ここは冥界前、未練解消所（仮）

「さて、また一人送り出しましたし・・・休憩しますか！」

「杏奈基準がゆるいよ・・・間髪いれず次が来る可能性を考え「さてっと・・・何食べましょうかね？」

「人の話を聞いてるのかい！？」

　・・・管理人は頭のゆるい人ですがあしからず。

「誰の頭がゆるいんですか！」

「うわ！　どうしたんだい杏奈？　いきなり何も無いところに叫んだりして？」

「えっと、気のせいですかね・・・？」

「？　いったいどうしたんだい？　電波でも受信したのかい？」

「私は電波キャラじゃないですよ！」

「じゃあ、ロリキャラ？」

「黙りなさいこの中途半端キャラ」

「それは杏奈もでしょ？」

「ぐっ！　・・・反論出来ないのが悔しいです」

　いつも通りのたわいの無い会話・・・。

　　　　　その時

「いや?、久しぶり、髪切った？」

「誰ですか？」

「？　まだここに魂が来るっていう知らせも来てないし・・・」

　そこに居たのは長身でほっそりとした感じの少年だった

　露骨に不審がる二人（性格には一人と一匹）

　杏奈はモロに鎌を構えて臨戦態勢である。

「ちょ！　ちょっと待て落ち着け！　別段怪しい者ではない！」

　両手を上げて無抵抗のポーズをする少年。　っが、しかし

「ふん！　ひねりの無い台詞ですね。　最近の理性を失った変質者でももっとまともな言い訳しますよ」

　少年に鎌を突きつけて啖呵を切る。

「だから一回落ち着けよ！　ってか、落ち着いてください！」

　少年の懇願に渋々と鎌を下ろす杏奈。

「っで？　君は誰だい？」

　すぐにディーが質問する。

「ん？　俺か？　俺はお前らを作った・・・」

　ブンッ！

　少年の台詞はいきなり横なぎに一閃された杏奈の鎌によって中断させられた。

「！　あぶねぇぇぇええええええええええ！！！」

　後ろに体を反らしぎりぎりで回避！

「あぶねぇな！　殺す気か！？」

　しかし、少年の台詞を聞かずに攻撃を仕掛けてくる杏奈！



　　　　　っが、しかし



　ガッ！　つるん！　がん！

「きゃあ！」

　そこに転がっていた（杏奈が放置していた）飴玉を踏みつけて転倒、そのまま目を回して昏倒してしまった。

　それを見ていたディーはやれやれ・・・っと、首を振ってから少年の下へ

「一体何用だい？　神様」

「ん？　ああ」

　ディーの元に向き直る少年・・・もとい神。

「今日はお前らが仲良くやってるか見に来たんだが・・・ひどい目にあったな・・・」

「手抜きするからだよ・・・まったく・・・」

「あははは！　わりぃな」

「笑い事じゃないよ・・・」

　大爆笑する神にため息をつくディー。

「まぁ、こっちは仲良くやってるよ神様」

「そうか・・・なら、俺はこのじゃじゃ馬が目覚める前に立ち去るわ・・・じゃあな」

「何かあったら報告するよ・・・・・・ちゃんと仕事しろよ？」

「うえ?・・・お前も天使どもと同じようなこと言うなよ・・・」

　うんざりとした様子で神は立ち去っていった