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作品ID:636
「いつか、きっと。」へ

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いつか、きっと。

小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 連載中

前書き・紹介


第一話 力

前の話 目次

気づけばあった、私の力。



妖には両親と、兄を殺された。

その妖と同じ力を持つ、私。



――ナゼ、ワタシガ……?



         ?第一話 力?



「琴葉、おはよー」

ポン、と軽く肩をたたかれ振り向くと、友達の佐々木奈美がいた。思わず笑顔になる。

「おはよう、奈美」

「ね、ね! 数学の宿題、やってきた?」

「やってあるよ」

そう返事をすると、すっと両手を出してこちらを見る奈美。

「その手は……?」

「琴葉様! 数学の宿題を写させてください!」

はあと、思わずため息を漏らす私。奈美の声を合図にしたかのように、俺も、私も、とだんだんと人が私の周りに群がってくる。

「わかったから! ちゃんと授業前に返してよ」

そういい、数学のノートを出して奈美に渡す。すると、みんな奈美に、次に貸して、と予約をしに行く。



大体の順番が決まった時にチャイムが鳴り、担任が教室に入ってきた。



「今日は、我がクラスに新しい仲間が増えることになった! 仲良くしてやれよ!」



ざわざわとクラスがざわめき始める。

通路を挟んで右隣の男子が、話しかけてくる。

「なあなあ、俺さっきすれ違ったんだけどさ、すんげえかわいかったぜ!」

「へえ、そうなんだ」

そう返した瞬間に、前の扉が音を立てて開いた。



「ほら、かわいいだろ!」

「……どう見ても学ラン着てるし」



金色の髪の毛を、後ろで一つに束ねていて、猫目で、少し女の子っぽい顔をしているが、その子は学ランを着ていて、男の子だとわかる。

「あっれぇ?っかしいなあ……」

「服装くらいちゃんとみなよ」

「こらそこ。無駄話するな!」

担任に思いきり怒鳴られた。



「じゃあ、自己紹介をしてもらおうか」

「影宮閃って言います」

「じゃあ影宮君は……あそこの窓際の席な。あの、さっき無駄話してた女子の左隣の席」



心の中で、私は溜息を吐いた。

女子の目がキラキラと光っているところから見て、おそらく休み時間になった瞬間に、この周りは女子の大群に包まれることになるであろう。

それまでに、どうにかしてここから逃げなければ、間違いなく圧死する。



(どうしようかな……)



少し考えて、結局いつもの場所に行くことにした。

後書き


作者:秋桜 紅葉
投稿日:2011/03/30 19:05
更新日:2011/04/19 23:41
『いつか、きっと。』の著作権は、すべて作者 秋桜 紅葉様に属します。

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