


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罰恋

作品紹介

駄文すみません
お気をつけて・・・


「俺と付き合ってくれないか?」
 その言葉を発してしまった事を俺は今更後悔している。
 だって軽い気持ちだったから。
 だって冗談のつもりだったから。
 だって笑われて終わりになると思っていたから。
 だってだってだってだってだって……
『だって』という言葉が、言い訳が僕の頭を支配する。
 だって振られると思ってたから。
 だってまさか。
「いいよ。」
 まさかその言葉が彼女の口から紡がれてしまうとは思わなかったから。
 後ろで隠れてみているあいつらも同じ考えだろう。
 本当に軽い気持ちだったんだ。皆でやった遊びの『罰ゲーム』だったから。
「負けた奴はジャイアントに告白な。」
 その言葉を発した奴に殺意さえ沸いてくる。
 悪いのは自分なのに。
 『ジャイアント』とは同じクラスの女子、井上美里のことだ。
 身長185?ジャストの彼女はクラスメートの男子からはジャイアントと呼ばれている。
 ゲームに負けた俺はその井上に告白した。
 その結果がこの状態。
「……ありがとな」
 俺は必死にその一言を搾り出し、その場から逃げた。
「どうすんだよ!」
 俺はゲームに関わってる奴に言葉を吐き掛ける。
「どんまい。もう腹決めて付き合っちゃえよ(笑)」
 イラつく俺に反して仲間たちは楽しげだ。
「ふざけんなよ!」
 腹が立つ。仲間に。それ以上に俺に。
「何キレてんだよ。井上さんは身長が異常だけどルックスもスタイルも最高だぞ。逆にラッキーだろ(笑)」
 確かにそうなんだ。井上は身長こそ異常だが美人でスタイルもいいのだ。
 だけど違う。本当は嫌なんかじゃない。好きでもない人と付き合うということが不安で怖いだけだ。
「クッ!」
 何もいえず俺は黙り込む。
 そんな時、
「池上帰ろうぜ。」
 井上がそんな言葉をかけてきた。
「えっ?」
 いきなりの事に頭が真っ白になる。
「タイミングいいじゃん(笑)じゃーな啓太。」
 皆はそういって帰ってしまう。
 俺は逃げることも出来ず井上と帰ることになった。
「池上って名前何?」
「啓太だけど。」
「啓太か?あたしは美里ね。」
「知ってるよ。」
「冷たいじゃ?ん。啓太ってそんなキャラだっけ?」
「ちょっ!いきなり!啓太って!」
「あ。焦ってる。かわい?。」
「かわいくね?よ!ってかお前緊張してねぇのかよ!」
「お前じゃなくて美里。それとももう『おまえ』と『あなた』がいいの?」
「ちげぇよ!ってか質問に答えろよ。」
「……緊張してるに決まってんじゃん。」
 ぼそっとつぶやく。
(案外話が盛り上がるな。)
 そんな事を考えていた俺はその一言に少しときめいてしまう。
「ああ!今の無し!そうだとりあえず連絡先交換しようぜ!」
 必死に緊張を隠そうとしている井上。
 そんな井上を見て俺も焦ってしまう。
「ああ。連絡先な。」
 携帯を震える手で辛うじて引っ張り出して連絡先を交換する。
 それだけで井上はうれしがっている。
 そんな彼女を見ながら俺の中では罪悪感が膨れ上がっていく。
 そんな状態であることを必死に隠しながら彼女と別れ、ようやく家に着いた。
(最低だ俺。)
 罪悪感に悩まされ俺は寝れずに夜が明けた。
 翌日は土曜日だった。
 俺が何気なく携帯を開くとメール1の文字。
 開くと、
「おはよう。突然で悪いんだけど今日遊ばない?場所は……」
 井上からだった。
 そして最後に一文
「待ってる」
「マジかよ。」
 なきそうになりつつも俺は約束の場所に足を運んだ。
「わりぃ。遅れた。」
 俺がついてから少しして井上がやってきた。
「まだ約束の時間の前じゃねぇか」
「いや。急に連絡したのに啓太より後についたようじゃ遅刻だよ。」
 井上はかなりいい奴だった。
 それから後俺たちは何をするでもなくただ駄弁りながら過ごした。
「じゃあな。今日はきてくれてありがとな。」
「ああ。そっちこそ誘ってくれてありがとな。でも良かったのか?ただ駄弁っただけだぞ俺。」
「一緒にいるだけで楽しいんだよあたしは。」
 少し赤くなりながら井上は言う。
 俺は恥ずかしくなってまた逃げた。
 月曜の朝、
「調子はどうだ?もうキスしたか?」
 仲間からのからかいに俺は気恥ずかしさから、
「はぁ?するわけねぇだろ。だいたい俺は罰ゲームで」
 そこまで言って俺は気づいた。井上が泣きそうな顔でこっちを見ているのを。
「嘘だった……の?罰ゲームって……あたしそれじゃ……帰る。」
 そういって井上は泣きながら走っていってしまった。
「おい!いいのかよ!追い駆けなくて!」
 皆が叫んでいる。
「いいんだ。これでいいんだ。」
 俺はそんな最低な一言をこぼして俺も家に帰った。
 帰路の途中俺の頭の中では井上との思い出がフラッシュバックしていた。彼女の笑顔。笑顔。笑顔。
 その笑顔で頭がいっぱいになった時俺は井上の家のほうに走り出していた。
(そうだ。俺は。俺は。俺は。最初こそ好きじゃなかったけど。……もう。
好きになっていたんだ!)
 気がつくと俺は彼女の家の前にいた。道など知らないはずなのに。彼女がこの前話していたことを元に俺は彼女の家にたどり着いていた
 インターホンを鳴らす。
「はい。」
 泣き顔をどうにか普通の顔だと見せるために努力しながら彼女はドアを開けた。そして俺の顔を見てまた泣き始めてしまった。
「なん……なの?また罰……ゲーム?もう許してよ。あたしはなんもしてない!」
 そんな井上を見て俺は自分を一発殴り飛ばし、井上に言葉を紡いだ。
「今度は罰ゲームなんかじゃない。俺の本心を伝えにきた。本当にすまなかった。最初は罰ゲームだった。だけどお前と話したりしてるうちに俺はお前を好きになっていたんだ。なのにさっきはつい気恥ずかしくてあんなひどいことを……最低だって分かってる。虫が良すぎることも。だけどもし、もし良かったら、俺と付き合ってください!」
「……やだ。」
 当たり前だ。帰ろう。でも、最後にもう一言だけ謝ろう。
 そう思って頭をあげるとそこには。
 泣きながら笑っている井上がいた。
「嘘だよ。これは仕返し。次こんなことしたら本当に許さないからね。」
「え?」
「え?じゃないよ!とりあえず買い物に付き合ってもらうからね!全部啓太のおごりで!」
「……わかったよ。何でもかってやるよ。『美里』」
 こうして偽者彼氏は本物になった。

後書き

未設定


作者 シエル
投稿日:2012/02/14 16:14:07
更新日:2012/02/14 16:14:07
『罰恋』の著作権は、すべて作者 シエル様に属します。
HP『未設定

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