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作品ID:2294
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ナイフが朱に染まる

小説の属性:一般小説 / ミステリー / お気軽感想希望 / 初投稿・初心者 / R-18 / 完結

前書き・紹介

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(第26話)マコト。昇進おめでとう。元気でな。

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退院しても心はまだ患っていた休み明け、僕とマコトは仕事に無事復帰した。

「退院おめでとう!」

と部長が先頭に立って社員のみんなに拍手で温かく迎え入れてくれた。そのみんなの心配りがとても嬉しかった。
顔を合わせないように僕とマコトは各々の席につき、何事もなかったかのように仕事を再開することになった。
今更謝るのは余計にこじれることになる。
同じプロジェクトにいるのでお互いに無視するわけにもいかなかった。


「先輩」


仕事中にマコトが書類をもってきたときはいつもと変わらない様子なのだが、彼女の声はまるで作ったようなロボットの声で、見上げるととても寂しそうな顔をしていた。


「ん。見せてごらん」


僕は口を真一文字にさせ彼女の顔を見ないフリをして書類を受け取る。
間違ったプログラムコードがないかどうかをサッサッと、1ページから3ページにかけて読んで見せる。


「うん。よく書けてるね。
 じゃあ、これを向こうに座っている部長に提出したらいいよ」
顔色を窺っていたマコトの視線を感じていた。
気づかないフリをして軽快に書類をポン、と手渡した。


「ありがとうございます」


とマコトはギクシャクとした声でペコリと頭を下げる。
いつもなら僕とマコトは仕事でも兄妹のように話すのだが、もうそれが無くなり、なんだか違和感を覚えた。
だが、挨拶をして去っていく時の彼女の姿を見て僕は、彼女は諦めて納得したように思った。
僕たちの関係は完全に切れ、もう先輩後輩の関係というよりも、仕事仲間としての関係になった。
陽気にポニーテールを揺らして歩くマコトの後ろ姿を見て僕は爽やかな気持ちになった。
それから暫く僕とマコトは邪念を起こすまいと仕事にばかり打ち込むようにした。
ついにマコトの頑張りが部長に認められ彼女は昇進し別の支店に行くこととなった。
花束を抱きかかえた手で涙を拭い、会社から出るマコトの後ろ姿が見えた。

“ マコトはよく頑張った。おめでとう。元気でな ”

総立ちした社員の陰からじっと見据えて彼女に声援を送った。





(つづく)

後書き

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作者:白河甚平
投稿日:2020/03/08 14:11
更新日:2020/03/08 14:11
『ナイフが朱に染まる』の著作権は、すべて作者 白河甚平様に属します。

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