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作品ID:199
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Devil+Angel=Reo

小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 完結

前書き・紹介


第4話。

前の話 目次 次の話

 

 上を見ると青空が広がり、右を見ると不機嫌な幼馴染、左を見ると天秤を模したネックレスをつけた生徒会書記、下にはコンクリが広がっている。

 ついでに周りを見ると塀がずーっと続いており、この塀が終わるということは住宅街を抜けることを意味している。



 こんな状況に置かれている元々の原因は昨日というつい最近すぎる時に遡る。





「璃維、鋼夜さんと知り合い?」

「知り合いというか、友達以下知り合い以上」

「桐生さん、璃維と知り合い?」

「あ、知り合いというか幼馴染です」

 落雷がはじけた直後。璃維が私の制止も聞かず、この目の前に居る少女……鋼夜 春袈に通学路で、しかも人目が多すぎる交差点で、攻撃を仕掛けるものだから私は璃維が具現化した槍を引っつかみ、ついでに璃維と鋼夜さんの首を引っつかみ、交差点を猛ダッシュで走り去った。

 いや、あの目線に晒されてみれば分かる。本当に対応に困るどころかあの場に居たくないから! 人々の怪訝そうな目線を浴びたらね!

 そして、交差点から変わって学生さんたちが多いファースト・フード店に私たちは入店。……此処ならば制服のままでも目立たない。



「ふーん。でもさ、よく璃維の幼馴染なんてやってられるよね。学校でも結構、璃維と一緒に居るみたいだし?」

「それは、璃維がこんな状態だから……!」

 言ってから気がつく。璃維が俯いていることに。



「あ、いやその璃維、今のは」

「別にいい。それに俺が悪いのは分かってる」

 四人席の私の向かい側に座る鋼夜さんが溜息をつき、隣に座る璃維が無表情で声を紡いだのはほぼ同時のことで。

 この席だけ一瞬で重たい空気に支配されて、店内にかかる明るい曲なんてその空気にシャットダウンされてしまってるみたいに聴こえなくなって。



「まあいいや。桐生さんって確か部活はやってないはずだよね?」

「え、ええ」

「何で? 別に桐生さんには部活とかに集中できなさそうな理由もなさそうだし」

「えーと、私は両親が居ないので。祖母と私と璃維と」

「ちょっと待て!!」

 鋼夜さんの「待て」発言に周囲の人たちはいっせいに肩を震わせた。

 それに鋼夜さんが頭を下げている光景。

 席に座って、コップに注がれた氷水を飲み、発言。



「何で、紅來璃維と桐生刹那が同棲してるの!?」

「いや、同棲じゃなくて同居?」

「ていうか、俺は居候の身分だし」

 鋼夜さんの発言に私が返し、それに璃維が突っ込むというあまり見ないような光景。



「あ?もう! 生徒会長の奴……そんなことだったら言いなさいよ、私だって一応、生徒会役員なのよ……!?」

 左手親指の爪を歯で噛みながら、呟く鋼夜さん。



「あの、鋼夜さんって生徒会役員なんですか?」

「え? まあ、ね。あれ? 璃維に言ってなかったっけ?」

「俺は聞いた。けど、それをわざわざ刹那に言うこともないだろ?」

「まあ、そうだけどさ……。いっか。どうでも。で? 私が生徒会役員だったら何か悪い事でも?」

 少し不機嫌そうに言うその姿。

 ただ、鋼夜さんが生徒会役員だっていうことには本当驚いた。



 鋼夜 春袈。

 フェリアンヴェスピュリア大公国立学校生徒会書記。

 しかし偏見を承知で言えば、生徒会書記の割に素行は良くない。寧ろ悪い。

 それが鋼夜 春袈の第一印象だった。



「ま、春袈が生徒会書記だって言ったら誰でも驚くけどな」

 茶色いテーブルに左腕て頬杖をつきながら、言うのは璃維。それに勿論、鋼夜さんは反論する。



「んなっ! あのね、璃維! 私は確かに素行も悪いけど、生徒会書記なのは事実なの! 事実を受け止めなさい!!」

 テーブルを大きな音を響かせて叩いた鋼夜さんの両目は怒り一色。眉間にしわを寄せて喋るその姿から鋼夜さんという人は実にキレやすく、また、今までの発言から結構物事を軽く受け止める少女なのだということが分かった。



 そんな少女と幼馴染の少年が口論するのを私は止め、もう校則で決められている帰宅時間になるから、と別れた。



 そして今にいたる。

 ……正直、雰囲気めちゃくちゃ悪いんですけどね!!





後書き


作者:斎藤七南
投稿日:2010/05/16 16:30
更新日:2010/05/16 16:50
『Devil+Angel=Reo』の著作権は、すべて作者 斎藤七南様に属します。

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作品ID:199
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