作品ID:1764
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言葉とその力
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 連載中
前書き・紹介
波乱の場に救いの女神? 過去編5
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この女性の幼さが見える丸顔《どうがん》に似合わぬ知識を醸し出している感じもまた幻悟少年の親類たちに威圧を与えているのかもしれない。
「………………」
この異様な雰囲気が伝わってくる中で彼は取り残されるように会議室の隣に部屋で立ちつくしていた。 会議室内では先ほどの女性と誠実さがウリの警官が彼を養育するための手続き方法まで話をまとめている。会議室の話し声がなくなったかと思うと不意に彼のいる部屋のドアが開いた(大人の醜みにくい言い争いを見せないための措置そち)
そして、彼は部屋に入ってきた女性に優しく手を握られる。
「私と一緒に新しい家にいきましょう」
幻悟少年の親類たちはやけに晴れ晴れとした表情で彼に向って厄介払いが出来たとばかりに手を振ってきた。そして彼は、警官の方から事情説明を聞き、研究所の女性に連れられてこの場を後にする。
そして、彼は『能力開発研究所』なる場所まで誠実さがウリの警官にそこまで連れて行ってもらった。到着したその建物はどういう訳か知る由がないが、壁や床などが全体的に清潔なイメージがする白ばかりという外観であった。今も一緒にいる研究所の女性は、彼が警戒心を抱いているのを感じ取ってか苦笑いを一瞬だけしたかと思うと幻悟少年に優しく話しかけてくる。
「さぁっ、これからはここもあなたの居場所よ」
彼はまだ虚うつろな表情で黙り込んでいる。
「私はキミが感じている疑問に対する解決情報をキミに伝えたいと思うの。聞いてくれる?」
その女性が聞いてきた問いに、彼は答えられなかった。激しく押し寄せてきた悲しみにひたすら耐えるのに必死だったからだ。
「大切なことだからこれだけでも聞いて。あなたの≪言葉の力≫についてのこと」
幻悟少年はその言葉に敏感な反応をする。そして自分の疑問を解決することを願う本能のまま、質問を繰り出す。
「ねぇっ、僕のお父さんとお母さんはどうしちゃったの? お父さんは何で僕の目の前であんなことをしたの? <<言葉の力>>って何なの?」
彼の質問からは全て悲痛な叫びを帯びているように感じとれた。研究所の女性は、彼の疑問に対する答えを分かりやすく教える。
「あなたのお父さんとお母さんは幻悟君の言葉の特殊な力の影響であんなことになってしまったと思うの。つまりは君に宿っている能力には無念を抱いて亡くなった人達とかの言語の力が無数の束になって備わっていると考えられるのよ。他の原因もありそうだけど今は分からないわ」
研究所の彼女は、説明の分かり辛さを反省しつつ、幻悟に理解できたか聞いてみた。彼が遠慮えんりょがちにうなずいているのを肯定していると受け取り、話を続ける。
「君に言葉の特殊能力を教える一例として、あなたのお父さんの行動を挙げるわね。君のお父さんは君の<<言葉の力>>が心に影響を与えて精神が不安定になり死への感情が衝動的に強制発生させられたと考えられるわ」
彼は理解したい気持ちが強くなり、幼い頭脳を懸けん命に働かせていた。しかし今、理解するには知識量が足りない。
「まだ無理して分かろうとしなくても平気よ。理解できる日は必ず来るから。それよりも今はこの研究所にいる人達を紹介してあげる」
研究所の女性は研究者全員を呼び出し始めた。全員が集まった所で紹介を始める。
「まずは私から紹介するわ。私は最高責任者の当座とうざ美奈子っていうの、覚えといてね。それから左端の大きいお兄さんが三田翔二さんで、右端の色白なお姉さんが真田雪さん。私の隣にいるお姉さんは沢本奈津希さんよ。今ので分かったかしら?」
幻悟は今まで話しかけてくれていた女性の名前をようやく知った。
そしてその彼女に紹介してもらった人達に話しかけられる。
「よろしくなっ!」
「これからは家族同然に接してくれていいのよ」
「出来るだけ一緒に遊んであげるね」
彼はさっきの人達に名札を見せてもらい、三田という男性が主任で真田・沢本という両女性が研究員だと教えてもらった。幻悟は彼らに肩書きなんかて気にしないように伝えてもらって優しくしてもらう。それで緊張の糸が切れて安心感が高まったためか、その場でとめどなく涙を流してしまうのであった。
「ところで幻悟君。さっきの所長の説明で<<言葉の力>>の話はわかったかい?」
彼は身長が高い三田主任から同じ目線に合わせて問いかけてもらったが、理解の範囲を越えているせいか言葉を詰まらせる。
「あまり………………」
「あははははっ、幻悟君は正直だな。それならもう少し分かりやすく説明し直してあげよう。いいかい?美奈子所長」
「いいわよ、主任さん」
三田主任が責任者の所長から了承を得て説明を始め出そうとした。彼はこのやりとりで三田主任と所長の彼女とでは彼女の方が偉いという上下関係を認識する。
「さて、<<言葉の力>>について三つに分けて話すよ。第一としてこの力は繰り返しの強さを持っているということ。 例えば嬉しい出来事で普通の人の数百~数万倍嬉しさを感じるとかだね。
第二として、 だからこそ君の言葉の力は善悪区別なく発動してしまうのを防がなくてはいけないということ、
第三としては君が感じた気持ちも自分の中で際限なく大きくできると言った感じだね。メモにもしておいたからそのうちに役立ててくれよ」
幻悟はあまりに突拍子のない話なので全身ぜんしん硬直こうちょくしてしまっていた。そこへ真田と沢本両研究員から話しかけられる。
「まず手始めに約束してもらえるかな?」
真田社員がとびっきりの笑顔で聞いてきた。沢本社員にも簡単な約束だと教えてもらう。彼は体を硬直してしまっている間も周囲の状況は見えているので所長と三田主任が何をしているのか気になった。
「………………」
この異様な雰囲気が伝わってくる中で彼は取り残されるように会議室の隣に部屋で立ちつくしていた。 会議室内では先ほどの女性と誠実さがウリの警官が彼を養育するための手続き方法まで話をまとめている。会議室の話し声がなくなったかと思うと不意に彼のいる部屋のドアが開いた(大人の醜みにくい言い争いを見せないための措置そち)
そして、彼は部屋に入ってきた女性に優しく手を握られる。
「私と一緒に新しい家にいきましょう」
幻悟少年の親類たちはやけに晴れ晴れとした表情で彼に向って厄介払いが出来たとばかりに手を振ってきた。そして彼は、警官の方から事情説明を聞き、研究所の女性に連れられてこの場を後にする。
そして、彼は『能力開発研究所』なる場所まで誠実さがウリの警官にそこまで連れて行ってもらった。到着したその建物はどういう訳か知る由がないが、壁や床などが全体的に清潔なイメージがする白ばかりという外観であった。今も一緒にいる研究所の女性は、彼が警戒心を抱いているのを感じ取ってか苦笑いを一瞬だけしたかと思うと幻悟少年に優しく話しかけてくる。
「さぁっ、これからはここもあなたの居場所よ」
彼はまだ虚うつろな表情で黙り込んでいる。
「私はキミが感じている疑問に対する解決情報をキミに伝えたいと思うの。聞いてくれる?」
その女性が聞いてきた問いに、彼は答えられなかった。激しく押し寄せてきた悲しみにひたすら耐えるのに必死だったからだ。
「大切なことだからこれだけでも聞いて。あなたの≪言葉の力≫についてのこと」
幻悟少年はその言葉に敏感な反応をする。そして自分の疑問を解決することを願う本能のまま、質問を繰り出す。
「ねぇっ、僕のお父さんとお母さんはどうしちゃったの? お父さんは何で僕の目の前であんなことをしたの? <<言葉の力>>って何なの?」
彼の質問からは全て悲痛な叫びを帯びているように感じとれた。研究所の女性は、彼の疑問に対する答えを分かりやすく教える。
「あなたのお父さんとお母さんは幻悟君の言葉の特殊な力の影響であんなことになってしまったと思うの。つまりは君に宿っている能力には無念を抱いて亡くなった人達とかの言語の力が無数の束になって備わっていると考えられるのよ。他の原因もありそうだけど今は分からないわ」
研究所の彼女は、説明の分かり辛さを反省しつつ、幻悟に理解できたか聞いてみた。彼が遠慮えんりょがちにうなずいているのを肯定していると受け取り、話を続ける。
「君に言葉の特殊能力を教える一例として、あなたのお父さんの行動を挙げるわね。君のお父さんは君の<<言葉の力>>が心に影響を与えて精神が不安定になり死への感情が衝動的に強制発生させられたと考えられるわ」
彼は理解したい気持ちが強くなり、幼い頭脳を懸けん命に働かせていた。しかし今、理解するには知識量が足りない。
「まだ無理して分かろうとしなくても平気よ。理解できる日は必ず来るから。それよりも今はこの研究所にいる人達を紹介してあげる」
研究所の女性は研究者全員を呼び出し始めた。全員が集まった所で紹介を始める。
「まずは私から紹介するわ。私は最高責任者の当座とうざ美奈子っていうの、覚えといてね。それから左端の大きいお兄さんが三田翔二さんで、右端の色白なお姉さんが真田雪さん。私の隣にいるお姉さんは沢本奈津希さんよ。今ので分かったかしら?」
幻悟は今まで話しかけてくれていた女性の名前をようやく知った。
そしてその彼女に紹介してもらった人達に話しかけられる。
「よろしくなっ!」
「これからは家族同然に接してくれていいのよ」
「出来るだけ一緒に遊んであげるね」
彼はさっきの人達に名札を見せてもらい、三田という男性が主任で真田・沢本という両女性が研究員だと教えてもらった。幻悟は彼らに肩書きなんかて気にしないように伝えてもらって優しくしてもらう。それで緊張の糸が切れて安心感が高まったためか、その場でとめどなく涙を流してしまうのであった。
「ところで幻悟君。さっきの所長の説明で<<言葉の力>>の話はわかったかい?」
彼は身長が高い三田主任から同じ目線に合わせて問いかけてもらったが、理解の範囲を越えているせいか言葉を詰まらせる。
「あまり………………」
「あははははっ、幻悟君は正直だな。それならもう少し分かりやすく説明し直してあげよう。いいかい?美奈子所長」
「いいわよ、主任さん」
三田主任が責任者の所長から了承を得て説明を始め出そうとした。彼はこのやりとりで三田主任と所長の彼女とでは彼女の方が偉いという上下関係を認識する。
「さて、<<言葉の力>>について三つに分けて話すよ。第一としてこの力は繰り返しの強さを持っているということ。 例えば嬉しい出来事で普通の人の数百~数万倍嬉しさを感じるとかだね。
第二として、 だからこそ君の言葉の力は善悪区別なく発動してしまうのを防がなくてはいけないということ、
第三としては君が感じた気持ちも自分の中で際限なく大きくできると言った感じだね。メモにもしておいたからそのうちに役立ててくれよ」
幻悟はあまりに突拍子のない話なので全身ぜんしん硬直こうちょくしてしまっていた。そこへ真田と沢本両研究員から話しかけられる。
「まず手始めに約束してもらえるかな?」
真田社員がとびっきりの笑顔で聞いてきた。沢本社員にも簡単な約束だと教えてもらう。彼は体を硬直してしまっている間も周囲の状況は見えているので所長と三田主任が何をしているのか気になった。
後書き
作者:ニューナイト |
投稿日:2016/07/17 15:20 更新日:2016/07/17 15:20 『言葉とその力』の著作権は、すべて作者 ニューナイト様に属します。 |
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