作品ID:1845
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言葉とその力
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 連載中
前書き・紹介
ライバルの屈折した考え・苦悩 2
前の話 | 目次 | 次の話 |
成人に驚愕の事実を知らされて、道也は考えもなしに幻悟を追いかけようとする。それを成人が止める。
「待ってよ、幻悟君が行った場所をミッチーは知っているの?」
「いや、知らないな。教えろ、成!」
「それだけは……。いくらミッチーでも教えられない」
成人は幻悟の行った場所に関しては口を割る気配すらなかった。妹の命がかかっているのだから当然と言えるであろう。
「何故だ? 成。そうか、誰かに脅されているんだな?」
追いつめられた人間とは脆いもので、何も言わずとも成人の顔が全てを物語っていた。
「もうわかったぞ、成! 大体の予測はついた、やっぱりお前から幻悟の居場所を聞き出す」
道也から思わぬ言葉を言われた成人は戸惑う。成人が助けを求めるような声で言う。
「待ってくれっ、奈美は僕の大事な妹なんだ。妹に何かあったりしたらっ」
そう言って成人は道也を必死になって食い止める。すると、ふいに道也が叫んだ。
「確かに俺達が行かなければ奈美ちゃんの安全は保障されるかもしれない。でも、それは確実なのか? 玉野だったら充分なまでに奈美ちゃんを危険にさらすことだって考えられるじゃないか。成、お前は本気で手をこまねいて待っているだけで良いんだな!」
「でも、あの忠告が本当だったりしたら…………」
成人は顔を青ざめさせながら言う。それでもなお、道也は成人に向かってたたみかける。
「玉野の性格からしてきっと自分が居住している家の道場あたりじゃねえかと思う
ぜっ。俺の勘もあながち馬鹿に出来ないからな、まあ、行ってみればわかるってものさ。成人はそこで指をくわえて待っていな、お前はお前の思うままに行動すればいいんじゃないか?」
道也は成人を突き動かそうとする言葉だけを残してその場を後にする。成人は少し考えた後で道也の後を追う事にした。きっと道也の説得が心に響いたのであろう。
その頃、幻悟はすでに玉野道場の目前までやって来ていた。道場の周囲は高い壁ばかりしかなく、少しでも気を緩めれば自分がどこら辺にいるのかさえ分からなくなってしまいそうな同じ地形が続いている。今の幻悟は冷静さを失ってきてしまっているので更に地形の混乱の拍車が強まってしまっている。
「玉野の奴、こんな所に呼び出しやがって」
幻悟は入口が見つからないもどかしさからか、言葉遣いも乱暴になり始めた。彼が冷静さを失いだしているのも一つの要因といえるだろう。しかし、この日の玉野道場の入り口は今までの苦労は何だったのかという程に、玉野が目立たせていた。
『琴葉幻悟、ようこそ』そう書かれたライト付き看板が入り口前に立てかけられていたのである。恐ろしいまでに悪趣味な看板の造りに幻悟はますますいらだつ。
「玉野――っ!! どこにいる?」
「ようこそ、琴葉幻悟。私は道場で待っているから早く来てくれよ」
幻悟は玉野の皮肉めいた言葉に更なる不快感を露にする。目の前でせせら笑われている位にいら立ったからだ。
「玉野、どういうつもりだ? 奈美ちゃんを巻き込むなんて」
幻悟が玉野の方に向かって叫ぶ。すると、その叫びが聞こえたのか、玉野はマイクを使って平然とした口調で答える。
「琴葉幻悟! お前が話し合いで決着をつけようだなんて生温いことを言っているからだろう。実力行使に出ただけだ、何か文句はあるか?」
幻悟は玉野に最後に残った一縷いちるの望みを捨てずに、彼に聞いてみる。
「玉野君、本当に話し合いの余地は無いのか?」
幻悟は叫びながら玉野の声が聞こえてくる道場までやって来ていた。幻悟の姿を確認した玉野がわざとらしく肯定してくる。
「くどいぞ! 琴葉幻悟。俺様が本気だっていうことは見ためですでに明白だろう」
「仕方ない、不本意だけど戦うとするよ」
幻悟はいつの間にか落ち着きを取り戻した感じで臨戦直前に言葉力を使うための神経を集中し出す。そうすることで、戦闘準備を完了させた。玉野もすでに言霊を使うための準備は万全のようだ。
「さあ、いくぞ。琴葉幻悟!!」
玉野はかけ声と共に言霊を使って攻撃しようとする。それを幻悟が急に口をふさいで止めたため、勢い余って玉野のメガネがずり落ちると言う形になった。
「なっ、なんのつもりだ!」
幻悟は玉野が動揺している感じになっているのをほっといて、あえて忠告だけする。
「まぁ、待てよっ。俺は言霊のすべてを調べつくした。それでも戦う気ならやるが、俺は必ずお前に勝つぜ」
「ぬかせっ!! そんなことは戦ってみなければどうなるかわからないだろうが!」
幻悟の物言いに玉野は激怒する。それでも幻悟は余裕たっぷりの笑顔で立ち向かう気でいるのだ。それが更に、玉野にとって感に触ったらしい。
「水よ、ありとあらゆる所から噴き出し、琴葉幻悟を襲え」
道場内の水道から始まり、冷蔵庫内の水や氷・地中にある水道管から水があふれ出し、最終的には道場近くを通りかかっただけの人が飲んでいる原料が水のジュースまでもが一箇所に集まってくる。それが大きな氷の塊へと化す。
「そうなんだよ、それこそが言霊の大部分に関係する言った言葉に霊力を宿らせるといった現象の力なんだ」
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「待ってよ、幻悟君が行った場所をミッチーは知っているの?」
「いや、知らないな。教えろ、成!」
「それだけは……。いくらミッチーでも教えられない」
成人は幻悟の行った場所に関しては口を割る気配すらなかった。妹の命がかかっているのだから当然と言えるであろう。
「何故だ? 成。そうか、誰かに脅されているんだな?」
追いつめられた人間とは脆いもので、何も言わずとも成人の顔が全てを物語っていた。
「もうわかったぞ、成! 大体の予測はついた、やっぱりお前から幻悟の居場所を聞き出す」
道也から思わぬ言葉を言われた成人は戸惑う。成人が助けを求めるような声で言う。
「待ってくれっ、奈美は僕の大事な妹なんだ。妹に何かあったりしたらっ」
そう言って成人は道也を必死になって食い止める。すると、ふいに道也が叫んだ。
「確かに俺達が行かなければ奈美ちゃんの安全は保障されるかもしれない。でも、それは確実なのか? 玉野だったら充分なまでに奈美ちゃんを危険にさらすことだって考えられるじゃないか。成、お前は本気で手をこまねいて待っているだけで良いんだな!」
「でも、あの忠告が本当だったりしたら…………」
成人は顔を青ざめさせながら言う。それでもなお、道也は成人に向かってたたみかける。
「玉野の性格からしてきっと自分が居住している家の道場あたりじゃねえかと思う
ぜっ。俺の勘もあながち馬鹿に出来ないからな、まあ、行ってみればわかるってものさ。成人はそこで指をくわえて待っていな、お前はお前の思うままに行動すればいいんじゃないか?」
道也は成人を突き動かそうとする言葉だけを残してその場を後にする。成人は少し考えた後で道也の後を追う事にした。きっと道也の説得が心に響いたのであろう。
その頃、幻悟はすでに玉野道場の目前までやって来ていた。道場の周囲は高い壁ばかりしかなく、少しでも気を緩めれば自分がどこら辺にいるのかさえ分からなくなってしまいそうな同じ地形が続いている。今の幻悟は冷静さを失ってきてしまっているので更に地形の混乱の拍車が強まってしまっている。
「玉野の奴、こんな所に呼び出しやがって」
幻悟は入口が見つからないもどかしさからか、言葉遣いも乱暴になり始めた。彼が冷静さを失いだしているのも一つの要因といえるだろう。しかし、この日の玉野道場の入り口は今までの苦労は何だったのかという程に、玉野が目立たせていた。
『琴葉幻悟、ようこそ』そう書かれたライト付き看板が入り口前に立てかけられていたのである。恐ろしいまでに悪趣味な看板の造りに幻悟はますますいらだつ。
「玉野――っ!! どこにいる?」
「ようこそ、琴葉幻悟。私は道場で待っているから早く来てくれよ」
幻悟は玉野の皮肉めいた言葉に更なる不快感を露にする。目の前でせせら笑われている位にいら立ったからだ。
「玉野、どういうつもりだ? 奈美ちゃんを巻き込むなんて」
幻悟が玉野の方に向かって叫ぶ。すると、その叫びが聞こえたのか、玉野はマイクを使って平然とした口調で答える。
「琴葉幻悟! お前が話し合いで決着をつけようだなんて生温いことを言っているからだろう。実力行使に出ただけだ、何か文句はあるか?」
幻悟は玉野に最後に残った一縷いちるの望みを捨てずに、彼に聞いてみる。
「玉野君、本当に話し合いの余地は無いのか?」
幻悟は叫びながら玉野の声が聞こえてくる道場までやって来ていた。幻悟の姿を確認した玉野がわざとらしく肯定してくる。
「くどいぞ! 琴葉幻悟。俺様が本気だっていうことは見ためですでに明白だろう」
「仕方ない、不本意だけど戦うとするよ」
幻悟はいつの間にか落ち着きを取り戻した感じで臨戦直前に言葉力を使うための神経を集中し出す。そうすることで、戦闘準備を完了させた。玉野もすでに言霊を使うための準備は万全のようだ。
「さあ、いくぞ。琴葉幻悟!!」
玉野はかけ声と共に言霊を使って攻撃しようとする。それを幻悟が急に口をふさいで止めたため、勢い余って玉野のメガネがずり落ちると言う形になった。
「なっ、なんのつもりだ!」
幻悟は玉野が動揺している感じになっているのをほっといて、あえて忠告だけする。
「まぁ、待てよっ。俺は言霊のすべてを調べつくした。それでも戦う気ならやるが、俺は必ずお前に勝つぜ」
「ぬかせっ!! そんなことは戦ってみなければどうなるかわからないだろうが!」
幻悟の物言いに玉野は激怒する。それでも幻悟は余裕たっぷりの笑顔で立ち向かう気でいるのだ。それが更に、玉野にとって感に触ったらしい。
「水よ、ありとあらゆる所から噴き出し、琴葉幻悟を襲え」
道場内の水道から始まり、冷蔵庫内の水や氷・地中にある水道管から水があふれ出し、最終的には道場近くを通りかかっただけの人が飲んでいる原料が水のジュースまでもが一箇所に集まってくる。それが大きな氷の塊へと化す。
「そうなんだよ、それこそが言霊の大部分に関係する言った言葉に霊力を宿らせるといった現象の力なんだ」
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後書き
作者:ニューナイト |
投稿日:2016/11/03 19:00 更新日:2016/11/03 19:00 『言葉とその力』の著作権は、すべて作者 ニューナイト様に属します。 |
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