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指名PC:穂村遥斗さん
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(その日は家庭科で調理実習の授業が行われた。直前まで授業に出るかどうかは気分が乗るか否かで判断するつもりだったので五分五分だったが、最終的に出席して――そこで作ったのが、ごくありふれたマドレーヌとクッキー。折角だからとマドレーヌはプレーンとショコラの二種類の味を作った。ほとんど友人と共に平らげたが、一部は残して透明な袋に入れてリボンを結び、簡易的にラッピング。それを手にして、放課後に向かうのは――彼がよく居る、旧校舎のエリア。)あ、穂村せんせー!おーい!(彼の姿を見つけるなりいつもみたいに片手を振って駆け寄り、にはっと笑いかける。)今日も吸ってるとこだった?……でさ、今日は先生にちょっとしたプレゼント持ってきたんだよね。じゃーん、これだよ!(と大げさな効果音までつけて差し出すのは、ラッピングをした透明な袋。中にはプレーンとチョコレートのマドレーヌが一つずつと、クッキーが三枚ほど。)これ、調理実習で作ったんだけど…もらってくれない?あ、ていうか甘いものとか平気?(事前にそうした情報を得ていなかったと今になって気づき、問いかける。もし苦手なら引き取って自分で食べようかと思っているけれど、さて。)
花鹿早妃:2020/3/5 (Thu) 02:29 No.40:
(甘い香りが鼻孔をくすぐる時間がある。そんな日は調理実習があったのだろうとなんとなしに思いを馳せて廊下を歩んでいた。……今日は少し、腹の虫がなりそうだった。――放課後、ある程度の仕事を片付け向かうのは何時もの旧校舎の片隅。ポケットに忍ばせていた煙草に手を伸ばしたその時、聞こえたのはすっかり聞き馴染んだ女生徒の声。ズボンのポケットから手を引っこ抜き、少し子供じみた笑みを向けてを振ろう。)花鹿さん、こんにちは。今日はどうなさいましたか?(挨拶は少し、慣れてきた。穏やかな調子で言葉を紡ぎ彼女の来訪を迎えよう。)いえ、ちょうど今から、と言うところでしたよ。――おや、良いの、ですか? ……その、別のクラスのお友達や部活動のお友達にお渡しにならなくても。……、……。(取り出された綺麗にラッピングされた袋を見て双眸を瞬かせる。数刻前のことを思い出しもしや、と思っているうちに彼女の口から語られる内容になるほど、と頷いて。)嗚呼、やっぱり今日は調理実習、お菓子だったんですね。……甘いもの、は……好きです、有難うございます。ちょうど調理実習が終わった頃合いでしょうか、廊下を歩いていたらよい香りがしたもので……ちょうど甘いものが、食べたいな、等と思って居たので、その……嬉しいです。(先輩が教育実習生の特権、の様に語っていた事がよもや己の身に起こるとも思っていなかった故、何処か研ぎマギしつつもその声は嬉しそうに。)
穂村遥斗:2020/3/8 (Sun) 05:21 No.46: