「姉様、見てください。純粋な姉様はきっとご存知ないでしょうが、世の中にはこんな玩具もあるのですよ」
「……?」
白瑛の手にしている太い棒状のものに、はぼんやりと首を傾げる。性に疎く男性器の形状すら思い浮かばないらしいの様子に、白瑛はくすくすと淫靡な微笑みを浮かべた。
「無知で可愛い姉様、これはおちんちんを模した玩具なんですよ。私と姉様のナカにこれを挿れて、私たちを繋ぐんです」
「……っ!?」
「私の初めてを、姉様に差し上げます。ですから姉様の初めても、私にください」
たおやかな手の中にある玩具の恐ろしい用途と白瑛の要求に、は真っ青な顔でぶんぶんと首を横に振る。艶やかな笑みを浮かべた白瑛はの拒絶がまるで見えていないかのように、震えるへと跨った。
「や、やだ……いや、白瑛、そんなの……」
「大丈夫ですよ、姉様。あまり太過ぎないものを選びましたし、初めての私たちには丁度いい大きさです」
の怯えを根本から理解していない白瑛は、腰を少し浮かせて自らの膣口にそれを宛てがう。片手で玩具を支えながら、もう片方の手での腰を押さえつけ、双頭の張型の先端をの入口へと押し付けた。くちゅりと鳴る水音と今にも襞を割り開いて押し込められそうなおぞましい玩具に、はガタガタと震えながら半狂乱で首を横に振る。
「やだ、おねがい、お願い白瑛、こんなのいや……! いれないで、はくえい、」
「でも姉様、私たちがひとつになるために必要なことなんです。そんなに怯えなくても大丈夫ですよ、優しく、しますからね」
玩具を浅く自らの膣に挿入し、白瑛は身を捩らせるの腰をぐっと押さえつける。指先での襞を開いて玩具をしっかりと宛てがうと、腰を抱き寄せるようにして躊躇なく双頭の玩具を自分たちに深く沈めていった。未通の秘所がこじ開けられる、裂けるような痛みには引き攣った呼吸を繰り返しながら拒絶の声を上げる。けれど、白瑛は自らも破瓜の痛みに眉を寄せながらも、の腰を抱き寄せる力を緩めるどころか更に強くした。
「あ、ぅ……ひう゛ッ……、」
「ねえさま……っ、」
ぎゅっと抱き締められて肌が重なって、硬い玩具が互いの最奥にこつんと当たる。詰めていた息を吐いて身じろぎした白瑛は、の膣から伝い落ちた鮮血を目にして、歓喜の笑みを浮かべた。
「お綺麗です、姉様……」
無垢な白い肌を伝って、純潔を穢した赤い血。恍惚と笑みを深めた白瑛は、自らの破瓜の血もまた伝い落ちて姉のそれと混ざり合うことに熱の籠った溜め息を吐いた。
「これで私たち、ひとつになれましたね」
痛みと精神的なショックで震えて動けないの肌を、触れるか触れないかのところで撫で回す。ビクリと跳ねたの腰を掴んで、白瑛はゆっくりと自らの腰を引いた。同時に張り型が中を擦って引き抜かれていく感触に、はぞわりと背筋に何かが走っていくのを感じて目を見開く。
「も、やめ、」
「ふたりで一緒に果てるまでが情交なのですよ、姉様」
聞き分けのない子どもを宥めるように、白瑛がの頬に手を当てる。すりすりと優しく撫でられるも、自らの純潔を奪った無機物が更に自分を蹂躙していくことに、は耐え切れずにボロボロと泣きながら白瑛の腕を掴んだ。の腰を掴んで律動の支えとなっているその腕を剥がそうと力を込めるも、同性であるはずの白瑛の腕はびくとも動かない。あまりに非力な姉姫の抵抗に、白瑛は何が楽しいのかにこにこと笑いながら口を開いて窘めた。
「おいたはいけませんよ、姉様。きちんと最後まで、しましょうね?」
なけなしの抵抗など歯牙にもかけずに腰を押さえつけ、自らの下半身を引いてぎりぎりのところまで玩具を引き抜く。先端の反り返しまで精密に作られたそれがの膣道から愛液をかき出して、太腿へと伝い落ちるそれが白瑛の目を楽しませた。ゆっくりと押し戻すように腰を押し付けると、襞を押し開いて張り型がめり込む感覚には目を見開いて怯える。最奥を叩けば唇を噛み締めたの瞼から涙が零れ落ちて、思わず白瑛はの目じりに口を寄せてその涙を舐め取った。そうして初めは執拗なまでにゆっくりと、往復を繰り返す。その内にがびくりと身を震わせる場所を見つけて、白瑛は器用にグリグリと玩具の頭をそこに押しつけた。攻めに回っているためか白瑛に直接的な快感はさほど無いが、姉の無垢な性器を欲しいままにしているという事実に白瑛の頭は沸騰しそうなまでの興奮を訴えている。苦痛から喘ぎへと変わり始めたの吐息に胎の奥が疼き、ドクドクと心臓が脈打つ。細い腰を掴む手が汗で滑るのがもどかしくて、白瑛はの首に腕を回すように抱き着いて腰を打ち付け始めた。一定の律動でパンパンと肌が重なる度に、張り型の先端が白瑛の子宮口をも突く。
「姉様、姉様……!」
姉と繋がる快感に、白瑛は密着したの顔に頬をすり寄せる。きっと姉も自分と同じように快感の声を上げているに違いないと耳をの口元に寄せた白瑛は、が発していた声に凍りつくように固まった。
「いや……やめて、抜いて、おねがい……」
啜り泣くような声は、先程からずっと変わらない、行為の拒絶。自分の想いまで否定するような泣き声に、白瑛の頭は冷水をかけられたようにすうっと冷える。けれどそれは、にとって更に救いのない結果をもたらした。
「……ひどいです、姉様、睦み合っているのに、そんなことをおっしゃって」
ぐぽっと容赦のない音を立てて玩具を引き抜いた白瑛が、肩で息をしているの体をうつ伏せにひっくり返す。再び腰を掴んで尻だけ高く持ち上げる格好にさせた白瑛は、泣きそうな声で言った。
「わたしはとても傷付きました、姉様。こんなひどいことをおっしゃる姉様には、お仕置きしなければなりませんよね」
「はく、えい……っ!?」
楔を突き立てるように、後ろからを貫く。突き出されたような格好の小さくきゅっと締まった尻を掴んで、白瑛は独り言のように小さな声で言った。
「雄兄様がなさっていたように、おしり叩きにしましょう、姉様。反省するまで、やめてあげません」
「や、やめ……、ッ!!」
「ダメですよ、姉様。言い訳は折檻を長引かせるだけですから」
パシン、バチンと白くたおやかな手がの尻を打つ。形のいい尻は、打たれる度に震えてきゅっと中の張り型を締め付けた。尻から太腿にかけても火傷跡が広がっているが、白瑛の平手打ちは容赦がない。最初はやめてと懇願していたも、真っ赤な手形が広がっていく頃には弱々しく泣き始め、やがてはごめんなさいと小さく啜り泣くようになった。親に叱られた子どものように頭を抱えたを見て、白瑛は平手を止める。
「姉様、わかってくださいましたか?」
「ごめんなさい、ごめん、なさい……!」
「大丈夫ですよ姉様、私は怒っていませんから。姉様が私のことを好いてくださっていることは、知っていますから。ですから姉様、どうか素直でいてくださいね?」
優しくの頭を撫でて、言い聞かせるように囁く白瑛。ぷるぷると小動物のように震える姉を撫でていた白瑛は、ふとの脚を伝う透明な液体に気付いて扇情的な笑みを浮かべた。
「あら、姉様、叩かれて気持ちよかったのですね」
の肩がびくりと跳ねたのは、白瑛の言葉に反応してか、それともツツっと肌をなぞった白瑛の指に対するものか。泣き腫らした顔で眉を下げて振り向いたを、白瑛は口角を持ち上げた笑みを浮かべて見下ろした。
「叩かれて悦んでしまうなんて、初めてなのにはしたない姉様。でも、そんなところも大好きですよ」
尻にまで広がる火傷跡と綺麗な肌の境界線を指でなぞりながら、赤く腫れたそこをいたわるように舌を這わせる。羞恥が閾値を超えて最早何も言えない様子でいるに対して庇護欲が湧いたが、それ以上に更に虐め抜きたい衝動が溢れ出す。どうしてこの小さくて可愛い姉はこんなにも愛おしくて、壊したいほどに美しいのだろう。ただただ求める衝動のままに、「そんなに欲しいのでしたら」と嘯いた白瑛は再び腰を振り始めるのだった。
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