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作品ID:129
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桜の鬼

小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 完結

前書き・紹介


元ネタ

前の話 目次

夜桜の下



奏でる旋律



甘き睦言



貴方は桜の鬼よ



どうかこのまま夜明けまで



願わずにはいられない







桜よ







夜に咲き誇る鮮やかな花よ



どうか夜をとどめておくれ



どうかこの時を凍らせておくれと願いたい



血で固められたこの口ではもう声に出して願うことは出来ないけれど――



心の中で願おうぞ







この鮮やかに咲き誇る小さな命



桜の根元に咲き誇る



鮮やかな真紅のリンドウよ



今私から流れ堕ちる



真紅の雫を食らったリンドウよ



どうか永久に





次の私が



まみえるまで



どうかこの方を守っておくれ



孤独なこの方を信じておくれ



癒えぬ傷を負ってしまうこの方を



どうか慰めてさしあげて





いつかまた



私がここに来るまで









――もう『私』はこの世から消えてしまうのだから



どうか――





紅き紅きリンドウよ



暗き暗き夜桜よ







私を食らいて



次の私を生んでおくれ



真紅の花が咲いたときこそ



私が起きるその時よと



この血を媒介に



桜の鬼に伝えておくれ――

後書き


作者:久遠
投稿日:2010/01/21 17:28
更新日:2010/01/21 17:28
『桜の鬼』の著作権は、すべて作者 久遠様に属します。

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