※サンダルフォンルート時空

「ビィくんとグランから『変態がフェードラッヘに行ったから気をつけろ』と手紙が来てるけど……」
「グランにしては珍しく要領を得ないな。人相などは書いていないのか?」
「『肌の色は青ざめていて、黒の短髪に赤い瞳』……『背は高く』『胸元や腹を露出した、ダンサーにも思えるような黒い格好』」
「それなりにわかりやすいな。ここへ来るときにそれらしい人物は見かけなかったか? パーシヴァル」
「いや、見ていないな。そんなに目立つ者がいるなら覚えているはずだ。ジークフリート、お前はどうだ」
「俺も見ていない。それより、手紙の続きが……『とにかく息をするように嘘を吐く』『子どもの前で淫語を平然と口にする変態』……『ルリアの前で「オレと姦淫しないか」と口にする事案発生』……」
「……はどこへ行った?」
様ならさっき、サンダルフォンと外に……」
「今すぐ連れ戻そう」
「手配書も出すべきだな」

「らんすー」
様! ご無事で……」
「へんなひと拾ったよー!」
「おいおい、公衆の面前で変な人呼ばわりは傷付くな。前戯にしても生温いが、なかなか気持ちいいじゃないか」
「ベリアルのいってることね、はんぶんもわからないのー」
「可愛い顔をして言葉は鋭いな、将来有望だ」
「今すぐそいつを捨ててください!!!」
様、そいつばっちいですから触っちゃいけません!!」
「ひとまずその手を離して、男から離れてください!」
「? わかった!」
「ロリィタの柔らかい掌ともお別れか。それにしても、ひどい言われようだな」
様、何もされていませんか!?」
「お前はもう少し、見知らぬ者に対して警戒しろ……! サンダルフォンはどうした?」
「サンダルフォン、さっきらんすが呼んでるって、きしのひとがむかえにきたよ?」
「なっ……!?」
「それで、一緒にきしのひととお話してたら、ベリアルがきたよ? こうたいだって」
「ああ、悪いね。どっちもオレの嘘だ」
「わぁ、ベリアル、うそつきなんだね。うそついたらはり千本のまなきゃいけないんだよ?」
「君が飲ませてくれるのかい?」
「誰が飲ませるか。ひとりで勝手に飲んでいろ」
様、お耳塞ぎましょうね!」
「耳栓はないか、ヴェイン」
「俺が手で塞ぎます!」
「それよりを連れて離脱しろ! 俺はこいつを煮沸消毒する!」
「俺も手を貸そう、パーシヴァル」
「なんだ、あいつがご執心のお姫様を見に来ただけなのにえらい歓待だな。いいぜ、どっちが先にイクか……」
「ジークフリート、こいつを黙らせるぞ!」
「ああ、全力で行くぞ!」
 
180228
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