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作品ID:335
「武器の名前で呼び合おう!」へ

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武器の名前で呼び合おう!

小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 休載中

前書き・紹介


春夏秋冬文化祭、準備期間!!

前の話 目次 次の話

「おらおらぁ!! とっとと動けやぁ!!」

 私立ヒイラギ学園1?Aに麻生 弓という少女の低い声が響いた。





 此処、私立ヒイラギ学園では、春夏秋冬文化祭というその名のとおり春夏秋冬で行われる文化祭、その春の陣の準備に追われていた。

 僅か13日間という短き準備期間でリハーサルや、各部活動は当然のこと各クラスの準備までしなければいけない。



 そしてそれは1年A組でも同じことだった。



「ステージ組は、表に出る奴らは衣装及び台本チェック&暗記!!

 裏方の奴らは照明器具及び表に出る奴らのサポートにあたれ!

 んで宣伝組は、とにかく他のクラスと別な宣伝をしやがれっ!!

 他クラスと同じじゃぁ意味ないぞ!

 絵画組は、体育館全体を1-A色に染めるぐらい気合入れてやりやがれぇ!!」

 どこで手に入れたのか鞭らしきものを右手に持ち、左手には竹刀を持って、声を張る弓。

 その隣では計画書、もしくは立案書を見て微笑んでいる村森 ユキが居た。

 ユキがその明るいブラウンの髪を病的ではない白い耳にかけて、弓に言葉をかける。



「叱咤だけじゃ、意味ないよ。

 時には甘やかさないと。

 だから」

 ユキが自分の机に置いたままの黒いリュックにその、黒い瞳で覗き込む。



「ほら!!

 私、皆疲れてると思って、ケーキつくってきた!!」

 ロールケーキではなく、ショートケーキをリュックからたくさん出すユキの顔はまぶしいと思うほど輝いていた。



「へぇ、さすがにユキは家庭的っていうか……」

 それに感心した弓は、ちょっと寂しくなる。

 どーせあたしは家庭的じゃないですよ?。



「まあいいや。

 とりあえず皆! 休もう? 働きっぱなしじゃ疲れちゃうから!!」

 ユキの思い通り、弓が1-Aに指示を出す。

 そして、現在1-Aに居ない1-A生徒には放課後、弓自身が持っていくことにした。



「いやぁ、13日間の準備期間ってどうよ?」

 首を傾げる。ショートカットに切りそろえた黒髪が太陽光を浴びて光沢を放ち、揺れる。

 弓の真っ黒な両目には、ユキからもらったショートケーキがのった皿が写っていた。



「仕方ないんじゃない?

 この学校はやけに行事豊富でそれで生徒数や受験数を誇ってるようなもんだし」

 私立ヒイラギ学園の行事数は他の学校からみても圧倒的な数で、当然それを準備する期間も短くなる。

 学園側からいわせれば、準備期間の短さは社会的に短期間でも素早く準備・行動をするという意味も含むらしいが。



 休憩を取ってから、5分後。休みすぎてもいけないので、腰を上げる。



「ほら! 13日間しかないから、そろそろ動くよ?!」

 弓自ら、教壇に立って指揮する。



 ある意味で。

 弓が実行委員になったのは正解だったのかもしれない。



後書き


作者:斎藤七南
投稿日:2010/09/24 15:27
更新日:2010/09/24 15:27
『武器の名前で呼び合おう!』の著作権は、すべて作者 斎藤七南様に属します。

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作品ID:335
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