「＿＿さん、点滴終わりましたよ?」

看護婦が男の腕の点滴針を抜いた。

「はあ・・・・・・」

男は元気なしに答えた。

「・・・・・・」

男は時計を見た。



＿＿午前９時

今日は錦学園卒業式。

枕元の紙には「早く元気になってね！」と書かれていた。

「・・・・・・」

男は微笑し、思った。



多分無理ですね・・・・・・

男がそう思い、空を見上げると、



コンコン

窓に誰かがいた。

「なっ！？」

男はベットから跳ね起き、構えると、

「アニキ！俺だよ俺！」

「お前！空か！？」

窓には龍神　空がいた。

ここ３階なのにね。

「アニキ！今すぐ着替えろ！行くぞ！」

「あ？どこにだ？」

「錦学園にだ！」

そういって空は龍神　真に錦学園の制服を投げ渡し、病室にはいってきた。

真は急いで着替え、空に聞いた。

「何故錦学園に行くんだ？」

「玄武さんから聞いて卒業式に出るんだよ！」

「なにっ！？玄武が！？」

空は万石　玄武から連れて来いと言われ、やってきたのだ。

「あ、それと」

「？」

「『馬鹿』って言ってたぜ」

「あの野朗殺す！」

真はそういって棚の靴を取り、窓から兄弟は飛び降り、真は靴を履き、走り出した。＿＿



＿＿錦学園

「・・・・・・今日真は来ないのか？」

西崎　良は国枝　雀に聞いた。

「ええ、来ないそうです」

雀は良の質問に答えた。

『・・・・・・』

全員は黙り、目を閉じた。

「そろそろ卒業式だ、用意しとけ」

遠藤　星はそういって席を立った。



＿＿２人は走っていた。

「オラァ！どけどけぇ！」

「・・・・・・」

「退け！どけ！消えろ！消え失せろ！」

「・・・・・・空よ」

「どうしたアニキ？」

「もう喋るな、色々とマズいんだよ」

「・・・・・・スマン」

空は走りながら謝った。

「まあいい、見ろ」

「ああ、あれが錦学園か・・・・・・」

２人は閉じてる校門を助走をつけたジャンプで飛び越えた。＿＿



＿＿錦学園体育館内

「＿＿我ら錦学園在校生徒は、卒業生徒の思い　を受け継ぎ＿＿」

舞台の上で雀は卒業生徒に向けて送る言葉を言っていた。

「＿＿錦学園を立派に・・・・・・ん？」

雀が言葉を切った瞬間、



ザワザワ・・・・・・

体育館内全体が慌しくなった。

「？？？」

白虎　翔子が体育館の扉のほうに耳を傾けると・・・・・・



ガン！ガン！

扉が蹴られてる音が聞こえた。＿＿



＿＿体育館前

「なんだこの扉？開かないぜ？」

空は扉をガンガン蹴っ飛ばしていた。

「あ?待て待て、俺がやる」

真は空を後ろにやり、扉に手をかけ、普通に開けた。＿＿



＿＿体育館内では在校生徒も卒業生徒も目をみはった。

「ま、真君・・・・・・？」

白虎は真と空を見て、目を見開いていた。

「・・・・・・」

真は微笑を浮かべ、言った。



「白虎さん、卒業、おめでとうございます」



真が言ったと同時に白虎は真に抱きついた。



＿＿こうして錦学園卒業式は幕をおろした＿＿