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作品ID:636
こちらの作品は、「感想希望」で、ジャンルは「一般小説」です。
文字数約1146文字 読了時間約1分 原稿用紙約2枚
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隣のエターナルババア
作品紹介
あなたの隣にもいるかもしれない、不思議な存在。
春になると、思い出すことがある。
桜舞う春先に、夫と共にある場所へ向かいながら、学生時代の不思議な経験を回想していた。
その経験は、私が高校生だった時のことだ。
私の実家の隣には、不思議なおばあさんが住んでいる家があった。そのおばあさんは、私の母が実家で生まれた年に越してきたらしいが、その頃からおばあさんだったらしい。
この話は近所でも有名な話で、悪ガキからは「エターナルババア」と呼ばれていた。当の本人は不名誉な渾名をあまり気にする様子もなく、毎日散歩に出かけては、野良猫と戯れていた。
ある春の日、私が自転車で高校に向かっている最中、そのおばあさんが後ろから声をかけてきた。
元々隣近所であるため、軽い挨拶はしていたのだが、声をかけられたのは初めてだった。最初は自分に声をかけられているとは思わず、数回声をかけられてようやく気づいたほどだ。
私が自転車を止めたのを確認すると、おばあさんは私に耳打ちをした。
『私の孫をよろしく頼むよ』
「え、お孫さん?」
私が聞き返そうとすると、おばあさんの姿はもうそこにはなかった。
不思議に思いつつも時計を見ると、登校時間ギリギリになっていることに気づいた。私は自転車に飛び乗り、自転車を漕ぎ始めた。
そして、高校へ向かう最後の曲がり角で、転校生の男子生徒とぶつかる。
その後、その男性とは、紆余曲折を経て結婚することになるのだが、不思議だったのはその日以降、おばあさんの存在が消えてしまったことだ。近所の悪ガキの間からも、「エターナルババア」の話題は消えてなくなり、記憶からも完全に抹消されていた。
おばあさんの最後の言葉が気になり、夫に彼の祖母のことを尋ねてみた。すると、義理の祖母は両方、義父母を生むと同時に亡くなっており、夫の事を「孫」と呼ぶ老人もいなかったそうだ。
さらに不思議だったのは、夫が転校してくる前に、近所に「エターナルジジイ」の異名を持つ老人がいたそうだ。そのおじいさんも、同じことを言った後消えてしまったらしい。勿論、私を「孫」と呼ぶようなおじいさんはいない。
春先に現れた不思議な老人たちは、もしかしたら天国の祖父母が、夫との縁を取り持ってくれたのだろう。そうだとしたら、もっと感謝しなければならない。
そう思うようになってから、夫と出会った日は両家の祖父母のお墓参りは欠かしていない。今回、車で向かったのも、夫の祖母の墓がある墓地だ。
夫と共に、お墓の前で手を合わせる。今日は、2人ではなく3人で来ているのだ。お腹の子の声が義理の祖母に届くように、強く祈った。すると、風が舞いこんな声が聞こえたような気がした。
『お幸せに』
桜舞う春先に、夫と共にある場所へ向かいながら、学生時代の不思議な経験を回想していた。
その経験は、私が高校生だった時のことだ。
私の実家の隣には、不思議なおばあさんが住んでいる家があった。そのおばあさんは、私の母が実家で生まれた年に越してきたらしいが、その頃からおばあさんだったらしい。
この話は近所でも有名な話で、悪ガキからは「エターナルババア」と呼ばれていた。当の本人は不名誉な渾名をあまり気にする様子もなく、毎日散歩に出かけては、野良猫と戯れていた。
ある春の日、私が自転車で高校に向かっている最中、そのおばあさんが後ろから声をかけてきた。
元々隣近所であるため、軽い挨拶はしていたのだが、声をかけられたのは初めてだった。最初は自分に声をかけられているとは思わず、数回声をかけられてようやく気づいたほどだ。
私が自転車を止めたのを確認すると、おばあさんは私に耳打ちをした。
『私の孫をよろしく頼むよ』
「え、お孫さん?」
私が聞き返そうとすると、おばあさんの姿はもうそこにはなかった。
不思議に思いつつも時計を見ると、登校時間ギリギリになっていることに気づいた。私は自転車に飛び乗り、自転車を漕ぎ始めた。
そして、高校へ向かう最後の曲がり角で、転校生の男子生徒とぶつかる。
その後、その男性とは、紆余曲折を経て結婚することになるのだが、不思議だったのはその日以降、おばあさんの存在が消えてしまったことだ。近所の悪ガキの間からも、「エターナルババア」の話題は消えてなくなり、記憶からも完全に抹消されていた。
おばあさんの最後の言葉が気になり、夫に彼の祖母のことを尋ねてみた。すると、義理の祖母は両方、義父母を生むと同時に亡くなっており、夫の事を「孫」と呼ぶ老人もいなかったそうだ。
さらに不思議だったのは、夫が転校してくる前に、近所に「エターナルジジイ」の異名を持つ老人がいたそうだ。そのおじいさんも、同じことを言った後消えてしまったらしい。勿論、私を「孫」と呼ぶようなおじいさんはいない。
春先に現れた不思議な老人たちは、もしかしたら天国の祖父母が、夫との縁を取り持ってくれたのだろう。そうだとしたら、もっと感謝しなければならない。
そう思うようになってから、夫と出会った日は両家の祖父母のお墓参りは欠かしていない。今回、車で向かったのも、夫の祖母の墓がある墓地だ。
夫と共に、お墓の前で手を合わせる。今日は、2人ではなく3人で来ているのだ。お腹の子の声が義理の祖母に届くように、強く祈った。すると、風が舞いこんな声が聞こえたような気がした。
『お幸せに』
後書き
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