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作品ID:470
こちらの作品は、「激辛批評希望」で、ジャンルは「一般小説」です。
文字数約2098文字 読了時間約2分 原稿用紙約3枚
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小説の属性:一般小説 / 未選択 / 激辛批評希望 / 初級者 / 年齢制限なし /
蚊
作品紹介
遊びでなんとなく書こうと思ったら途中で飽きちゃいました(テヘペロ
何も考えずに適当に書いたので申し訳ないです。
本命は投稿室の方にある短編なのでよろしければお願いします。
ええ、宣伝です。
何も考えずに適当に書いたので申し訳ないです。
本命は投稿室の方にある短編なのでよろしければお願いします。
ええ、宣伝です。
「おいおい、お前……死ぬ気か?」
「んなわけないだろ。でも、あと五秒だけ。大丈夫、五秒だけだから」
人の腕の上で愉快な会話をしているのは、針のような口を持った虫。どうやって発声しているのかも分からないが、知的生命体よろしくな感じに駄弁っている二匹を眺めながら、俺はぼんやりと悟りを開いていた。
(……やべぇ、ついに暑さで頭がやられたか)
室温はゆうに三七度を超え、その暑さを前に俺の意識は朦朧とし始めていた。ただ、だからといって蚊の会話を聞き取るなんていう意味不明な状況に陥るわけもないのだが、現におれは蚊の会話を聞いている。
なんというか、我ながら意味が分からない。
「おいおい、おい! そりゃあお前吸い過ぎだろ……」
息を荒げて一匹の蚊が慌て始める。その声につられて先ほどから俺の腕に口を突き刺したままの蚊を見ると、どうも様子がおかしかった。
「や、やばい……」
相変わらずどうやって発声しているのか謎な蚊は、ぴくぴくと身体を震わせながら言葉を続ける。
「この人間O型だわ。マジパネェ」
言いながら、変わらぬ様子で血を吸い続ける。だが、さすがの俺も蚊に血を吸わせるような趣味は持ちあわせていない。
幸せそうに血を吸い上げる蚊の腹が徐々に大きく膨れ上がり、内部に溜まった赤い血の色が見え始めた頃。そこにきてようやくおれは行動を起こす。
「どれだけ吸う気だよ……」
行動――そうはいっても大したことはしなかった。ただ、呟いてみた。
どうせ大したリアクションは返ってこない。それどころか、この会話そのものがおれの妄想に過ぎないとさえ思っていた。だが、予想に反して二匹の蚊はおれの呟きを聞くなりその動きを止めた。
しばらくして。血を吸っていた蚊はゆっくりと口を皮膚から抜き、そしてずっと隣で心配そうに見つめていたもう一方の蚊に視線を向けた。
「……え、なんか言った? それにしてもすげぇ声変わりしたな」
ぼそりと声を震わせながらそんなことを言う。あからさまにボケている。……というか、気付かれたことに気付かないようにしている様子だ。
一方、隣で心配していた蚊は口を頑なに閉ざしているようで、ツッコミを入れようともしない。
数秒。やけに長く感じられる時間が流れ、どうしたものかと考え始めたとき。返事が無いことに困惑し始めたぽて腹の蚊がひょこひょこと歩き始めた。
「どうしたんだよ。お腹でも痛いのか……?」
「…………」
無言。完全に無視され始めた虫はどうしたものかと考えるわけでもなく、ただただ相方の顔を覗き込んでいた。
だが、そうして見つめていたところで相方が羽を動かし始める。
「あっ! おい!!」
声を張り上げるも虚しく、別れの言葉も告げないままぽて腹をおれの腕に置き去りにして飛び立っていった。おれも、血を吸っていない方を叩く気にはなれず、窓から表へ出ていくのを見送った。
「…………」
二度目の静寂が訪れる。友に見放された蚊の姿がやけに淋しげに見え、なんだか切ない気持ちになってしまう。だが、ころころに太ったそいつを見ていると、素直に逃がしてやろうという気にもなれなかった。
「さて、と」
これからどうしたものか。叩き潰してしまえば一発だが、なんせ相手は人語を解する蚊だ。興味本位で少し遊んでやろうとおれはニヤリと口元を歪ませる。
「ヒィイイイ!!」
途端に、蚊がおれの腕から慌てて逃げ出そうと羽をバタつかせた。だが身体が宙に浮く様子は無く、それどころかバランスを崩したそいつは腕を転がって、勉強机の上へと落ちていった。
可哀想というか滑稽というか。机の上に着地してもなおもがき続けるその姿は哀れなものだった。
どうやら身体が重くて飛翔出来なくなってしまったらしい蚊を前に、おれは机の引き出しから取り出した虫眼鏡を片手に顔を近づける。どこでも見かける普通の蚊。特別変わった様子も無く、腹が太っている以外は平凡なものだ。
「ああぁああぁ……! 見られてる! 見られてるぅ……!!」
だが、やはりというべきなのかなんなのか。その声はどこからともなくおれの耳に届いてくる。
尖った口をしきりに動かしている以外になんのアクションも無いのだが、観察しているとその動きに合わせて言葉が発せられているように見えなくもない。
少し考えて、やはり意味不明という結論に至った俺は、少しの間を置いて六本の足で身体を抱える蚊を相手に質問を投げかけた。
「人の言葉を理解しているのか? というか、どうして喋れるわけ?」
びくりと大きく跳ねた蚊は、その腹にそぐわぬ動きで体勢を立て直すと先ほどまでとは打って変わり堂々とした様子で言葉を返してくる。
「それは、あなたがO型だから!!」
「意味分からねぇよ」
「あっ。はい……すみません」
ツッコミにすぐ謝るボケ担当。それなら最初からボケるなよと言いたいところではあったが、蚊がボケを意識しているのかどうかといえばそうではないと思う。
とにかくとして、おれはこの謎を解明するために尽力することを決めるのであった。
fin
「んなわけないだろ。でも、あと五秒だけ。大丈夫、五秒だけだから」
人の腕の上で愉快な会話をしているのは、針のような口を持った虫。どうやって発声しているのかも分からないが、知的生命体よろしくな感じに駄弁っている二匹を眺めながら、俺はぼんやりと悟りを開いていた。
(……やべぇ、ついに暑さで頭がやられたか)
室温はゆうに三七度を超え、その暑さを前に俺の意識は朦朧とし始めていた。ただ、だからといって蚊の会話を聞き取るなんていう意味不明な状況に陥るわけもないのだが、現におれは蚊の会話を聞いている。
なんというか、我ながら意味が分からない。
「おいおい、おい! そりゃあお前吸い過ぎだろ……」
息を荒げて一匹の蚊が慌て始める。その声につられて先ほどから俺の腕に口を突き刺したままの蚊を見ると、どうも様子がおかしかった。
「や、やばい……」
相変わらずどうやって発声しているのか謎な蚊は、ぴくぴくと身体を震わせながら言葉を続ける。
「この人間O型だわ。マジパネェ」
言いながら、変わらぬ様子で血を吸い続ける。だが、さすがの俺も蚊に血を吸わせるような趣味は持ちあわせていない。
幸せそうに血を吸い上げる蚊の腹が徐々に大きく膨れ上がり、内部に溜まった赤い血の色が見え始めた頃。そこにきてようやくおれは行動を起こす。
「どれだけ吸う気だよ……」
行動――そうはいっても大したことはしなかった。ただ、呟いてみた。
どうせ大したリアクションは返ってこない。それどころか、この会話そのものがおれの妄想に過ぎないとさえ思っていた。だが、予想に反して二匹の蚊はおれの呟きを聞くなりその動きを止めた。
しばらくして。血を吸っていた蚊はゆっくりと口を皮膚から抜き、そしてずっと隣で心配そうに見つめていたもう一方の蚊に視線を向けた。
「……え、なんか言った? それにしてもすげぇ声変わりしたな」
ぼそりと声を震わせながらそんなことを言う。あからさまにボケている。……というか、気付かれたことに気付かないようにしている様子だ。
一方、隣で心配していた蚊は口を頑なに閉ざしているようで、ツッコミを入れようともしない。
数秒。やけに長く感じられる時間が流れ、どうしたものかと考え始めたとき。返事が無いことに困惑し始めたぽて腹の蚊がひょこひょこと歩き始めた。
「どうしたんだよ。お腹でも痛いのか……?」
「…………」
無言。完全に無視され始めた虫はどうしたものかと考えるわけでもなく、ただただ相方の顔を覗き込んでいた。
だが、そうして見つめていたところで相方が羽を動かし始める。
「あっ! おい!!」
声を張り上げるも虚しく、別れの言葉も告げないままぽて腹をおれの腕に置き去りにして飛び立っていった。おれも、血を吸っていない方を叩く気にはなれず、窓から表へ出ていくのを見送った。
「…………」
二度目の静寂が訪れる。友に見放された蚊の姿がやけに淋しげに見え、なんだか切ない気持ちになってしまう。だが、ころころに太ったそいつを見ていると、素直に逃がしてやろうという気にもなれなかった。
「さて、と」
これからどうしたものか。叩き潰してしまえば一発だが、なんせ相手は人語を解する蚊だ。興味本位で少し遊んでやろうとおれはニヤリと口元を歪ませる。
「ヒィイイイ!!」
途端に、蚊がおれの腕から慌てて逃げ出そうと羽をバタつかせた。だが身体が宙に浮く様子は無く、それどころかバランスを崩したそいつは腕を転がって、勉強机の上へと落ちていった。
可哀想というか滑稽というか。机の上に着地してもなおもがき続けるその姿は哀れなものだった。
どうやら身体が重くて飛翔出来なくなってしまったらしい蚊を前に、おれは机の引き出しから取り出した虫眼鏡を片手に顔を近づける。どこでも見かける普通の蚊。特別変わった様子も無く、腹が太っている以外は平凡なものだ。
「ああぁああぁ……! 見られてる! 見られてるぅ……!!」
だが、やはりというべきなのかなんなのか。その声はどこからともなくおれの耳に届いてくる。
尖った口をしきりに動かしている以外になんのアクションも無いのだが、観察しているとその動きに合わせて言葉が発せられているように見えなくもない。
少し考えて、やはり意味不明という結論に至った俺は、少しの間を置いて六本の足で身体を抱える蚊を相手に質問を投げかけた。
「人の言葉を理解しているのか? というか、どうして喋れるわけ?」
びくりと大きく跳ねた蚊は、その腹にそぐわぬ動きで体勢を立て直すと先ほどまでとは打って変わり堂々とした様子で言葉を返してくる。
「それは、あなたがO型だから!!」
「意味分からねぇよ」
「あっ。はい……すみません」
ツッコミにすぐ謝るボケ担当。それなら最初からボケるなよと言いたいところではあったが、蚊がボケを意識しているのかどうかといえばそうではないと思う。
とにかくとして、おれはこの謎を解明するために尽力することを決めるのであった。
fin
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