
指名PC:駿河杏さん
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(背筋がピンと伸びていて、綺麗な子だと思った。転入生ということもあったから教師はクラス委員の彼女に自分を任せたけれど、その真っ直ぐな瞳に捉えられると何もかも見透かされてしまうようで、何かと理由を付けて逃げていた。苦手な訳じゃないけれど、軽薄な自分はなんとなく好かれないような気がしていた。ただ共に学んで気づいたのは、その声色はいつも慈愛を含んでいるという事。)駿河ちゃん、(つ、つ、と誰かの机の上に指先を走らせながら黒板の方に近寄っていく。二人きりの教室では女が歩く気配も大きく響くような気がした。几帳面にチョークを走らせる姿に瞳を向けて独り言みたいに静かな言葉を落としていく。)この間、ありがとうね。うまく言えないけど……一人で居たくない時があるの。たまにね。なんか、怖いものに追われてる気がして。(こんな風に誰かに心を打ち明けることなんてないものだから、照れ臭さが大きくなる。俯きがちにへらりと口元に笑みを浮かべては「夕方って弱音も吐けちゃう気がしない?」なんて顔を上げては笑ってみせた。チョークが彼女の手から離れた頃、教卓に1番近い席に体重を預けて寄りかかっていた女はひょいと一歩、近づいて)ねぇ、今日も読みたい本がある?(スカートがひらりと揺れた、後ろ手に指先を絡ませて少しだけ彼女より低い位置から見上げる形で視線を投げる。悪戯っぽい軽やかな口調で紡いだのは甘えだ。許されるならばまだ鍵を閉めないでほしい。この茜色に染まった空間を、二人だけで過ごしたいから。)
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(背筋がピンと伸びていて、綺麗な子だと思った。転入生ということもあったから教師はクラス委員の彼女に自分を任せたけれど、その真っ直ぐな瞳に捉えられると何もかも見透かされてしまうようで、何かと理由を付けて逃げていた。苦手な訳じゃないけれど、軽薄な自分はなんとなく好かれないような気がしていた。ただ共に学んで気づいたのは、その声色はいつも慈愛を含んでいるという事。)駿河ちゃん、(つ、つ、と誰かの机の上に指先を走らせながら黒板の方に近寄っていく。二人きりの教室では女が歩く気配も大きく響くような気がした。几帳面にチョークを走らせる姿に瞳を向けて独り言みたいに静かな言葉を落としていく。)この間、ありがとうね。うまく言えないけど……一人で居たくない時があるの。たまにね。なんか、怖いものに追われてる気がして。(こんな風に誰かに心を打ち明けることなんてないものだから、照れ臭さが大きくなる。俯きがちにへらりと口元に笑みを浮かべては「夕方って弱音も吐けちゃう気がしない?」なんて顔を上げては笑ってみせた。チョークが彼女の手から離れた頃、教卓に1番近い席に体重を預けて寄りかかっていた女はひょいと一歩、近づいて)ねぇ、今日も読みたい本がある?(スカートがひらりと揺れた、後ろ手に指先を絡ませて少しだけ彼女より低い位置から見上げる形で視線を投げる。悪戯っぽい軽やかな口調で紡いだのは甘えだ。許されるならばまだ鍵を閉めないでほしい。この茜色に染まった空間を、二人だけで過ごしたいから。)
:松川小夏:2020/2/26 (Wed) 07:40 No.7:

(第一印象、笑顔が似合いそうな子。――クラス委員として転入生の彼女の世話係を任されるのは至極当然の流れといえばその通りで、その事に対する異論は一切なかった。彼女の迷惑にならないようにと思えど、無意識に気を回してはお節介を焼いてしまうのは最早性、とでも言うべきだったろうか。放課後の教室、彼女の姿を見かける度に何故か、頬が緩んでしまう。)……? 松川さん、どうかした?(会釈の後に何時も通り、黒板の日直欄を書き直す。何時も通り、ルーチンワークの様なもの。けれど代わり映えしない世界に一人の少女の声が色を添えた。その名を呼んで、けれども手は止めずに、続く言葉を待っていた。)あら、お礼なんていいのに。少しでも貴女の気が楽になったなら、それだけで嬉しいから。でも……そうね、どういたしまして。……逢魔が時、魔物に遭遇するだの、厄災が起こる時刻だの昔から言われてるもの、そういう気持ちになっちゃうのも仕方ないのかもしれないわね。(パチクリ、双眸を丸くするのは一瞬。直ぐにゆるりと目を細めればそんな言葉を溢す。「わかるかも」なんて添えては小さく喉を鳴らす。なんとなしに、頼ってくれたようで嬉しくて。)そうね、昨日の続きをまだ読み終えてないから……もう少し読んでいこうかしら。嗚呼、でも。(パンパン、と手の粉を払っては半歩、彼女へと歩み寄る。ニコリと微笑んで小首を傾げれば黄昏の色が少し、眩しい。)松川さんとお喋りして過ごすのも、私としてはありかな。(そんな言葉は至極、穏やかに紡がれる。逢魔が時は恐ろしくとも二人ならば、或いは。)
:駿河杏:2020/2/27 (Thu) 02:40 No.12: