「んっ、あ、」
 ゆっくりと胎に義勇のものを馴染ませていったを、義勇は軽く揺さぶる。少しでも気が紛れるようにと胸の先端を摘んで撫で擦ったり、浅いところに先端をぐりぐりと押し付けてみたりする。溶けるように熱いナカで、びくびくと浮き上がった血管が脈打っている。絡み付いてくる襞が誘うのに抗わず、奥の奥まで突き上げたい気持ちはあったけれど。今しがた義勇を受け入れてぼんやりしている顔と、腕の中に収まる小さな体。愛おしいから、大切にしたかった。こんなふざけた部屋で、の命が懸かっていて、おまけに実弥にまでの痴態を晒さなければならない状況は面白くなかったけれど。それでもそうしなければならないのなら、譲る理由はない。が羞恥や戸惑いに泣きながらも身を委ねてくれたのは、義勇に抱いている安心ゆえだと自覚している。こんな形で抱きたかったわけではないが、だからといって実弥に譲る気はなかった。が実弥にまで身を許しているのは、決して義勇のついでなどではない。自身が実弥に少なからず気を許しているから、実弥に触れられることを受け入れている。にも実弥にも自覚はないようだったし、義勇はそれで構わないけれど。少し苦しそうに、それでも満たされたようにがぼうっと義勇を見上げる。きゅうっと、胸の奥が締め付けられるように切なく疼いた。
「……不死川」
「指図すんじゃねェ」
 の腰を掴んで、尻を突き出させる。舌打ちをしての口から指を引き抜いた実弥は、ふにゅりと指を食い込ませて柔らかな尻を掴んだ。ぐいっと尻臀を押し広げて、すべすべとした肌に自らの熱を擦り付ける。入るかどうか確かめるように先端をつぽつぽと押し当てると、収縮する入口が吸い付いてくる。強請られているような錯覚にごくりと唾を呑むと、がおそるおそる実弥を振り仰いだ。
「さねみさま……」
 それは、どちらの意味の懇願だったのか。それが制止だとしても逆の意味だとしても、どちらにせよ煽られるだけだ。実弥がゆっくりと先端を押し込むと、の体がぎゅっと強ばった。けれど、後ろの穴は力んでいる方が挿れやすい。ふっと軽く息を吐いて、一息に腰を押し付ける。呆気ないほど容易くずるりと押し込まれた質量に、は口をはくはくと開閉させて目を丸く見開いていた。
「……、頑張ったな」
 義勇の手が、ぴたりとの腹に当てられる。二人分の質量を収めた腹をすりすりと撫で回す手に、が「んッ」と鼻に抜けるような声を漏らした。
「は、……喰い千切る気かよォ、
「あっ、ちが、」
 溶けそうなほど熱いナカが、実弥のものに喰らいつくように締め付けてくる。ぎゅうぎゅうと収縮する穴を揶揄すると、はぶんぶんと首を横に振った。けれど、義勇が繋がったソコに触れるとまたぎゅっと強く締まって。根元までしっかりと二人のモノを咥えこんだの姿に、頭に血が集まるような興奮を覚えて実弥は舌打ちをする。柔らかい尻をがっちりと掴んだまま、ナカを解していくようにぐりぐりと腰を押し付けた。の中はぬるぬるとして柔らかくて熱く、それがキツく絡み付いてくるものだから気を張っていないとすぐに射精してしまいそうになる。ずりずりと執拗に粘膜を擦り上げると、案外それなりに感じているのかぷるぷるとの背が震えていた。感度がいいのはこの場合好都合ではあるが、と実弥はの肩に齧り付くように歯を立てる。
「んッ、」
「ケツの穴犯されても噛まれても感じるなんざ、淫乱の気があるんじゃねェのかァ」
「……痛がられるより良いだろう」
 それより噛み跡を残すなと、義勇が横から口を挟む。初めてのにあまり負担にならないようにと控えめに動いていた義勇だが、面白くなさそうに肩の噛み跡を見るとの脇腹を両手でしっかりと掴んで揺すり始める。ぬちぬちと音を立てて浅いところを先端で突くたびに、がぎゅっと目をつぶって声を呑み込んだ。「ここが好きなのか」と義勇に耳元で囁かれ、是とも否とも答えられないは真っ赤な顔で震える。とろとろと熱く濡れて縋ってくる膣の締め付けに、聞かなくてもが感じていることはわかるのだが。深くを抱き込んで、奥を突き上げる。後ろに実弥のモノを咥えて狭くなっている胎を押し広げ、子宮口に触れた亀頭でぬちぬちとこねくり回した。薄く開いたの唇がふるふると震えて、あられもない声がこぼれ落ちる。我慢などしなくていいと、もっとその甘い声が聞きたいと、義勇はの耳を食んで舌先を這わせた。
「ふゃ、ぁ、あぁ……」
 すっかり快楽に溶けた瞳と声に、ずくりと腰が疼く。繋がったところから溶け合ってしまいそうなほどにの中は熱くて、柔らかく締め付けてくる。義勇が奥を突いたり実弥が腸壁を擦ったりする刺激に反応して、もっと欲しいというかのように絡み付いてくる熱い肉襞。ふわっと腰が浮くような感覚に、義勇は奥歯を噛み締めた。義勇の胸にもたれるように密着しているの体は熱くて、白い肌は淡い紅色に色付いている。いっそ溶かしてしまいたいほどに愛らしい姿に、どくどくと心臓が煩く鳴っていた。
「っ、ぁ、おく、」
 ぐぽぐぽと激しく抽挿する実弥と奥を執拗に嬲る義勇に、が喉を反らしてぶるりと震える。胎の奥でふたりのモノが好き勝手動いて、めちゃくちゃに擦られるのだから頭がおかしくなりそうだった。背中に覆いかぶさって肩に噛み付く実弥の荒い息が耳に吹きかかって頭がぼうっとするし、くちゅくちゅと耳を舐め回す義勇の舌に聴覚まで溶かされそうな錯覚を覚えてしまう。ぎちぎちと苦しかったはずの腹は、ふわふわと蕩けているかのように気持ちいい。こんなことが気持ちいいのは、頭がおかしくなりそうに思えて怖くて。それでもに触れる義勇と実弥の手の熱さに、「大丈夫」なのだとなぜか強く思う。知らないことばかりでも、恥ずかしくても、おかしくなりそうでも、ふたりが掴んでいてくれるから大丈夫だと。お腹の奥をぐちゃぐちゃにかき回されて、熱くて、溶けそうで。ぼろぼろ涙は溢れるし、きっと今は少しおかしくなってしまっているのだろう。でもきっと、今だけだから。こんな状況にある今だけは、おかしくなっても許してほしい。きゅっと片手で義勇の二の腕に縋り付いて、もう片方の手を実弥に伸ばす。ふらふら宙をさ迷うの手を、実弥は躊躇いなく掴んでくれた。義勇も、縋るの手を握り返してくれる。しっかりと指を絡められて、離すまいと強く握られる。それに安心すると、きゅうっとお腹の奥が切なく疼いた。
「ッ、」
「……あっ……?」
 びくりと腰を揺らした義勇が、低い声を漏らして動きを止める。どろ、と胎の中が愛液とは異なる液体で溢れて満たされる感覚に、はぴくんと肌を震わせた。義勇の吐き出した液体でぬるつきを増した腹の中を、腸壁越しに実弥のモノが突き上げてかき回す。「あ、あ、」と断続的な母音しか声に出せなくなってしまっているは、一層縋るようにふたりの手を強く握った。小さな手のひらにきゅっと握り締められ、実弥も腰を震わせて熱を吐き出す。「ハァ、」と熱い息が肩にかかって、の背筋がぞわりと粟立った。
、」
 義勇の手が、の首筋に触れる。そこに嵌められていた首輪は、いつの間にか消えていて。部屋の求める条件を、満たしたということなのだろう。ふわふわとする頭で、ぼんやりと事の終わりを理解する。意識の外でふたりの体温を名残惜しく感じながらも、もぞりと腰を引かせる。終わったのだから、部屋から出なければ。動いたことでお腹の中に溢れた熱がとろりと流れて、「んッ」と思わず唇を噛み締めた。
「……オイ、そっち貸せ」
「俺の後は、萎えるんじゃなかったのか……」
「……?」
 ぶちゅりと、卑猥な音を立てて中のモノを引き抜かれる。ぼうっと二人の会話を聞いていたは、何か引っかかりを覚えたもののぐったりと二人に身を任せてしまっていて。の体の向きを変えさせて、実弥は義勇の出したものをぐちゅぐちゅと指でかき出し始めた。仰向けに押し倒されたは、荒い息を整えながら義勇の膝に頭を預けるような形で実弥をぼんやりと見上げていて。
「テメェは口でも使ってろ」
 相変わらず何か言いたげに見ている義勇を睨み付けて、実弥はまだ萎えていない陰茎をとろとろに潤っているソコに突き立てる。「ひうッ……!?」と高い声を上げて弛緩しきっていた体を強ばらせたの顔には、「どうして」という疑問がありありと書かれていた。
「えっ、あッ、おわって……?」
「……ンな物欲しそうなツラしといて、どの口が言ってんだよォ」
「し、してな、……んあッ……!?」
 義勇の指が、ツンと尖り立っていた胸の飾りに触れる。くにくにと優しく乳首を撫で転がす義勇の手を思わず掴んだものの、義勇も実弥と同じように熱を帯びた目でを見下ろしていた。
「……自覚は、無いんだろうが」
 求められて、それに何の反応もせずにいられるほど自分たちは辛抱強くないと。そう言って、義勇は戸惑うの頬にもぞりと熱を押し付ける。何か言おうとしたの言葉は、実弥に脚をはしたないほど広げられて抱えられたことで小さな悲鳴へと変わった。陰部を実弥に晒け出すような恥ずかしい格好にさせられて、ぱんぱんと強く腰を打ち付けられる。じゅぷじゅぷと、愛液と精液が混ざり合った液体が繋がったそこから溢れては飛び散って。また、何も考えられなくなる。おかしくなってしまう。の頬をそっと押さえて横を向かせた義勇が、薄く開いた口に硬くなったそれを押し込んで。当然男のモノなど咥えたことのないは、驚いて目を見開くけれど。義勇のモノを吐き出すわけにもいかず固まってしまったに、義勇は「舐めてくれ」と言っての頭を撫でた。お腹も口もいっぱいに詰め込まれて、まだ終わらないのだとようやく理解する。実弥も義勇も、がそうさせたのだと言うから、きっとそうなのだろう。回らない頭でそんなことを考えながら、必死に舌を動かす。義勇のモノは口に入り切らないほど大きくて、これがさっきまでお腹の中にあったのだと思うとどうしてか腹の底がきゅんと疼いた。それに合わせて膣が締まり、実弥がこめかみの血管を浮き上がらせて「いい度胸じゃねェか」と唸る。
「死ぬほどイかせてやるよォ、むっつりスケベ」
「……不死川ものことは言えないだろう」
「うるせェんだよ、テメェもむっつりだろうがァ」
 腹の奥をかき回されて、口をいっぱいに埋められて。それが気持ちいいのだから、確かに自分ははしたないのだろうとは思う。それでも、二人が求めてくれるのなら。はしたなくても恥ずかしくても良いから、まだ触れていてほしい。そんな気持ちがあることに気付いて、の頬にさっと朱が走る。目敏くそれに気付いた実弥も、隠すようにの頬を手で覆ってくれた義勇も、どこか嬉しそうだったから。そんなに悪いことではないのかもしれないと、は鈍い頭で安堵にも似た感覚を覚えたのだった。
 
200215
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