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作品ID:619
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White×Black=Glay?

小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 連載中

前書き・紹介


White×Black=Glay? ?8.1色目?

前の話 目次 次の話

「夏原美佳……」

 夏原 美佳(なつはら みか)。

 自分の同僚の夏原 瓢臥(ひょうが)の姉であり、NEVの戦闘員でもあった女性。

「あの、ウチのバカ弟、知りません?」

「バカ弟……瓢臥のことですか?」

「ええ。連絡とろうにも、通じなくって」

「……NEVを離れた、と聞きましたが?」

「そうなの。だから、心配で。ほら、あの子、いつも突っ走って自爆するでしょ?」

 さすが。姉だけあって、よく分かっている。

「まぁ……確かに、そういった一面があったことは、記憶に残っていますが」

「でしょ? ……でも、弟を知ってる貴女でも、弟が何処に居るかは……」

「すいません。分かりません」

「そう……ごめんなさいね。お時間、いただいちゃって」

 腰低い女性に、なぜかイラつく。

 あぁ、そうか。

「すいません。あの……」

 煩い。黙れ。自分は……!

「貴女、悪魔、ですか?」

 目の前で、夏原美佳が目を見開いた。





「私が、悪魔? 違いますよ」

「えぇ。私もそう思いました。しかし」

 煩い、この胸の鼓動。

「貴女は、悪魔だ」

「ですから、違いますよ。それに、私が悪魔だとすると、弟の瓢臥も悪魔になってしまいます。弟は、天使ですよ?」

「まるで、天使、悪魔は、遺伝すると言いたげですね?」

「というより、そう言いたいです」

 苦笑いする夏原美佳。

「実は、貴女も所属する、NEVでの結果なんですが……」

 黙れ、私は、誰にも縛られない。

「天使と悪魔の能力は、遺伝しないんです。まぁ、超低確率ですが」

 自分がNEVに所属していた時、研究担当部がNEV責任者にも内緒で、実験を行っていた。

「しかし、超低確率でも遺伝しない事は、確かなんです」

 つまり、夏原美佳と夏原瓢臥の姉弟が天使と悪魔で分かれていても、別におかしくはない。

「実際に、過去、村月葉菜姫とその母、村月リオネは、天使と悪魔で分かれていましたし」

「私が悪魔で、弟が天使であっても構わないと?」

「ええ。遺伝しないのは、実験結果から言って、明らかです。そして、あなた方はその、超低確率の1人、というわけですね」

「……私が、悪魔であるという証拠は?」

「NEV隊員である夏原美佳は、1年に1度、健康診断をうけています。その結果で、弟の瓢臥とは別の数値が数多く見られます」

「数値?」

「まず、単純な戦闘能力。これは、天使よりも悪魔のほうが勝っています。まぁ、個人の運動神経、知能によって、戦闘能力も変わってきますが、平均の天使と悪魔で考えれば、悪魔のほうが能力は上ですよね?」

「……そういう見方もできる、とNEVでは常々言われているけど」

「悪魔である貴女と天使である瓢臥の戦闘能力の数値は、戦闘部の瓢臥よりも、貴女のほうが上でした。今もそうでしょうね。……しかし」

 自分はさっき、個人の能力次第で、戦闘能力も上がっていく……そう言った。

「それにしても、貴女は……」

 バリバリバリ、という喧しい音。

 上空を見れば、ヘリコプター。それも1機じゃない。数え切れないほど、それこそ、空を埋め尽くすほどにはある。

「ヘリコプター……?」

「あれ? 鋼夜春袈さんともあろう方が……獅子召喚術のことをお知りでは?」

 獅子召喚術……?



 ――NEVの獅子召喚術を止めて、獅子を奪還してください。そうしないと……NEVも何もかもなくなってしまう……!



「獅子召喚術をNEVはすでに……?」

「ええ。でも、そのためにはこの都市に居る魔法使いの力が必要なんです。だから」

 ニコリと笑う、夏原美佳。なぜか、その笑みに、寒気がはしる。

「邪魔するなら、向かい撃つだけですよ?」

 あぁ、この人は本気なんだ、と意識の片隅でそう思った。

 同時に、ヘリコプターから飛び降りる、人たちを見て、撃てるのか? と疑問に思ったが、

「向かい撃つ……。そうですか」

 なぜだろう。この人は許せない。

「なら、私は、向かい撃たれる前に、貴女方を撃つまでです」

後書き


作者:斎藤七南
投稿日:2011/02/27 16:46
更新日:2011/02/27 16:46
『White×Black=Glay?』の著作権は、すべて作者 斎藤七南様に属します。

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作品ID:619
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