「バレンタインだよー! チョコあげる!」
「様は天使でいらっしゃる!?」
「今頃気付いたのかヴェイン」
「俺は甘いものは……」
「パーシヴァル貴様様の愛情をドブに捨てる気か」
「食べないとは言っていないだろう! ほら、その赤い包みはどうせ俺のだろう。寄越すがいい」
「貰いたいなら頭を下げないか」
「何故貴様に阻まれねばならん」
「……あの二人は長くなりそうですから、先にいただいてもよろしいですか? 様」
「うん! はい、これジークの! いつもありがとう!」
「ありがとうございます、様」
「ジークフリートさん、けっこうマイペースだよなあ……様、俺もありがたくいただきます!」
「はい、どーぞ! がんばって作ったんだよ!」
「様の手作りなのですか?」
「そうだよ? ……その、へたかもしれないけど……」
「そんなことありませんよ! この焦がしチョコ、すごい上手にできてるじゃありませんか!」
「……それね、火を吹いちゃって焦げちゃったの……」
「チョコを溶かすよりも早く焦がす炎ですか……さすがは様ですな」
「ジークフリートさん、何言ってんだ?」
「らんす、パーシヴァル、けんか終わった?」
「喧嘩などしていない」
「そうです様、パーシヴァルに対する教育的指導です」
「ランスロット貴様、」
「……チョコ、いらない?」
「要るに決まっている」
「要ります」
「二人とも即答だな」
「まあ二人とも様のこと大好きですからねー。様、本当にチョコおいしいです。ありがとうございます」
「わーい、ヴェインにほめられたよ、らんす! 『おすみつき』だよ!」
「様尊い」
「まだチョコを食べてもいないのに鼻血を出すな」
180214