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作品ID:136
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炎に従う〈はずの〉召喚獣

小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 完結

前書き・紹介


生体コンピュータの油断。

前の話 目次 次の話

 一台のコンピュータ・モニタに反射する緑色の目が細められた。



 「攻撃開始許可」

 「攻撃開始許可。パターン想定。想定パターン数・14。尚、全てのパターンにおいて前線指揮は生体コンピュータ・リルディアが行う」

 いつでも送受信可能な私の体はところどころ弄られているらしい。



 「最初の執行パターンは6。四区画に分け、それぞれ一区画につき一つのグループがつくこと。尚、相手が攻撃態勢に入った場合、即座に近距離戦は中止。そこでパターンを切り替えるものとする」

 オーティス。私に送信された情報は、熱源はオーティスのものだと証明していた。

 何故? フォーススフィアを警護するこちら側に私が居る以上、戦術では勝てない。もしかしたら能力でも勝てないかもしれない。

 なのに何故、今更戻ってきた? しかも対召喚獣戦を止めた少年まで連れてきて。



 「パターン6.決行。前線に投入する召喚獣は4体。それ以上は投入不可。これよりパターン6.のデータを送信する」

 オーティスたちを迎え撃つのには理由がありすぎた。何せ、オーティスは無属性。それとフォーススフィアに人間を連れてくることは不可能。それを可能にしようと? 無理な話。どんなにもがいたとしても、私はオーティスを撃墜させてもらう。それに巻き込まれた人間が居るのも関係ない。



 「送信完了。送信所要時間・12秒」

 何故、私はオーティスを倒さなくちゃならないのだろう。でも分かる。オーティスはフォーススフィアに居てはいけない。此処に居たらオーティスも。

 いいや。今はオーティスタクティスという召喚獣とそれに随伴している人間の子供……少年をフォーススフィアに入れさせない事だけ。そして私はフォーススフィアを警護し、前線を指揮する役目がある。それを終わらせたあとでも考える時間はいっぱいある。

 時間は、あるんだから。それに頭を働かせるのだけは得意なんだから。



 「召喚獣発生熱源はオーティスタクティスのもの。この時点でオーティスが無酸素空間を相手にエネルギーの塊で自らの身を護っていない、というのは考えがたい。よって遠距離射撃を行い、周りのバリアの一角でも緩んだとき一気に近距離精鋭を叩き込む。狙うはオーティスの翼。あれがなくなればもうあちら側には飛行能力はない。翼を重点的に。だが、それだけを狙っていると思われてはダメだ。だから、区画1に居るグループが召喚獣一体に乗り、味方に危害がない範囲で銃撃」

 これらがパターン6.の基本内容。そしてこれから想定パターンの14個を駆使して、オーティスたちを狙う。



 「……オーティスたちがこの場合、とる行動はパターンに置き換えると3.あたりが楽? いや、でも相手の行動を予測しすぎるのはよくない。だから今は状況を見守るべし」

 〈遠距離射撃開始から3分経過。相手側はこちらに対し攻撃態勢〉

 「なら、相手の攻撃を回避しつつ、地面に叩き落として。……やっぱり3.か……各グループに告ぐ。これよりパターン6.から3.に移行。データ送信。コンプリート。データにある陣形をとり、一区画に居るグループは他の三区画をサポート。四区画のグループはサポートを受けつつ、想定される攻撃を全て受け流して。受け流しの方法は問わない」

 指揮官の肩書きは重い。とてつもなく。そしてその指揮がよければよいほど。重圧は自分の意思とは関係なくその重みを増していく。

 正直、私はこの指揮官という肩書きを捨てようかとも思ったことがある。だけど全世界において最新鋭の生体コンピュータ。そんなのを手放すほど私が居る所は甘くない。それぐらい分かっている。だから少しの辛抱。まだ私には希望があるから。



 「パターン3.執行。作戦決行時間から5分経過。フォーススフィア到着まで残り、3時間」

 〈オーティスタクティス、飛行能力ダウン。予定よりも少々フォーススフィア到着時間が遅れる〉

 モニタを見れば確かにオーティスの速度が落ちている。



 「地上に叩き落とすまでこちらが推測した所要時間は7分。できる?」

 〈7分……勿論、とまでは言わないがリルディアにはリルディアで何かパターンがあるんだろ? しかも先ほど述べた推定パターン、14個とは別に〉

 「その声と通信から推測するに、フェクト?」

 〈おー〉

 「間抜けな声、出している暇があるなら一区画のグループを支えるリーダとしてちゃんとやって。因みに、貴方だけ。オーティスに銃撃を浴びせてないのは。まあいいか。……一区画グループに告ぐ。これよりあなた達だけのパターンを変更。他の三区画はパターン3.続行。一区画グループのパターン情報、送信」

 〈はわー。まるで挟み撃ちじゃん……〉

 「そう。だけど、ちゃんと戦術になってると思う。一応使えるかな? レベルにまで上げといたから。このアルファドット」

 〈リルディア+アルファドット、かぁ。一見すると楽そうだけど、リルディアと俺の役目が多い……〉

 「頑張って。一区画グループ、パターンアルファドット、決行」

 アルファドット。リルディア指揮のもと、今までの想定パターンを組み込み、柔軟性に優れた新たなるパターン。因みに言うと、このアルファドットはリルディアが計画し、まだ使えないレベルから一応使えるかな? レベルまで上げたのもリルディア。



 「アルファドット、作ってて疲れた……」

 思い返せば、アルファドットを作り始めて10日間。ずっと寝ていなかった。



 〈リルディア。平気?〉

 「あ。キュリス……うん。それよりも、オーティスの速度がかなり落ちてきてる。これじゃ地上まで落ちるのも時間の問題かな」

 〈ううん。そうでもないんだよね。私が肉眼で見ればまだオーティスの周りにはエネルギーの塊が存在してる〉

 「なら油断は禁物か。結構な長期戦になるからキュリス、覚悟しておいて。あと急に変更になるかもしれないけど、ってフェクトに言っておいて。フェクト、パターン執行中はかなり真剣で送受信機も切っちゃっているから」

 〈オーケー。でもリルディアも頑張って〉

 「有難う」

 アルファドット決行から6分。



 そのときだったか?

 オーティスの中から黄色い閃光が各グループに降り注いだ。

後書き


作者:フェクト
投稿日:2010/01/29 19:04
更新日:2010/01/29 19:04
『炎に従う〈はずの〉召喚獣』の著作権は、すべて作者 フェクト様に属します。

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