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作品ID:151
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月にはウサギを僕には小指を。

小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 連載中

前書き・紹介


第1章 迷子、三日月島、妖精の円舞曲(ロンド)

目次









「……ふぅ」

 さくさく、がさがさ。

 僕は、山の中を歩いていた。連れはいない。ソロでのピクニックというわけである。

 天に向かってまっすぐ目一杯背伸びをしている樹、中には捻くれた背伸びをしているのもちらほら……。

風は実に心地よい春の温もりを相棒に木々の間を踊り抜け、底が見えるほどに透き通った川の水は、飲んでも全然大丈夫に思える。荒削りな岩や剥き出しの根に足をとられながらも、苦労して大陸を行脚した行商人やキャラバンに思いを馳せる。

 ほぅ、と一息つく。近くにあった横倒しにされている大木に腰掛け、空を見上げる。文句なしの快晴だ。

「いや?、山っていうのも最高だな?」



 僕が只今遭難中という致命的な事実を除けば、だ。



後書き


作者:長官
投稿日:2010/02/19 20:08
更新日:2010/02/19 20:08
『月にはウサギを僕には小指を。』の著作権は、すべて作者 長官様に属します。

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