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作品ID:1369
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ドライセン王国シリーズ:滔々と流れる大河のように(冒険者編)

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前書き・紹介


第四章「シュバルツェンベルク」:第5話「迷宮内の冒険者たち」

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第4章.第5話「迷宮内の冒険者たち」



 十五階のボスであるシルバーウルフを倒し、隣の転送室に移動した。ここで仕切り直すため、休憩と昼食をとることにした。



 十五階制覇まで約五時間半を費やした。

 ペース的には悪くないのだが、十六階以降の方が当然難易度は上がるため、時間はもっと掛かるだろう。



(十二時間では無理のようだな。夕食に間に合わせたかったんだが……)



 山シギ亭の夕食は二十時まで、このままでは酒場で夜食をとるはめになる。



 三十分ほど休憩し、十六階に降りていった。

 この階から出てくるコボルトウォーリアとは五階のボス部屋で既に戦っており、一匹であれば全く問題なかった。

 十七階に降りるとコボルトウォーリアとコボルトアーチャーのコンビが現れた。



  コボルトアーチャー:

   コボルトの稀少種。弓と短剣を使うことができる

    HP300,AR8,SR2,DR2,防御力5,獲得経験値25

    弓(スキルレベル10,AR30,SR10,レンジ50)

    片手剣(スキルレベル5,AR30,SR10),アーマーなし



 コボルト側はこちらを見つけると、ウォーリアが前に進み、アーチャーがその十mくらい後ろからついてくる。



 シュ!という音と共に目の前を細い矢が通り過ぎていく。

 アーチャーが射程に入ったと判断し、撃ってきたものだ。その弓はショートボウより更に小さい鳥撃ち用の弓で矢の勢いは弱く、防具で充分防げる。だが、顔、首など防具で守られていない部分に当れば、ケガをする可能性は十分ある。



 どうやって連携しているのか判らないが、前に立つウォーリアは後ろのアーチャーが攻撃するタイミングが判るようで、矢が放たれるたびに体を射線から外してくる。



 盾を持っているか、二人以上のパーティであれば、ほとんど問題にはならないのだろう。

 だが、俺のようなソロは矢を防ぎながら、ウォーリアの攻撃を捌かなければいけないため、なかなかウォーリアを仕留められない。



 アーチャーの矢が放たれた瞬間をシュ!という音で感じ、回避する。

 次の瞬間、ウォーリアに上段からの強烈な斬撃を入れる。

 肩口から脇腹に掛けて切り裂かれ、「キァゥン!」と犬が泣くような情けない声を上げたコボルトウォーリアはその場で白い光を放ち、消えていった。



 残りはアーチャーのみ。

 矢を避けつつ接近し、短剣を抜かせる間も与えず斬り殺す。



 俺はこの鬱陶しい飛び道具に対する作戦をどうするか考えながら、進んでいく。

 ウォーリアを無視して一気にアーチャーに接近するのが一番よさそうな気がし、次の戦いで実行しようと頭の中で戦闘をイメージする。



 十八階に降りると、コボルトウォーリア、コボルトアーチャー、コボルトシャーマンのトリオが出てきた。



  コボルトシャーマン:

   コボルトの稀少種。属性魔法を使うことができる。稀に治癒魔法も使う。

    HP300,MP300,AR8,SR2,DR2,防御力5,獲得経験値35

    火属性魔法(ファイアボール,AR100,SR40,レンジ50,消費MP100)



 十七階と同じようにウォーリアの後ろにアーチャーとシャーマンが並ぶ。

 ウォーリアは短い足を必死に動かし、俺に取り付いてくる。

 アーチャーが矢を放つ横でシャーマンが詠唱を開始している。



(まずい! 魔法だ! 回避できるか!)



 今までファイアボールを散々敵に撃ち込んできたが、撃たれるのは初めてだ。



 ウォーリアの攻撃を捌きつつ、ウォーリアの首に強烈な横薙ぎの一撃を打ち込む。「キァゥン!」という鳴き声を上げ、ウォーリアは消えていく。



 その間にもアーチャーからの矢が飛んでくるため、後衛に接近する前にシャーマンの魔法が放たれる公算が大きい。俺は放たれたファイアボールを回避する選択をした。



 シャーマンが直径十五cmくらいの火の玉を俺に向かって飛ばしてきた。



 俺はそのファイアボールを見て、思わず「遅っ!」と口に出してしまった。

 飛んでくるファイアボールは時速百kmくらいの速度でバッティングセンターの初級者用のボールと同じくらい。バットに当てるならともかく避けるだけなら、ほとんど問題にならない。



(この程度のスピードなら十m離れていれば確実に回避できる。一発撃たせた上で接近、切り倒す作戦が一番有効だろう)



 ファイアボールを回避し、アーチャーの放つ矢を剣で叩き落しながら、シャーマンに接近。防具もなく、素手のシャーマンは必死に後退しようとしている。



 俺はアーチャーを袈裟懸けにして切り倒す。「キャウン!」と鳴いた後、アーチャーが光になって消えていくが、それを無視し、更に距離を取ろうとしているシャーマンの背中に接近、背中に突きを入れて仕留める。

 シャーマンも「クゥゥン!」という情けない声を上げながら、光となり消えていった。



 アーチャーの放った矢が防具の所々に刺さっているが、幸いすべて革鎧で防げており、ケガは無い。



(アーチャーの矢が鬱陶しいな)



 シャーマンがいる時にはシャーマン側を気にする必要がある。

 目に当ったら大変だし、太ももに当っても機動力をそがれる。ウォーリアをさっさと無力化し、シャーマンに魔法を撃たせ上で、一気に接近する作戦で行くことにした。



 その後、十八階で数回戦うが、やはりアーチャーの攻撃が防ぎきれず、攻撃を二回食らってしまった。



(矢を打ち落とす練習がいるかな?)



 コボルトアーチャーはおもちゃに毛が生えたくらいの弓だが、もっと強い弓で撃たれたら打ち落とすのは難しいだろう。やはり魔法で先に倒しておく方がいい。



 十九階に降りていくと、初めて自分以外の冒険者を見つけた。



 五人のパーティで四匹のコボルト(ウォーリア二、アーチャー、シャーマン各一)と戦っている。

 冒険者たちは十五?十六歳の少年たちで、鑑定で確認するとレベルは十くらいだった。盾を持った片手剣使いが二人と両手斧を持った大柄の少年、ロングボウを持った弓使いに治癒魔法の使い手までいる。

 見ていると片手剣の少年二人が盾でアーチャーの矢を防ぎ、斧使いがウォーリアにダメージを与えていっている。

 弓使いはシャーマンに攻撃を集中し魔法を撃たせないようにしている。

 治癒魔法の使い手も木製のクラブでウォーリアを牽制している。



 メンバー的にはバランスがいいし、攻撃の仕方も悪くない。だが、なぜか意外と梃子摺っている。という印象を受けた。



 手を出すのも悪いので、更に鑑定を使って確認すると、武器のスキルが低いことに気付いた。

 片手剣使いが八と九、斧使いが七、弓使いが十、治癒師が片手槌五しかない。

 治癒師の片手槌のレベルが低いのは仕方ないとして、前衛の三人のスキルレベルが低すぎる。



(訓練していないのかな? この程度だと二十階までは無理だろう。ここから十五階まで戻るのかな?)



 見始めてから十分ほどでようやくコボルトたちを全滅させたので、声を掛けてみた。

 できるだけフレンドリーに「お疲れさん。なかなか強いね」と声を掛けるが、



「誰だ、あんた。俺たちは大した金も装備も持っていないぞ」



と思いっきり警戒されてしまう。



 俺はこの世界でもPK(プレイヤーキル)みたいな行為があるのだろうかと考えるが、少年たちが警戒しているので、



「いや、すまん。名乗りがまだだったな。俺の名はタイガだ。ソロでここまで来たら、君たちが戦っていたから少し見学させてもらったんだよ」



「ソロなのか……俺の名はケヴィンだ」



(なんか、気負っていると言うか、肩肘を張っていると言うか。若いから舐められないようにとか思っているのかねぇ。あまり係わり合いになるのも面倒だから、さっさと先に行かせて貰おう)



「それじゃ、先に行くわ。気を付けてな」



と言って、ケヴィンたちのパーティから離れる。



 一瞬殺気のようなものを感じ、振り向くとケヴィンたちが襲い掛かってきた。



「冗談はやめてくれ。お前らに恨みを買うようなことはしていないはずだが」



「うるさい! お前の装備は俺たちのよりかなりいい。それなりに金も持っていそうだから全部頂く。この迷宮の中で殺してしまえば証拠は残らないからな!」



 俺はその言葉に取り付く島はないと考え、



「問答無用かよ。そっちがその気ならこっちもそれなりの対応をさせてもらうぞ」



と少し凄みを利かせて相対する。



「ソロでここまで来る力があっても五対一だ。おとなしく死んでくれ!」



 こんな状況になるとは思っていなかったので、



(なんだこの状況は。いきなりPKなんて聞いていないぞ。帰ったらミルコに抗議しよう)



 この程度の相手なら、魔法を使えば問題なく倒せるため、余裕があった。

 俺は剣を床に落とし、素早くファイアボールを唱え、両手斧使いに向かって放った。

 前衛三人は俺を逃げられないようにするためか、通路幅一杯に広がっており、斧使いはファイアボールを避けられない。



 斧使いのチェインメイルはファイアボールに対して防御力を全く有しないため、斧使いは胸にファイアボールを受け、転倒する。



「こ、こいつ、魔法を使うぞ!」



「くそ、ただの剣士じゃなかったのか!」



 ケヴィンともう一人のロングソード使いは、突然魔法を使われたことに狼狽し、前進するスピードを緩めてしまった。

 俺は「こいつら人間相手の戦いに慣れていないな」と思いながら、すぐにファイアストームの呪文を唱え始めた。

 その姿を見て、魔法の威力に恐れを生したケヴィンは、



「お、おい、冗談だよ。本気になるなよ。な、なあ、今ならギルドに黙っておいてやるから、ここで手を引かないか」



 俺は正直どちらでもよかったが、冒険者同士での殺し合いは禁止されていることを思い出し、一瞬、手を引こうかと考えたが、このまま手加減すれば、再度攻撃を仕掛けられるのではないかと疑う。

 面倒になってきた俺は「ここは一気に始末してしまおうか」と黒い考えが過る。

 こちらが立ち止まっていることを手打ちの条件が悪いと勘違いしたのか、ケヴィンが、



「悪かったよ。金なら渡すから、怒りを納めてくれよ」と言って、小さな皮袋を投げてよこした。



「そっちが先に手を出してきたんだ。覚悟の上だろう」とできるだけ低い声で呟く。



 ケヴィンたちは恐ろしくなったのか、口々に、「助けてくれよぉ!」、「済まなかった!」、「何でも言うことを聞く!」、「殺さないでくれ!」と泣き叫ぶ。



 あまりの情けなさに手を下すのを躊躇い、



「お前らの安もんの装備やこんな端金はいらないんだよ。ここで俺に会ったことを黙っていられるか。魔法が使えることもだ。それが約束できるなら、殺さないでおいてやる」



「判った。なんでも言うことを聞くから、ここで会ったことは誰にも言わない。魔法が使えることも黙っているから、助けてくれ」



 気絶している斧使いを除く四人は這いつくばって懇願する。



 我ながら甘いなと思いながら、「このまま放っておいても迷宮から出られないだろう」と、五人を無視して迷宮の奥に進もうとした。



 その直後、「バシュッ!」という音と共に左太ももの後ろに強い衝撃を受け、激痛が走る。俺はそのまま壁を背にして倒れこむ。

 弓使いが俺の背中に向け、矢を放ったようだ。



「背中を向けるお前が悪いんだよ。さっさと武器を捨てな!」と弓使いが勝ち誇っている。



 すでに勝った気でいるのか、追加の攻撃がない。

 この隙に、俺は座ったまま太ももに刺さった矢を引抜き、素早く治癒魔法を掛け、立ち上がった。



 弓使いが気付き、矢を放ってくるが、焦っているのか避ける必要もないくらい大きく外していく。



「自分で死刑執行書にサインをしたな。さて、誰から殺されたい」と俺は怒りを抑え、できるだけ低い声で言い放った。



 ここに至り、四人も覚悟を決めたのか、武器を手に襲い掛かってきた。

 弓使いの放つ矢が一番厄介だが、前衛が邪魔になり、絶えず動いている俺になかなか照準が合わせられない。

 俺はケヴィンともう一人のロングソード使いの利き腕を狙って剣を繰り出す。

 二人とも盾で攻撃を防ぐものの、コボルト戦のダメージが残っていることと俺の斬撃の強さで体が大きく揺れている。

 数回、盾を切りつけると完全に防御に回ってしまい、少しずつ後退していく。



 このまま盾を切りつけていても仕方が無いので、ミルコに習ったフェイントを織り交ぜ、前衛二人の足を攻撃。あっけなくフェイントが決まり、二人のつま先、膝を切り裂くと、二人は相次いで転倒。これで前衛の戦闘力はほぼ無くなった。



「来るな! 来るな!」



 前衛二人が倒れたことで弓使いの攻撃が激しくなるが、ロングボウの扱いに慣れていないのか、もたもたと矢を番えるため、連射速度が遅い。



(遅い!)



 ベッカルト村のギル、マックスのパーティのニックやシリル、カスパーのパーティのアルフォンスなど優秀な弓使いを見ていたため、手際が非常に悪く見える。



 ダダッと十mほどの距離を二秒ほどで駆け抜け、弓使いを肉薄し、攻撃を加える。

 弓使いも護身用にショートソードを装備しているが、頭が回らないのか剣を抜くことも忘れ、俺の斬撃をロングボウで受けようとする。

 だが、所詮細い木の棒である弓ではディルクのツーハンドソードを受け止めることはできない。



 俺の剣は弓を叩き切り、勢いを失うことなく、弓使いの左腕を切り落とす。弓使いは左腕を押さえ、床を転げまわっている。



「あぁぁ……」



 治癒師はクラブを持っているものの、攻撃の意思を見せることも、命乞いをすることもなく、立ちすくんでいる。

 殺す価値もないから、クラブだけ叩き折っておき、



「後は好きにしろ。運がよければ迷宮の外に出られるだろう。ギルドにはキチンと報告しておいてやるから、楽しみにしておけ」



 そうは言ったものの、この五人が生きて出られる可能性はほとんどない。今までの戦いの音を聞いて、コボルトたちが近寄ってきているはずだ。



 俺は彼らのことを少しだけ考えていた。

 もし今回俺が彼らを逃がしたとしても、いつか同じようなことを起こしただろう。それとも盗賊に身を落としたのかもしれない。どちらにしても迷惑にしかならないなら、ここでいなくなってくれた方が、世の中のためだ。



(この無駄な戦闘で随分魔力を浪費してしまった。二十階は大丈夫かな)



 既に五人のことは意識の中からほとんど消えていた。何事もなかったのように十九階を進んでいく。



「助けてくれぇぇ」



「来るなぁぁ!」



「ギャアァァァ!」



 一、二分後、後ろの方で五人の悲鳴が微かに聞こえてきた。



 俺はコボルト達と戦うのが面倒だったので、「五人の方にコボルトが寄ってくれると助かるな。もう少し手加減しても良かったかな」などと、我ながら悪辣なことを考えながら、更に進んでいった。



 十九階では三回戦闘をこなすが、シャーマンに気を付けてさえいれば、コボルトウォーリア二匹をミルコ直伝の複数同時攻撃の型で倒してしまえるので、ほとんど無傷で四匹を倒せる。



 ようやく二十階に到達。

 コボルトウォーリア三匹、アーチャー一匹、シャーマン一匹のコボルトパーティもシャーマンに魔法を撃たせておいて、前衛三匹を複数同時攻撃の型で斬り殺し、その後一気に後衛を斬り倒すパターンで次々に倒していく。



 しかし、なかなかボス部屋にたどり着かない。

 既に十五階で休憩をしてから五時間半。時刻は十八時半を越えていた。



(集中力が切れてき始めている。一度休憩を取ろうかな)



 休憩場所を探すのも面倒だったので、少し大胆だが、通路の真ん中で休憩を取ることにした。

 休憩し始めて五分もしないうちにコボルトたちの気配がする。

 逃げるのも面倒なので、いつものパターンで勝負を決め、そこで休憩を再開する。

 どうも二十階と相性が悪いようで、休憩中の十分の間に更に二回の攻撃を受けた。

 面倒になってきたので、休憩を諦め、ボス部屋を探すことにした。



 更に三十分歩き、五回の戦闘をこなした後にようやくボス部屋の入口を発見する。



(五分だけ休憩してから、ボス部屋に入るか。魔力もファイアボールなら五発くらい撃てるから、魔法も併用してさっさと帰ろう)



 ボス部屋に入ると、コボルトキングがいた。

 見た目はコボルトを大きくし、少し腹が出て、太った大型犬が防具を着け、棍棒を持って立ち上がっている感じだ。



  コボルトキング:

   コボルトの最上位種。属性魔法と棍棒を使う。

    HP600,MP600,AR25,SR5,DR5,防御力30,獲得経験値100

    火属性魔法(ファイアボール,AR150,SR70,レンジ100,消費MP200)

    片手棍棒(スキルレベル10,AR50,SR30)アーマー(スキル5,50)



(気を付けるべきはファイアボールだけだな。まあ、撃ち合いになってもこちらのファイアボールの方が強力だから問題は無いか)



 キングと付いても所詮コボルト。さほどの脅威ではない。

 コボルトキングがファイアボールの呪文を唱え始めたので、こちらも剣を置き、ファイアボールを唱え始める。



 消費マナを抑えたので、俺の方が先に発動させることができる。この辺りは応用力の無い魔物の弱点だと言えるだろう。

 俺のファイアボールがコボルトキングの腹に命中し、コボルトキングの呪文は中断。

 俺は再度呪文を唱え始めると、コボルトキングが重そうな体をゆすりながら棍棒を振り上げ、突っ込んでくる。



 太った大型犬がドコドコ走っているように見え、コミカルな感じに、つい笑いそうになる。

 振り回している棍棒は、コボルトの体には大きすぎる感じがするが、軽がると振りましているようにも見える。

 俺も剣を拾って、迎撃体勢に入った。

 接近戦に入るとこちらの攻撃が面白いようにあたり、あっという間に決着が付いてしまった。



(コボルトはコボルトということか。飛び道具を持っていればそれほど脅威のある敵では無いな)



 魔石を拾い、宝箱を開ける。宝箱には銀貨が五枚入っていた。

 さすがに慣れたが、このガッカリ感はどうにかならないものだろうか。



 朝七時に迷宮に入り、十三時間。現在二十時。

 ようやく迷宮を出ることができた。



(今日はもう遅いので、魔石の換金は明日にしよう)



後書き


作者:狩坂 東風
投稿日:2012/12/25 21:16
更新日:2012/12/25 21:19
『ドライセン王国シリーズ:滔々と流れる大河のように(冒険者編)』の著作権は、すべて作者 狩坂 東風様に属します。

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