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作品ID:495
こちらの作品は、「批評希望」で、ジャンルは「一般小説」です。
文字数約1256文字 読了時間約1分 原稿用紙約2枚
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放課後議論場
作品紹介
担任の先生がちょろっと言ったことからふくらませてった話です。
思いつきです。
議論内容は「愛」です。
思いつきです。
議論内容は「愛」です。
いま世間では、”好きだよ”よりも”愛してるよ”のほうがより大きな意味をもっているように思えるの。
神山がそう言うので、俺は「そうだな」と返す。断じて適当な相槌などではなく、心から思ったためである。
「なんか、レベルアップっていうかランクアップしたのが”愛”ってかんじがする」
神山と比べて貧弱すぎる俺のボキャブラリを駆使して言葉を組み立ててみると、神山が頷いた。艶のあるロングヘアーが目の前で揺れる。
「うん、そうだよね。そうなると愛の方がよりよいみたいだよね」
神山の喋り方は、静かだけど、よく通る。二人きりの放課後の教室で、神山の声だけが響く感覚は心地いい。
まだ目が合っているので、俺は言葉のつづきを待った。神山は話すとき必ず相手の瞳を見るからだ。
予想通り神山は続けて口を開く。
「でもじゃあなんで、恋人、愛人、っていうんだろう」
神山の大きな瞳に映る自分をみながら、どうやらこれが彼女の疑問らしいな、と俺は思った。
「恋人は恋する人、愛人は愛する人でしょう?
ランクアップが愛ならさ、恋人ってきて愛人は夫や妻を指すべきじゃない?」
なるほど、確かにそうだ。しかし上手い返答は思い浮かばない。なぜなら俺の頭の回転が遅いからだ。
席に座る神山の眉が八の字に変わるが、隣の席に座る俺は見ているだけだ。
「愛ってもしかして、悪い意味なんじゃないかなぁ。
歪んだ愛とか、狂った愛とか聞くし。ドロドロしたかんじなのかも。愛が良い意味じゃない一例が、愛人で。いい意味なんかじゃないのかも」
神山の声が、不安を帯びていた。同時に俺は、なぜ神山が愛に執着するか悟る。
神山は、神山愛莉という。
名づけ親である両親を、彼女は亡くしていると、前に聞いた。
自分の名前の一部である”愛”だから、彼女はこんなに考えるのだろう。
悲しそうな彼女をみて、悲しくなった。神山が”愛”が悪いものではないかと考えることが、悲しかった。そんなはずないと、わかってほしい。
「違うよ、神山。”愛”はきっと悪い意味じゃないよ」
貧弱なボキャブラリを、回転の遅い頭を、ひねりだす。
「恋人と、愛人は、あれだよ、よみ方が違うだろ?こいびとは”びと”で、あいじんが”じん”だろ。それが悪いんだ、きっと。
”あいびと”って言おうよ。ランクアップは、あいびとなんだ。」
神山が目を丸くして俺を見つめている。自分でも変なことを言っていると思う。だがなんだっていい。今止めるな、俺。
「すきだよ、神山。愛してる。あいびとになろう」
そこまで言ってわれに返る。あれ、今すごい本音部分まで口走らなかったか?
冷や汗を感じながら神山を見ると、神山は小さく笑ってた。
「そっか。愛は、悪くないか。あいびと、あいびとか。」
あんなヘンテコ理論だっかが、どうやら、納得してくれたらしい。神山が俺を見上げる。真っ赤な俺が、神山の目の中にいる。
「うん、ありがとう」
そして気づく。笑う神山も、赤い。
「なろっか、あいびと。」
放課後の教室で、小さな議論はこうして終結した。
神山がそう言うので、俺は「そうだな」と返す。断じて適当な相槌などではなく、心から思ったためである。
「なんか、レベルアップっていうかランクアップしたのが”愛”ってかんじがする」
神山と比べて貧弱すぎる俺のボキャブラリを駆使して言葉を組み立ててみると、神山が頷いた。艶のあるロングヘアーが目の前で揺れる。
「うん、そうだよね。そうなると愛の方がよりよいみたいだよね」
神山の喋り方は、静かだけど、よく通る。二人きりの放課後の教室で、神山の声だけが響く感覚は心地いい。
まだ目が合っているので、俺は言葉のつづきを待った。神山は話すとき必ず相手の瞳を見るからだ。
予想通り神山は続けて口を開く。
「でもじゃあなんで、恋人、愛人、っていうんだろう」
神山の大きな瞳に映る自分をみながら、どうやらこれが彼女の疑問らしいな、と俺は思った。
「恋人は恋する人、愛人は愛する人でしょう?
ランクアップが愛ならさ、恋人ってきて愛人は夫や妻を指すべきじゃない?」
なるほど、確かにそうだ。しかし上手い返答は思い浮かばない。なぜなら俺の頭の回転が遅いからだ。
席に座る神山の眉が八の字に変わるが、隣の席に座る俺は見ているだけだ。
「愛ってもしかして、悪い意味なんじゃないかなぁ。
歪んだ愛とか、狂った愛とか聞くし。ドロドロしたかんじなのかも。愛が良い意味じゃない一例が、愛人で。いい意味なんかじゃないのかも」
神山の声が、不安を帯びていた。同時に俺は、なぜ神山が愛に執着するか悟る。
神山は、神山愛莉という。
名づけ親である両親を、彼女は亡くしていると、前に聞いた。
自分の名前の一部である”愛”だから、彼女はこんなに考えるのだろう。
悲しそうな彼女をみて、悲しくなった。神山が”愛”が悪いものではないかと考えることが、悲しかった。そんなはずないと、わかってほしい。
「違うよ、神山。”愛”はきっと悪い意味じゃないよ」
貧弱なボキャブラリを、回転の遅い頭を、ひねりだす。
「恋人と、愛人は、あれだよ、よみ方が違うだろ?こいびとは”びと”で、あいじんが”じん”だろ。それが悪いんだ、きっと。
”あいびと”って言おうよ。ランクアップは、あいびとなんだ。」
神山が目を丸くして俺を見つめている。自分でも変なことを言っていると思う。だがなんだっていい。今止めるな、俺。
「すきだよ、神山。愛してる。あいびとになろう」
そこまで言ってわれに返る。あれ、今すごい本音部分まで口走らなかったか?
冷や汗を感じながら神山を見ると、神山は小さく笑ってた。
「そっか。愛は、悪くないか。あいびと、あいびとか。」
あんなヘンテコ理論だっかが、どうやら、納得してくれたらしい。神山が俺を見上げる。真っ赤な俺が、神山の目の中にいる。
「うん、ありがとう」
そして気づく。笑う神山も、赤い。
「なろっか、あいびと。」
放課後の教室で、小さな議論はこうして終結した。
後書き
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