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指名PC:お任せ
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(桜の見頃も過ぎ、校舎へと続く道は花弁の絨毯が敷き詰められている。数多の生徒が通るせいで砂と足跡で汚れた薄桃色を、古すぎて形を保つのが精一杯の箒で払っていた。ふぅ、とため息を吐いて箒の柄の天辺に体重を掛ければ、同じく雑用を任されていた人へ目をやり)なぁなぁ、ちょっとばかしサボってもバレへんと思わん?(ゆらゆら、体を右へ傾ければさらりと黒髪が流れた。退屈そうにまだまだ残る花弁を見遣り)掃除機でガーッと吸ったらだめなのかなぁ。……でも、散っても綺麗なのは桜のいいとこよね。(春の放課後は日が高くまだ明るい。ついこの間まであっという間に訪れていた夜は、まだ遠いようだった。)
松川小夏:2020/4/27 (Mon) 12:01 No.49:
(掃除を任されたともなれば、正直あからさまに嫌な顔をしてしまったがそれはさておき、任されたことをサボれば余計に面倒になることは目に見えている。薄桃色が降り注ぐ中、古びた箒片手に気だるげに掃除を行っていれば不意に降ってきた言葉に双眸を丸くし、ぱちり、とまばたきを一つ。)ん~、でもバレたら面倒じゃないですか? ……や、ぶっちゃけサボりたいですけどねぇ。(そう告げては肩を竦める。『でも実際面倒ですよねぇ』なんて添えてはあはは、と笑う。)あ~、確かに。其れかもういっそあの、風がぶわーっ! って出るやつ……何でしたっけ、ブロア? で全部横にどけて終わり! にしたいっす……。あはは、確かに。絨毯みたいで、綺麗ですよね。(先輩、なんて添えてゆるゆると笑ってみせる。ゆっくりと夕焼けに染まる雲を見上げ、桜を見る。なんでも無い“今日”は、こんなにも穏やかで心落ち着く。――たまにはゲーム画面ではなく、こんな景色をリアルに見るのも悪くない、なんて思いながら。桜の花のよく似合う先輩をなんとなしに見つめ『サボっちゃいます?』なんて声をかけるまであと、数秒。)
沼寅碧流:2020/4/29 (Wed) 00:08 No.50: