作品ID:2068
神なる闇、剣なる影にて
小説の属性:ライトノベル / 異世界ファンタジー / 激辛批評希望 / 上級者 / R-15 / 連載中
こちらの作品には、暴力的・グロテスクな表現・内容が含まれています。15歳以下の方、また苦手な方はお戻り下さい。
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前書き・紹介
天地が腐臭を放つより前の時代を知る者は、もはや一人とて生きてはおらぬ。
少なくとも、尋常なる生命の中には。
幾柱もの強壮なる神々が黒くぬめる御手を伸ばし、あまねく万象をかき抱いている。もはや二度と解き放つこともない。
世界は正常に狂っていた。
時世は至当に醜かった。
神々は宣う。
原初からそうであったと。
時空も位相も整然と繋がり流れることをやめ、世界は闇に狂い咲く離弁花のごとき構造を形作る。花弁のひとつひとつに八百万の神が座し、したたる芳醇な蜜を手中に収めんと手を伸ばす。お互いがお互いのねじくれた手を払いのけ、甘やかな蜜腺を独占せんと荒ぶりのたうつ。花柱に小さな虫が居ようとまるで意に介さず、一部の神々は虫の存在に気付くことすらなく、野放図に無遠慮に花の中央を蹂躙する。
だが。
神々は蜜腺に直接足を踏み入れることができぬ。
花弁の接合部にて立ち、腕を伸ばすことしかできぬ。
なぜなら、神々とはあまりにも大いなる存在であるがゆえ、狭く細くくびれた付け根は渡れぬのだ。花冠の央にて身を寄せあう小虫どもが今日まで生き残りえた所以は、ただそれだけのことでしかない。
作者:バール |
投稿日:2018/12/26 22:52 更新日:2018/12/30 10:23 『神なる闇、剣なる影にて』の著作権は、すべて作者 バール様に属します。 |