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作品ID:124
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ふしじろ もひと 


桜の鬼

小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 完結

前書き・紹介


意に沿わぬ事

前の話 目次 次の話

 桜火が去っていった方向を呆然と見やる咲。

「では咲、お前の部屋に戻っていなさい」

「……」

 呆然としたままだった咲は近くの村人たちが引きずっていった。



「……! …………!」

「…………! ……!」



 布団に倒れこんでいた咲は顔を上げて、聞き耳を立てる。

「娘も戻ってきたことだしちょうど良い」

「この時のために都に人をやって特殊な言霊を彫った刀やらを仕入れてきたんだからな」

「あの鬼がいるせいで山は年中春のようだが、うちの村は酷い凶作だ」

「眠っているところでも襲って……」

「いや、桜の木を倒したほうが早いじゃろうて」

「じいさん」

「あの桜の木とともにあったからこそ、鬼は鬼であったのじゃ」

「焼いてしまうか」

「いいんじゃないか? あんな気味悪い桜なんか焼いちまったほうが世の中のためだ」

「同感だな」



「な、桜火を討つつもりか……!」

 ――あんな事を言われてもまだ桜火を信じる?

「当然だ」

 ――そう

「……って誰だ!」

 小声だが、声を荒げる咲。

 ――私は櫻。桜火が好き?

「櫻……桜火と一緒のあの桜?」

 ――ええ。今日は満月。少しだけなら話せるの。

「うわー……」

 ――明日の夜にも決行する気でしょうね。貴女はどうするの?

「も、勿論桜火を助ける」

 ――彼は強いわ。それでも?

「ああ。恋する乙女は怖いと良く言うだろう?」

 ――……そうね。ああ、人が来る……。また、桜火と貴女が会えるといいわね……。



 どたばたと騒がしく先の部屋に近づいて、思い切り障子を開け放つ咲の父。気時がぶつかる激しい音が一瞬響き、収まる。

「くくく……明日の夜お前の婚礼の儀がある。支度をしておけ」

 そう言い放つと、障子を開け放ったまま立ち去っていった。



「な、婚礼、だと? ……ふざけるな! ふざけるなよ! 私は、絶対に、結婚なぞしない!」

 静かに怒る咲。ここで大きな声を出してしまっては本末転倒だ。

「どうやってでも良い、桜火に伝えられたらいいのに……くそっ」



 月は静かに天に浮かんでいた。

後書き


作者:久遠
投稿日:2010/01/21 17:14
更新日:2010/01/21 17:14
『桜の鬼』の著作権は、すべて作者 久遠様に属します。

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