「ただいま・・・」

私は暗い家に独り、帰ってきたと告げる



「おかえりー」

なんだ、暗いから誰もいないと思っていたのだが・・・

「なんだ、いたんだ」

と冷たく言うと

「別にいても良いだろ、姉さんだけの家じゃないんだから」

と苦笑気味にいい

「荷物、持つよ」

と静かに言った

正直に言うと残念ながらこいつを弟とは思ってはいない

そんな事が伝わったのだろう

少し、ほんの少し、寂しそうな顔をしていた

「別に大丈夫よ、気にしないで」

またも冷たく言い放つ

そんな事に耐えられる人間は、少ないだろう

私は奥へと歩き出した

そんなときだ、後ろから声が聞こえてきた

「なぁ、姉さん。俺たちって本当の兄弟じゃないって知ってる？」

以外だった

そんな事を言うなんて

「知っているよ・・・そんなこと」

私は彼に背を向けたまま、冷たく、どうでも良い事のように言う

「俺には、どうでも良い事じゃないんだよ」

そういう彼に

「そう」

と受け答える

なんだか、いやな予感というものがするのだ

次の言葉で、その予感が当たったことがわかった



「俺、もう我慢できないんだ！あんたにそんな態度されるの！だって」









「あんたのことが好きなんだ！」