「…………」
すやすやと眠るの頬を、ふにりとつつく。就寝中に時折呼吸が止まることのあるが心配で、今のようにきちんと常中を保っているの寝顔を見ると安心した。幼子のように、柔らかな頬。義勇の腕に頭を預けて眠る、安息に緩んだ表情。いつも困ったように眉を下げているだが、今このときは義勇の寝間着をきゅうっと掴んで穏やかな寝顔を晒している。こんなの表情を間近で見ることが叶うのは、きっと自分だけだ。優越感など抱いたところでそれをひけらかす相手もいないのに、どうしてか胸を満たす欲深い恋情。ほんの僅かな自嘲と確かな安寧を胸に、義勇もまた瞼を閉じた。
190415