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作品ID:2275
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私は犬と生きていく

小説の属性:一般小説 / 現代ドラマ / 批評希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 完結

前書き・紹介

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統合失調症

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 次の週。今度はロールシャッハテストや、絵を描くテストを受けた。木の絵を描いてください、と言われたので、私はおざなりにヤシの木を書いた。
 
 診断の結果が出た。医師はノートパソコンに打ち込まれたデータを見ながら、
 
「統合失調症ですね」
 
と告げた。
 
「おそらく遺伝的にドーパミンの出る量が多いか、受容体の数が多いんですね。受容体に蓋をする薬を出しますから、毎日必ず飲んでください」
 
 統合失調症……。私は心の中で呟いた。話には聞いたことがあったが、まさか自分がそうだとは。
 
「毎日、どういうふうに過ごしていますか?」
 
「学校へ行く以外は特に何も。犬の散歩が楽しいのでそれは毎日しています」
 
「そう。体を動かすことは良いことだから、それは続けてね」
 
「有り難うございました」
 
「お大事に」
 
 私は家に帰って薬を飲み、部屋で一人静かに考えた。これで妄想も無くなるのだろうか。だとしたら、私はこれから何を楽しみに過ごせば良いのだろう? 空想の世界で遊ぶことさえ出来なくなる、と思うと私は泣きたくなった。悲しい現実から逃避できる唯一の手段だったのに。だが、前もそうだったが、涙は出なかった。
 
 夕方になり、風連の散歩の時間が来た。そうだった、私には風連がいるのだ。そう思うと不思議と力が湧いてくる。
 
 風連はいつもと変わらず、元気に散歩の催促をしていた。私はいつものように支度をして、風連と出かけた。既に季節は冬になっており、日も落ちてすっかり暗くなっていた。吹雪いていたが、散歩が辛いと思うことはなかった。
 
 それからの私は空想の世界で遊ぶことも無く、ただひたすら風連への愛を胸に日々を過ごした。

後書き

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作者:コツリス
投稿日:2020/02/13 20:23
更新日:2020/02/13 20:23
『私は犬と生きていく』の著作権は、すべて作者 コツリス様に属します。

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