「今日はヴェインが料理当番ですよ、様。楽しみですね」
「うん! ヴェインのごはん、おいしい!」
「昼食はカレーだそうです。甘口か中辛が選べるようですが……様は甘口ですか?」
「ううん、ちゅうから食べるの」
「そうですか……」
「エルモート、エプロンにあうねー」
「そうかよ、んなこと言われたのは初めてだ。お前は甘口か?」
「ちゅうからでお願いします!」
「……食えんのか?」
「たべるよ?」
「俺は甘口で頼む」
「アンタが甘口なのか?」
「様が中辛を食べられなかったときに、交換して差し上げるためだ」
「たべれるよ?」
「念の為です」
「……騎士ってのはそこまですんのかよ」
「いや、俺がそうしたいだけだ」
「じゃあアンタが気持ち悪りぃだけか。ほらよ、中辛だ」
「ありがとう!」
(俺は気持ち悪いのか……?)
「ヴェイン、カレーおいしい!」
(ものすごく牛乳で誤魔化しながら食べているな……)
「それはよかったです! 牛乳もまだたくさんありますから、いっぱい飲んで大きくなってくださいねー」
「おっきくなるー!」
「ランちゃん、甘口でいいのか? 俺の中辛と交換するか?」
「いや、大丈夫だ。甘いものも好きだからな。ありがとう」
180222