「ところで愛らしいお嬢さん。いやお姫様かな? お留守番も飽きるだろうから、オレとデートでもしようじゃないか」
「でーと?」
「一緒におでかけってことさ」
「でも、らんすいつも言ってるよ? しらない人についていっちゃいけませんって」
「いいね、ガードは固い方が崩しがいもある。ところで、キミにとっての『知らない人』の定義は何だ?」
「えっ? えーと、うーんとね……おなまえしらないひと?」
「オレの名前はベリアルだ、これでお姫様とお近づきになれるよな?」
「うーん、そうなのかなぁ……? でも、『あまりふらふらするな』って、パーシヴァルもだるふぉんも言うの」
「ダルフォン? サンダルフォンのことかな? 彼ならオレの知り合いだ」
「ベリアル、だるふぉんのおともだち?」
「まあ、そんなところかな。だからオレと一緒だったと言えば、サンダルフォンも安心するさ」
「むぅ……」

「そういうわけで、王女様はあっさりとオレを信用したね。あまりに簡単でゾクゾクした」
……! あいつは本当に……!」
「パーシヴァル、そこが様のいいところだ」
「あの王女様、純粋と白痴の紙一重だな。そこが妙に昂りを煽るんだが」
「こいつの口を縫いつけようと思うんだが、どう思う」
「賛成だな。カルマにも勝る劇物だ」
「なんだなんだ、ずいぶん熱くなるじゃないか。気持ちはわからなくもないぜ? あの王女様、すぐ騙されて咥えちゃいそうだからな」
「……貴様、いい加減に黙れ」
様を侮辱するなら、ただでは済まさんぞ」
「おっと地雷だったか。でもああいうタイプは、笑顔を壊して泣かせた方がそそるよなぁ……あの王女様、いい声で鳴きそうだ」
「ローエン・ヴォルフ!!」
「シュヴァルツ・ファング!!」
「おいおい、殺す気か? 痛いじゃないか、まあこういうプレイも……」
「消えろ!!」
 
180301
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