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PC名:町谷 春樹(まちや はるき)
性別:男
学年or担当教科:1年
指名PC:榎本 聖良さん
アイコンサイト:Belle様(http://...
その他:榎本さんとはクラスメートではあるが入学以来一度も話をしたことはないと言えるほど面識のない関係。常に自分に自信が持てず、何をやっても自分は駄目な人間なんだと思い込んでおり、若干卑屈なところがある事に自身も気づいており、何とかしたいと思ってはいるものの思うだけに思いとどまっているのが現状。友人も殆どおらず、休み時間も一人で過ごす事が常。唯一まともに会話ができ、笑顔を見せる事が出来るのは猫や犬といった動物達で、昼休みや放課後は、校舎裏に向かってはよく忍び込んでくる白猫と会話するのが唯一の楽しみ。
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(それに気が付いたのはほんの偶然だった。今日も今日とて、クラスメート達が放課後の開放感に笑顔を浮かべて声をかけ誘い合いながら教室を出て行く姿を横目に、自身に声をかける存在など誰一人いないことは重々承知していると特に何を思う訳でもなく教科書とノートをまとめ鞄に押し込む。そのまま本日も校舎裏によって日課となっている、唯一の友人ともいえる白猫に会いに行くため、立ち上がった時だった。)あ…。(小さく声を上げた視線の先にはクラスメートで図書委員である女子生徒。その程度の認識しかもっていない程に面識のない相手ではあったが、少し離れた机から彼女が立ち上がった時にひらりと一枚の紙が彼女の鞄から地面に舞い落ちた。落ちたのは、本日出された数学の課題であるプリント。彼女は何も気づかずに立ち去っていくのを視界の端に写しながら、少し移動してそれを拾い上げたまではよかった。だが、それからどうしたものかと暫し困惑してしまう。まだ教室を出ていない今なら呼び止め手渡すことも可能だ。けれど呼び止めるという行為に酷く緊張を感じていた。自分等に声をかけられても彼女にとっては迷惑だろう。おそらく委員会の仕事で図書室に向かった時に気が付いて探しに来るだろうから、余計なことはせず机の上に置いておくほうが良いのかもしれない。等と卑屈な考えが頭をよぎるも、これぐらいの事さえ出来ないでいるからいつまでたっても変われないのだという思いを確かに自信の中にはあり。彼女が教室を出て行くまであと少し、数秒の思案の後足は自然に彼女の方へと向かっていた。そしてゆっくりと口を開く。)あ、あの榎本さん…!(自身にすればいつもよりは大きな声であれば彼女は振り返ってくれた筈。そんな彼女の目を見ることまでは流石に出来ず、俯き長い前髪で目を隠しながら右手に持っていたプリントを彼女へと差し出した。)………。これ、落ちたから。…それだけ。御免。(何とか言葉にした用件を告げたものの最後に謝罪を付けたのは、こんな事で呼び止めて、や、俺なんかが声をかけて、と言った感情の表れだろうか。それでも自身にとってはそれは小さな勇気を出したもとにとれた行動であり。彼女がプリントを受け取ってくれたのを見届けたなら、そのまま言葉もなく教室を出て行くのだろう。そして向かうのは、いつもの校舎裏。そこで待っていてくれる白猫におやつをあげながら自分の先程の行動をさながら武勇伝のように告げる姿を、白猫は生暖かい目で見守っているのかもしれない。)
町谷 春樹:2020/3/2 (Mon) 22:06 No.32:
(放課後の予定、何時も通り。――放課後はクラスメートと会話するでもなく、帰りの支度を終えれば真っ直ぐに図書室へと向かうのが榎本のルーチンであった。さようなら、の号令で頭を下げては教科書類を鞄へと入れてスタスタと教室を出ていくべく歩を進める。嗚呼、今日はどの本を読もうか、何処から片付けようか、そんな事を考えていればプリント一枚、落ちた事に気が付かず緩やかに歩を進め続けていた。脳裏でぼんやりと、数学の課題プリントは時間があれば図書室でやってしまおう、等と思っていた最中であったことは偶然か、はたまた。日が沈み続けるように、時間は止まらず進み続け、少女の足もまた止まる事は無い。緩やかな調子で、穏やかな歩みで、一歩、また一歩と教室の外へと向かい、廊下を歩み、図書室へ向かわんとしていた。後ろからの気配であるとか足音で有るとかはこの教室内で気になるわけもなく半歩、廊下へと片足を踏み出しかけた所で――名を呼ばれ、振り返る。)……? なんでしょうか、町谷さん。(振り向き、双眸を瞬かせてはやや間を置いて彼の名を呼んだ。出入り口に突っ立っていては迷惑だろうとスタスタと彼の元へと歩み寄ってはその顔を見て――居るようで、微妙に視線を逸らしたまま。なにせ人と視線を合わせるのは少しだけ、苦手だった。殊、大した関わりもない相手とも為ると尚更に。お互いに微妙に視線が交わらぬ侭、けれどもそれに気付かぬ侭で不意に視界に映る白、そしてよく見れば書かれている文字。はて、と首を傾げかけるもそれが数学の課題プリントだと理解できれば目を丸くして、思わず彼の顔をじ、と見遣る。)……嗚呼、そうだったんですね。有難うございます。その…‥助かります。…………謝るのは、此方の方です。ごめんなさい、お手数おかけしてしまって。拾ってくださって本当に助かりました。(少しだけ、ほんの僅かに持ち上げた口角は彼に見えたか、見えなかったか、確認しようもない。ただ深々と頭を下げては再びスタスタと図書室へと向けて歩を進めたという事実があるだけ。――けれど、ふと足を止めてくるり、振り向くは出入り口の直ぐ側で、)町谷さん。(彼の名を呼ぶ声はほんの少し、少しだけ平素より大きな声。彼がもしも此方を見てくれれば小さく手を振って、そうでなくてもそのままの姿勢できっと、こう続けたはずだ。――「本当に、有難うございました」と、それだけ。図書室へと歩む、夕焼けに染まった廊下は少しだけ、ほんの少しだけ普段よりも明るく輝いて見えたのは多分、気の所為なのだろう。)
榎本聖良:2020/3/5 (Thu) 04:10 No.42: