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作品ID:567
こちらの作品は、「感想希望」で、ジャンルは「一般小説」です。
文字数約1015文字 読了時間約1分 原稿用紙約2枚
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■白銀
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし /
シャッフル
作品紹介
男勝りな少女、南と愛らしい少女、由紀。
とある夜の出来事です。
とある夜の出来事です。
「はぁ……」
「由紀、何をため息ついているんだ?」
南は紙コップを持ってテラスで大きなため息を吐いた由紀にそう問いかける。由紀は南をかみつく勢いでこう、まくし立てた。
「南はいいよ! いつでも優気に会えるんだから! 私なんか、一か月に一回しか会えないのよ。南にこの気持ちわかる?」
外は涼しく、ところどころで虫が鳴いている。秋という季節が始まったばかりだった。それなのに由紀はノースリーブという寒々しい格好だったので、南は自分のカーティガンを由紀の肩にかけた。南は体を鍛えているのでこれくらいの寒さなら本来上着を着なくても平気だった。
「それで、風邪をひこうとしているのか? 正次が来たら怒られるじゃすまないぞ」
グサッと痛いところをつかれて、由紀の瞳から涙がこぼれる。それを持っていたハンカチで拭うと、今度は顔を隠してしまった。
「由紀。気持ちは分からなくもないが、総合隊長に選ばれた正次のことも考えてやってくれ」
由紀の恋人の正次は、いつ隣国との戦争に巻き込まれるかもしれないこの国の指揮を一手に引き受けていた。恋人と会う時間が少なくても仕方がないのだ。
顔を伏せていた由紀はそっと顔を上げた。そうして、南にこう問いかける。
「でも、優気は総合副隊長でしょ?おまけに私たちは十五歳の時から付き合ってそろそろ三年経つの、お仕事の忙しい時期だっていうのは分かっているわ。でも三年経っていまだに手しか繋いだことがないってどうなの?」
そこまで話せば、今まで冷静だった南の顔が急に赤くなる。
「そ、そんなの、慣れていけばいいことだろ? 大丈夫だ。正次はちゃんと由紀のこと好きだから」
「南、顔が真っ赤……もしかしてもう、優気とのキスは済んだ?」
「……」
南は赤くなった顔を隠してそっと頷く。ポカンとしていた由紀だったが、次第に落ち込んできたようで、また顔をうずめてしまった。
「……そうか……私、南に先越されちゃった」
「あ、悪い……」
別に悪くはないのだが、ここまで落ち込まれてしまえばどうしても謝ってしまう。
「で?」
「?」
由紀は顔を上げたかと思うと、彼女の持ち前のキラキラした目でこう問いかけてきた。
「どんな味だった? 感触は? どこでしたの?」
「え? あの、由紀?」
南の服をしっかりと握って離さない由紀の質問は、深夜と呼べる時間まで続いたのだった。
「由紀、何をため息ついているんだ?」
南は紙コップを持ってテラスで大きなため息を吐いた由紀にそう問いかける。由紀は南をかみつく勢いでこう、まくし立てた。
「南はいいよ! いつでも優気に会えるんだから! 私なんか、一か月に一回しか会えないのよ。南にこの気持ちわかる?」
外は涼しく、ところどころで虫が鳴いている。秋という季節が始まったばかりだった。それなのに由紀はノースリーブという寒々しい格好だったので、南は自分のカーティガンを由紀の肩にかけた。南は体を鍛えているのでこれくらいの寒さなら本来上着を着なくても平気だった。
「それで、風邪をひこうとしているのか? 正次が来たら怒られるじゃすまないぞ」
グサッと痛いところをつかれて、由紀の瞳から涙がこぼれる。それを持っていたハンカチで拭うと、今度は顔を隠してしまった。
「由紀。気持ちは分からなくもないが、総合隊長に選ばれた正次のことも考えてやってくれ」
由紀の恋人の正次は、いつ隣国との戦争に巻き込まれるかもしれないこの国の指揮を一手に引き受けていた。恋人と会う時間が少なくても仕方がないのだ。
顔を伏せていた由紀はそっと顔を上げた。そうして、南にこう問いかける。
「でも、優気は総合副隊長でしょ?おまけに私たちは十五歳の時から付き合ってそろそろ三年経つの、お仕事の忙しい時期だっていうのは分かっているわ。でも三年経っていまだに手しか繋いだことがないってどうなの?」
そこまで話せば、今まで冷静だった南の顔が急に赤くなる。
「そ、そんなの、慣れていけばいいことだろ? 大丈夫だ。正次はちゃんと由紀のこと好きだから」
「南、顔が真っ赤……もしかしてもう、優気とのキスは済んだ?」
「……」
南は赤くなった顔を隠してそっと頷く。ポカンとしていた由紀だったが、次第に落ち込んできたようで、また顔をうずめてしまった。
「……そうか……私、南に先越されちゃった」
「あ、悪い……」
別に悪くはないのだが、ここまで落ち込まれてしまえばどうしても謝ってしまう。
「で?」
「?」
由紀は顔を上げたかと思うと、彼女の持ち前のキラキラした目でこう問いかけてきた。
「どんな味だった? 感触は? どこでしたの?」
「え? あの、由紀?」
南の服をしっかりと握って離さない由紀の質問は、深夜と呼べる時間まで続いたのだった。
後書き
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