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作品ID:590
こちらの作品は、「批評希望」で、ジャンルは「一般小説」です。
文字数約3979文字 読了時間約2分 原稿用紙約5枚
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惑星アルビス物語 続きその③ 完
作品紹介
―
海底都市
テストゥードスは一見すると本物の亀のような見かけであった。万が一、調査対象の惑星において発見された場合に備え、それぞれの惑星に生息する主要な亀の特徴を反映させ、その惑星固有の亀の形を用いている。海洋、海底調査のいわばプロトタイプといえよう。いずれは他の生物型の調査ロボットも開発されることになるのだがこれはまたのちの話になる。
ゾーイに報告の画像を送ってきたテストゥードスは大海洋の群島に配置した五体全部であった。そこは海底の都市であるが、建物自体は研究所のような外観に見えた。生体反応は一種類であるからアルビス人だろうとゾーイは考えた。問題は彼らがどういったひとびとかということと何をしているのかあるいはされているのか、である。水深200メートルの海底で調査するには潜水艦が必要になる。そのためには正式な銀河連盟側の手続きを要するだろうし、潜水艦や操縦士、連盟側の学者、業務官などの移動にワープを使っても一週間はかかってしまう。ゾーイは悩んだが、メル司令に調査結果を報告の上指示を仰ぐことにした。
メル司令はゾーイの報告を受け、満足の笑みを浮かべた。ついにアルビスへの調査を正式に進められるのだ。もっとも決定的な証拠を握るまでは秘密裡に行われるべき調査である。ゾーイの知るところでは無かったが司令が相当な権限を与えられている人物であることは確かだった。メル司令はゾーイの労苦をねぎらい、一時的な調査の中断を指示し、カルにも連絡を取った。カルはメル司令から初めての任務として近日中行われる海底都市の監査の命を受けたのである。
カルがほほを紅潮させて自分の小屋に飛び込んで来た日、ゾーイはついにメル司令が準備万端整えたのだと知った。カルはW23にことづけられたメル司令からの「調査に関する指示」を受け取って大慌てで、その朝、W23と一緒にゾーイの所にすっ飛んで来たのである。
大海洋のある無人島の浅瀬で、銀河連盟の潜水艇がひそやかに「その時」を待っていた。操縦士以下、調査に関しても身体的な訓練も含め精鋭揃いの乗組員と科学者たちが潜水艦に乗っていた。
カルとゾーイは司令の指示に従い、その無人島に赴いた。連盟の一行は二人を潜水艦に迎え、そのまま海底都市へと向かった。常に沈着冷静なゾーイも胸の高鳴りを禁じえなかったほどである。テストゥードスの映像をまだ見ていないカルは、緊張しながらも未知の世界が開かれようとしていることにわくわくさえしてきた。
数十分後、海底都市の近くに潜水艦が到着した時、一行は一瞬、厳かな沈黙に包まれた。それもつかの間、全員がそれぞれの役割を正確にかつ迅速に果たすための配置に付いて司令からの指示を再び待った。
それからのことはまるで夢のようだった…カルはのちに、ゾーイに言ったものである。
「あれがまさに悪夢ってやつなのかもしれないと僕は、思ったよ…」
研究所のような「海底の都市」は、アルビスの若者たちを幽閉し、「偽りの夫婦」を作ったり、さまざまな臨床試験を施したり、新たな優秀な遺伝子を作り出すためのいわば実験施設であったのである。
内部に潜入した調査団たちは、「外部からの干渉」を全く予測し得なかったアルビスの科学者と権力者の一部を、比較的楽に制圧した…銀河連盟がここで使った武器や尋問については明らかにされてはいない。
とにかくそこには、自由を奪われ、もともとおとなしく逆らうことの殆どない人格を形成されているアルビス人達が、なぜ自分たちがここにいなければならないのか、それすら考えられないような殆ど無抵抗な状態で監禁されていたのだ。
調査団は100人の「看守」と900人の「囚われ人」の移動に取り掛かった。それは容易ではなかったが、彼らは手際良く、20程の比較的大きめの無人島に罪のないアルビス人900名を少しずつ移動させてから、残りの罪人どもを、海底都市の建物内の複数の部屋に幽閉し、厳重な監視体制を取った。
それからはとんとん拍子に事が運んだ。アルビスに対して、正式な「訪問」を銀河連盟の法を順守する機関の役人が求め、アルビスの国家はそれに応じた。そして海底都市での出来事についての「正確な説明」を要求し、厳しい尋問や証拠の提示によって、国家の要人たち…科学者や政治家たち一部の逮捕にこぎつける運びとなった…。
建国以来、連盟に属するまでに文明を発達させた惑星アルビスの、ひとつの凋落の姿がそこにはあった。そして問題はこれから先のことになる。
他の星のように、人々が生まれて生きるその形態を、その形を歪められたアルビスの人たちが本来のありようを取り戻すには、課題が山積していたし、ある程度の年月を費やさざるを得ないだろう。
そして未来へ
アルビスに対する、銀河連盟の追及の厳しさとその処置によって、その国家での非人道的な在り様が明らかになったことは、惑星アルビスにおいてのみならず、連盟に属する多くの星の者に改めて様々な課題を投げかける結果となった。
彼らは命について、それぞれの星での法と連盟の掲げる柱である倫理とを遵守することを誓って、それまで生きて来た…。当たり前に行っていることについて今一度考えるべきなのではないか。我が国家は大丈夫なのか。そのような疑問をさまざまな星の住民が自らに問うきっかけとなった。それはもしひとたび起こってしまったら、例えば星間戦争のように、治めなければならない病のようなものなのである。
カルは任務を終えて、ゾーイと共に休養していた。アルビスの科学者の手によって、惑星アルビス自体に人工的な処置がとられていたことも明らかになり、彼らの先祖たちがこの星に到着した時のような自然を取り戻すための一大プロジェクトも立ち上げられていた。人工的な海、作られた自然、遺伝子に対する歪んだ行為、それらが成されて既に数世紀になるという。
「これから、色々なことがもっと明らかになるのだろうな」ゾーイは家でカルとW23を相手に話をしていた。
「俺たち漁師が他のアルビス人と違っていたのは…いや、ここに辿りついたご先祖たちと殆ど変わらずにいたのが…科学者どもが、「純粋ではない血」を求めていたためだったとはな…」
漁師たちは定期的に健康診断を受けていた。その時採血検査に用いる血液から、科学者たちは遺伝子を取り出して保管し、「利用」していたのである。
「まあ、おかげさまで、と言うべきなのかな…」
カルは答えずにいた。ゾーイが答えを求めている訳ではないのが分かっていたからだ。自分がアルビス人であることによってこれからどうなるのかという不安を抱き始めて以来、ゾーイと巡り合い、気持ちを揺さぶられながらもここまでやってこられたのは、ゾーイのおかげだったと思うし、ゾーイと自分には深い縁があると思ってもいる。
「それで、我らが惑星アルビスを改革する仕事に本格的に携わることに決めたのかい?」ゾーイは尋ねた。
「うん、僕はアルビスに生まれたし、この星が少しでも良い方向に変わっていかなければいけないと思うんだ。だからこのまま、メル司令の下でもっと勉強して訓練を受けて、改革の役に立ちたいんだ。ゾーイはどうするの…?」
ゾーイはウィンクして答えた。
「勿論、俺もそのつもりさ。汚名返上と行きたいじゃないか?俺は漁師を続けたい。漁師という仕事に誇りも持っている、ただし、まっとうな海で漁師を営みたいんだ。アルビスの海も生物もこれからどんどん変わっていくだろう。そのためには多くの力が必要だ。俺も及ばすながら力を貸したい。連盟も協力を惜しまないと司令は言っているし、心強い話じゃないか」
ここでW23が二人を見やってから遠慮がちに言葉を発した。
「ワタクシもお二方のために、勿論ご主人はカル様に変わりありませんが、ロボットとして協力を惜しまないつもりです…これは押しつけになりますまいね?」
「勿論だよ、W!」カルが言うと、ゾーイも
「俺のことも主人と仰いでもらって構わないぜ、W23。押し付けなんてことは全くないしな」と言う。
W23は円形の頭を軽く下げてふたりに応えた。
カルの両親たちは、「改良」を加えられたアルビス人として連盟の施設にいる。カルはいつか二人に会いに行きたいと思う。メル司令は言っていた。
「場合によっては、記憶を消すことになるかもしれない。その覚悟もしてもらわねばならない…。でも君は…苦難を乗り越えられる人間だ…十二分にね。このことについては他には何も言うことはないよ。あとは君たちが、これからのアルビスを変えていくことになる。取り組むべき課題は山積しているが我々連盟も助力は惜しまないよ」
カルはその時、うなずいて頭を下げ、テレモニターのスイッチを切ったのだ。ゾーイに真実を告げられた時からさまざまな想像をしていたから、気持ちの整理もついていた。カルは思う。この星に生まれたことを不幸とは思っていないし、両親や産みの親のこともをうとんじる心持ちはまったく無い。自分はこれから、ゾーイやW23やたくさんのアルビス人たちと、この国を、この星を作り直していくのだと思うと心が震える思いだった。
「ねえ、ゾーイ。僕たちは同じ方向を向いて、そしていつまでも一緒に歩いていこうね」
「ははは、何だか、結婚の申し込みみたいだな」とゾーイがからかうように言う。それに笑顔で応えたカルはゾーイの家の窓から見える海を眺めた。
今見ている海は、もうあの時とは違っている。
テストゥードスは一見すると本物の亀のような見かけであった。万が一、調査対象の惑星において発見された場合に備え、それぞれの惑星に生息する主要な亀の特徴を反映させ、その惑星固有の亀の形を用いている。海洋、海底調査のいわばプロトタイプといえよう。いずれは他の生物型の調査ロボットも開発されることになるのだがこれはまたのちの話になる。
ゾーイに報告の画像を送ってきたテストゥードスは大海洋の群島に配置した五体全部であった。そこは海底の都市であるが、建物自体は研究所のような外観に見えた。生体反応は一種類であるからアルビス人だろうとゾーイは考えた。問題は彼らがどういったひとびとかということと何をしているのかあるいはされているのか、である。水深200メートルの海底で調査するには潜水艦が必要になる。そのためには正式な銀河連盟側の手続きを要するだろうし、潜水艦や操縦士、連盟側の学者、業務官などの移動にワープを使っても一週間はかかってしまう。ゾーイは悩んだが、メル司令に調査結果を報告の上指示を仰ぐことにした。
メル司令はゾーイの報告を受け、満足の笑みを浮かべた。ついにアルビスへの調査を正式に進められるのだ。もっとも決定的な証拠を握るまでは秘密裡に行われるべき調査である。ゾーイの知るところでは無かったが司令が相当な権限を与えられている人物であることは確かだった。メル司令はゾーイの労苦をねぎらい、一時的な調査の中断を指示し、カルにも連絡を取った。カルはメル司令から初めての任務として近日中行われる海底都市の監査の命を受けたのである。
カルがほほを紅潮させて自分の小屋に飛び込んで来た日、ゾーイはついにメル司令が準備万端整えたのだと知った。カルはW23にことづけられたメル司令からの「調査に関する指示」を受け取って大慌てで、その朝、W23と一緒にゾーイの所にすっ飛んで来たのである。
大海洋のある無人島の浅瀬で、銀河連盟の潜水艇がひそやかに「その時」を待っていた。操縦士以下、調査に関しても身体的な訓練も含め精鋭揃いの乗組員と科学者たちが潜水艦に乗っていた。
カルとゾーイは司令の指示に従い、その無人島に赴いた。連盟の一行は二人を潜水艦に迎え、そのまま海底都市へと向かった。常に沈着冷静なゾーイも胸の高鳴りを禁じえなかったほどである。テストゥードスの映像をまだ見ていないカルは、緊張しながらも未知の世界が開かれようとしていることにわくわくさえしてきた。
数十分後、海底都市の近くに潜水艦が到着した時、一行は一瞬、厳かな沈黙に包まれた。それもつかの間、全員がそれぞれの役割を正確にかつ迅速に果たすための配置に付いて司令からの指示を再び待った。
それからのことはまるで夢のようだった…カルはのちに、ゾーイに言ったものである。
「あれがまさに悪夢ってやつなのかもしれないと僕は、思ったよ…」
研究所のような「海底の都市」は、アルビスの若者たちを幽閉し、「偽りの夫婦」を作ったり、さまざまな臨床試験を施したり、新たな優秀な遺伝子を作り出すためのいわば実験施設であったのである。
内部に潜入した調査団たちは、「外部からの干渉」を全く予測し得なかったアルビスの科学者と権力者の一部を、比較的楽に制圧した…銀河連盟がここで使った武器や尋問については明らかにされてはいない。
とにかくそこには、自由を奪われ、もともとおとなしく逆らうことの殆どない人格を形成されているアルビス人達が、なぜ自分たちがここにいなければならないのか、それすら考えられないような殆ど無抵抗な状態で監禁されていたのだ。
調査団は100人の「看守」と900人の「囚われ人」の移動に取り掛かった。それは容易ではなかったが、彼らは手際良く、20程の比較的大きめの無人島に罪のないアルビス人900名を少しずつ移動させてから、残りの罪人どもを、海底都市の建物内の複数の部屋に幽閉し、厳重な監視体制を取った。
それからはとんとん拍子に事が運んだ。アルビスに対して、正式な「訪問」を銀河連盟の法を順守する機関の役人が求め、アルビスの国家はそれに応じた。そして海底都市での出来事についての「正確な説明」を要求し、厳しい尋問や証拠の提示によって、国家の要人たち…科学者や政治家たち一部の逮捕にこぎつける運びとなった…。
建国以来、連盟に属するまでに文明を発達させた惑星アルビスの、ひとつの凋落の姿がそこにはあった。そして問題はこれから先のことになる。
他の星のように、人々が生まれて生きるその形態を、その形を歪められたアルビスの人たちが本来のありようを取り戻すには、課題が山積していたし、ある程度の年月を費やさざるを得ないだろう。
そして未来へ
アルビスに対する、銀河連盟の追及の厳しさとその処置によって、その国家での非人道的な在り様が明らかになったことは、惑星アルビスにおいてのみならず、連盟に属する多くの星の者に改めて様々な課題を投げかける結果となった。
彼らは命について、それぞれの星での法と連盟の掲げる柱である倫理とを遵守することを誓って、それまで生きて来た…。当たり前に行っていることについて今一度考えるべきなのではないか。我が国家は大丈夫なのか。そのような疑問をさまざまな星の住民が自らに問うきっかけとなった。それはもしひとたび起こってしまったら、例えば星間戦争のように、治めなければならない病のようなものなのである。
カルは任務を終えて、ゾーイと共に休養していた。アルビスの科学者の手によって、惑星アルビス自体に人工的な処置がとられていたことも明らかになり、彼らの先祖たちがこの星に到着した時のような自然を取り戻すための一大プロジェクトも立ち上げられていた。人工的な海、作られた自然、遺伝子に対する歪んだ行為、それらが成されて既に数世紀になるという。
「これから、色々なことがもっと明らかになるのだろうな」ゾーイは家でカルとW23を相手に話をしていた。
「俺たち漁師が他のアルビス人と違っていたのは…いや、ここに辿りついたご先祖たちと殆ど変わらずにいたのが…科学者どもが、「純粋ではない血」を求めていたためだったとはな…」
漁師たちは定期的に健康診断を受けていた。その時採血検査に用いる血液から、科学者たちは遺伝子を取り出して保管し、「利用」していたのである。
「まあ、おかげさまで、と言うべきなのかな…」
カルは答えずにいた。ゾーイが答えを求めている訳ではないのが分かっていたからだ。自分がアルビス人であることによってこれからどうなるのかという不安を抱き始めて以来、ゾーイと巡り合い、気持ちを揺さぶられながらもここまでやってこられたのは、ゾーイのおかげだったと思うし、ゾーイと自分には深い縁があると思ってもいる。
「それで、我らが惑星アルビスを改革する仕事に本格的に携わることに決めたのかい?」ゾーイは尋ねた。
「うん、僕はアルビスに生まれたし、この星が少しでも良い方向に変わっていかなければいけないと思うんだ。だからこのまま、メル司令の下でもっと勉強して訓練を受けて、改革の役に立ちたいんだ。ゾーイはどうするの…?」
ゾーイはウィンクして答えた。
「勿論、俺もそのつもりさ。汚名返上と行きたいじゃないか?俺は漁師を続けたい。漁師という仕事に誇りも持っている、ただし、まっとうな海で漁師を営みたいんだ。アルビスの海も生物もこれからどんどん変わっていくだろう。そのためには多くの力が必要だ。俺も及ばすながら力を貸したい。連盟も協力を惜しまないと司令は言っているし、心強い話じゃないか」
ここでW23が二人を見やってから遠慮がちに言葉を発した。
「ワタクシもお二方のために、勿論ご主人はカル様に変わりありませんが、ロボットとして協力を惜しまないつもりです…これは押しつけになりますまいね?」
「勿論だよ、W!」カルが言うと、ゾーイも
「俺のことも主人と仰いでもらって構わないぜ、W23。押し付けなんてことは全くないしな」と言う。
W23は円形の頭を軽く下げてふたりに応えた。
カルの両親たちは、「改良」を加えられたアルビス人として連盟の施設にいる。カルはいつか二人に会いに行きたいと思う。メル司令は言っていた。
「場合によっては、記憶を消すことになるかもしれない。その覚悟もしてもらわねばならない…。でも君は…苦難を乗り越えられる人間だ…十二分にね。このことについては他には何も言うことはないよ。あとは君たちが、これからのアルビスを変えていくことになる。取り組むべき課題は山積しているが我々連盟も助力は惜しまないよ」
カルはその時、うなずいて頭を下げ、テレモニターのスイッチを切ったのだ。ゾーイに真実を告げられた時からさまざまな想像をしていたから、気持ちの整理もついていた。カルは思う。この星に生まれたことを不幸とは思っていないし、両親や産みの親のこともをうとんじる心持ちはまったく無い。自分はこれから、ゾーイやW23やたくさんのアルビス人たちと、この国を、この星を作り直していくのだと思うと心が震える思いだった。
「ねえ、ゾーイ。僕たちは同じ方向を向いて、そしていつまでも一緒に歩いていこうね」
「ははは、何だか、結婚の申し込みみたいだな」とゾーイがからかうように言う。それに笑顔で応えたカルはゾーイの家の窓から見える海を眺めた。
今見ている海は、もうあの時とは違っている。
後書き
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