「とりあえず殴らせてくれ」
「貴様のどうしようもない話に付き合ってやった俺に対していい度胸だな、ランスロット」
「じゃあ言ってみろ」
「……あのお転婆娘にキスをしたいと思った」
「やっぱり殴らせろ」
「なんだ貴様自分は致したいとかのたまいながら!」
様を幼児体型と罵ったお前に言われたくはない!」
「俺は欲情したとまでは言っていない!」
「だが様は愛らしいだろ!?」
「そうだがな! 何なんだあれは! キスをしてもいいかと言えば、何の躊躇いもなくこちらの頬にキスをしてきたぞ! 仮にも婚約者を前に挨拶のキスしか思い浮かばないとは天然か!」
様がそういう色事を理解していらっしゃるなら俺はこんなに苦労……何? 様にキスしようとしたのか? 人のことを散々幼女趣味だとか男女の機微を期待するなとか言っておいて? しかももうしたのか?」
「俺からは触れていない」
「当たり前だ!! 頬にキスを受けておいて何を贅沢を言っている! そこに直れパーシヴァル、俺が引導を渡してくれる!」
「受けて立ってやる、この如何とも形容しがたいやるせなさに苛立っていたところだ! 貴様で解消してくれる!」

「らんす、パーシヴァル、けんかしたの? ぼろぼろだよ?」
「喧嘩ではありません」
「喧嘩ではない」
「いたいのいたいのとんでけ、する?」
「ぜひ」
「おい」
 
180214
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