目の前に寂しそうな目をした少年が一人・・・

　またか・・・

　最近異常に夢見が悪い。どうした物か。

「どうしたんだ？　そんな悲しい顔して」

「その理由は自分が一番分かるでしょ？」

　またか・・・　早く目覚めないかな。

　

　俺と姉貴が居る。周りにも子供が数人居る。っが、近くには誰も居ない。

　周りの子供から発せられるのは、罵声と好奇の視線だけ。

「近寄るな！」　「こっちに来るな！　気持ち悪い」　「何だよ？！　その目は！　喧嘩売ってんのか？！」

　視線、シセン、しせん。

　俺が一体何をした？　何もしていない・・・　なら・・・　なぜ？

　ただ、ここに来る前に不幸に見舞われただけ、ただ、それだけ。

「よぉ」

　言葉をかけられて嬉しかった・・・　最初は・・・

　振り下ろされる拳・・・　そして・・・





　がばぁぁ

「はぁ、はぁ、はぁ」

　最悪・・・

　周りを見る。

「黒夜は居ないな」

　ちょっぴり安心。

「何でかな?　ホントに最近寝るのがだんだん怖くなってきた・・・」

　誰に言うわけでも無く、一人嘆息する。すると・・・

　ツツーーー

　頬に水滴が流れる感触・・・

「・・・俺、泣いてる？」

　何か珍しい発見をしたように言ってみる。

「・・・泣いたの・・・いつぶりだろう・・・」

　あの時を境に泣こうと思っても涙が出なかったのに・・・

「はぁ・・・」

　黒夜も居ないし、どうするかな



　その後は何も思うわけでもなく泣き続けた。

　次に泣くのは何時かな？



　その時黒夜は・・・

「来るな・・・」

　危険を察知していた。