「パーシヴァル、お花あげる!」
 にこにこと笑うが差し出したのは、真っ赤な花ばかりを選んで作った花冠だった。ところどころ焦げているのは、作っている最中にうっかり火を吐いたのか。小さな王女を見下ろして、パーシヴァルは真顔で口を開いた。
「……俺に、これを被れと?」
「うん!」
 こいつの感性と美的感覚はわからん、そうパーシヴァルが思ったかは定かではない。ただ、パーシヴァルはそれを受け取った。
、ランスロットならともかく俺はこういったものを着けて歩いたりはしない。作る相手を間違えているぞ」
「でもパーシヴァル、もらってくれるよ? それに、枯れるまで大事にもっててくれるよ?」
「む……」
 いつもこっそり部屋に飾っていたのだが、隠していたつもりが知られていたらしい。にこにこと綿飴のように笑うから、パーシヴァルは目をそらした。
「……そもそもこういうものは、お前のような者が着けるべきだろう。そこに座れ、俺がお前に花冠を作ってやる」
「ほんとう? パーシヴァルやさしいね!」
「もらってばかりでは悪いからな」
 パーシヴァルはあれこれと言うけれど、その実律儀でとても優しい。パーシヴァルのそういうところが好きで、はパーシヴァルが花冠を被らないのを知っていてもつい贈ってしまうのかもしれなかった。
 
180215
フリリク:パーシヴァルの夢をみてみたいです。
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