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指名PC:駿河杏さん
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(近寄り難く感じていた女の子が年相応の笑みを浮かべた、それだけで女が懐くのに時間はかからなかった。いつしか放課後は友人の帰りを見送りつつファッション紙を読んだり、百面相しながらスマートフォンを向き合ったりしながら彼女の作業が終わるまで待つのが当たり前になっていた。駿河ちゃん、と呼ぶのも随分慣れたことであるし、その声色には甘えが滲んでいた。)前にさ、駿河ちゃん、逢魔時って言ったじゃない?昔の人はあれ、なんか感じてたんやろか。日暮れになると怖いもんきよる〜って……。(机の上に開いたファッション紙をパタリと閉じる。窓の方へ目をやれば寒さに溶けるオレンジ色、なんだかぞわりとして寒くもないのに両腕をさすって、へにゃりと下げた眉のまま弱ったように彼女を見る)このまま帰れなくなりそうな気、するんだよねぇ。(「まぁ、毎日帰ってるけどさ」なんて冗句めかして呟けば、ふ、と浅い息を吐いた。どうもやはり、この時間帯が苦手なものだから。共にいてくれる彼女が心強くてしかたなかった。)
松川小夏:2020/2/27 (Thu) 21:14 No.15:
(気付けば近くなった距離が、なんだか嬉しかった。自分だけでは決して手を出さなかったであろうファッション誌に関する知識も、スマートフォンのアプリゲームの事も、きっと何でも無い放課後、彼女へ問いかけた事により知った知識の一環だ。名を呼ばれる度に、年相応な笑みを浮かべて「なあに、松川さん」だなんて返すのもすっかり慣れたもの。彼女の声が耳に心地よかった。)嗚呼、そういえばそんな話もしたわね。そうね、やっぱり……空の色も少し不思議な色合いになるし……怖い、とは思っていたのかも……?(ぐぐ、と首を傾げては彼女につられてちらり、外を見た。黄昏色に染まる空、昼と夜の狭間。明るい色が暗く染まっていく境は紫がかって、この年令になっても少し怖い様な心地を憶える。息を吐いて、視線を彼女へ戻そう。)……、……大丈夫。もし帰れなくなっても私が松川さんをちゃんと家まで送り届けるから。(思わず、そんな言葉を紡いではハッ、として「……帰れなかったら一大事だものね」なんて添える。再び視線を外へと向ければ時間は止まるわけもなく、ずんずんと日が沈んでいく様な、そんな気がしてしまった。)……今日は、ちょっと早めに帰って……寄り道でもしちゃう?(子供じみた笑みとともにそんな言葉をポツリ。なんとなしに買ってみたファッション誌に載っていたカフェの情報がの中に、この近辺に有るものがあった事をふと思い出して。――居残るでも、帰るでも、何方にしたってきっと変わらず今日も二人、良い日になると信じて。)
駿河杏:2020/2/28 (Fri) 01:58 No.18: