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作品ID:318
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武器の名前で呼び合おう!

小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 休載中

前書き・紹介


麻生 弓と月波 槍。幼馴染の2人。

目次 次の話

 非常に困った。

 いや、何がって、いや本当に困ってるんだって!!



 桐生 弓。弓道部所属。「ゆみ」と名づけられた私は、名の通り? 幼少期より弓と触れ合うことが多く、中学校では早速弓道部へ、直行。

 そして今までに倣うように……高校も弓道部所属。

 さらに言えば。

 あたしは正直、今現在形で困っていた。





「ゆーちゃん、どうかした?」

 弓道部の部員に声をかけられ、思わず肩が軽く上下する。

 ショートカットの黒髪を揺らして、私は部員兼友人に向き直る。

 茶色い壁があたりを覆う中、的だけが白くペイントを塗ったように存在している。



「いやぁ、えーとぉ……」

 正直、このことは友人にもいえない。家族にもいえない。

 っていうか言えるのは幼馴染しか居ないし!!



「……また、月波槍のこと考えちゃってます?」

 ニヤニヤと笑いながら、友人は弓を持ったまま腕を組み、前のめりになる。

 友人の口からその名前が出たとき、アイツの顔が浮かび……苛立った。





 月波 槍。あたし、桐生弓の幼馴染です。16歳高校一年生。

 槍って書いて「そう」って読むこの名前はチョイ変化球だと私は思います。

 ちっちゃい頃はね? そりゃあね?

 ゆーちゃん、槍くんって呼ぶ仲だよ!? それが今は……。

 殴りたくなるぐらい、憎い相手でございますわぁ!!

 という関係になってしまったのは私が困っている現状と密接に繋がっていたりする。





 1ヶ月前。

 私と槍は、日差しが降り注ぐ中、せっかくの部活もない土曜日。

 家に居るのは勿体無い! という考えから、公園にフラリと出かけたんだ。

 さて、そこで問題発生。



「あたしの、ネックレスがなーい!!」

「煩い」

「んな鬱陶しそうに答えないでよ!」

 そう。あたしの大事なお守りにしてるぐらい大事な、クロスネックレスがなくなっていた。

 それに気づいたのは、家に帰ってきてのことで槍と別れるのもあれだし、ま、どっちかの家寄るかっていう話になって、結局槍があたしの家に来て。

 そして、槍が勝手にあたしの部屋に置いてるベージュのソファーにまるで、ここは自分の部屋だと言わんばかりに座って、雑誌を広げている。

 それであたしがネックレス紛失に気づいたことでソファーの近くでそう叫んだと同時に即答で返ってきたため、思わずもう一叫び。



「大体、お守りをネックレスにするってどーなの?」

「……お守りは、人それぞれだからいいのだ!」

「あっそうですか」

 ……自分から聞いといて、その態度はないんじゃないか、と幼馴染に今度、弓道部で使っている弓矢のセットで頭直撃させようかと画策していると。



「すっごい懐かしい写真がでてきたんですけど」

 しかめっ面で、とりあえずネックレスを探し続け、机と水色の壁の隙間を一応見てみると、懐かしい写真がでてきた。



「これ、かなり昔の写真」

 ちょうど、あたしたちが幼稚園入ったか入ってないかぐらいに撮った写真。

 背景は川原で、麦藁帽子を被った少女が少年の頭を引っぱたいている写真。

 そのときのあたしは、また黒髪を伸ばしていて格好もオレンジのワンピースとなっている。

 決して、最近よく見かける胴着では……ない。うん。



「いやぁ、懐かしいねぇ。槍くん?」

「忌まわしいとしか思わないんですけど、弓」

「……気にせず行こう」

「気にせずって、キミが引っ張り出した話題だけどね」

「細かいなぁ」

 苦々しげに、今度はちょっと破きそうになったけど、それもびりびりに破きそうになったけど、我慢して机の引き出し一番下に仕舞いこむ。

 ……やっぱり、隙間に仕舞おう。なんだろう。もう二度と見たくない写真だからかな。



「ネックレスが見つからない」

 あたしの言葉に溜息をついて、槍はクローゼットの下にしゃがんで、とあるものをつまむ。



「これ。弓のネックレスじゃない?」

「あぁ!? なんで、んな足元に!」

 いや、本当にビックリ。

 あたしは自分の部屋ぐらい綺麗にしてるつもりだし、決して足元に物を転がすなんてマネはしないようにしてます。

 でもそのクローゼットの下、白いカーペットにすっかり埋まってしまったネックレスを見てビックリしてるんじゃない。

 何で、そんなとこにあるの? じゃなくって、今日着けていかなかったの? という疑問が新たに生まれる。

 まあ、いいや?と軽い気持ちで槍の左手人差し指と親指でつままれたあたしの大事なクロスネックレスを返してもらおうと右手で掴む。

 あっさりと手を離した槍にペコリと一礼と、お礼の言葉。



「ありがとう」

 やっぱり、手助けしてもらったらお礼は必ずするっていうのが両親からの教えだからね?。





 槍があたしの赤い屋根の家から隣の隣に位置する青い屋根の槍の家に戻っていった一時間後、あたしは部屋の木製の椅子に座り、同じ木製の机に突っ伏す。

 ……ともかくネックレスが見つかってよかった、と思う。

 槍に見つけられたのはちょっと気分的に気になるというか引っかかるところもあるにはあるけど、見つけてくれたのは槍だから、まあいいや、みたいな気分で机に突っ伏す事6分。



 部屋の中心に置かれた透明なテーブルにノートパソコンを置き、カーペットに直に座る。

 メール確認。新着メール・未読メール1通。

 誰だろう? と心中で首を傾げつつ、黒いマウスでクリック音を鳴らしてチェック。



「はぁ? サキからメール??」

 サキこと鋭意早紀。海を超え、大陸と国境を越えた先にあるフェリアンヴェスピュリア大公国というとこ在住の高校2?3年生。だったはず。2,3というのはどっちだっけと首をかしげたからだ。

 フェリアンヴェスピュリア大公国立学校で高等部生徒会会長を務めてるだかなんだか知らないけど、日本でて相当経つだろ、お前。

 なのに今更メールっすか。そうっすか。



「内容はっと」

 タイトル 緊急内容です。をクリックし内容確認。



「えーと」





――久しぶり。早紀です。ま、メールして送り主分かると思うけどね。

んなことはどうでもいいんだけど、その……えっと……。

 私、久々に日本に帰れそうです。

 学校の方もお休みだから、日本に帰ってゆっくりしたいと思います。



「だけ?」

 思わず、マウスを壊してやろうかと思った。

 そんな早紀が帰ってくることは残念ながらなかった。

 だって、メールで書いてたもん。



「日本に帰ってくるなんて嘘、つくなよぉ」

 泣く泣くリビングに降りて、まだ両親が帰ってきてないリビングに電気をつける。

 そして電気がついたのを見計らったかのように、家のチャイムが鳴る。





 それが。

 あたしの、じゃなくってあたしと槍のまさかあんなハイテンションな毎日が急襲してくるなんて予想することも予想することすらできなかった。





後書き


作者:斎藤七南
投稿日:2010/09/14 20:14
更新日:2010/09/30 14:30
『武器の名前で呼び合おう!』の著作権は、すべて作者 斎藤七南様に属します。

目次 次の話

作品ID:318
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